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朝顔症候群の症状・治療と漢方薬

朝顔症候群(あさがおしょうこうぐん)は、目の奥にある視神経乳頭の形が生まれつき通常と異なる病気です。視力低下や弱視、斜視などがみられ、網膜剥離を合併することもあります。
治療では、視力の発達を助ける弱視治療や、網膜剥離などの合併症への対応が重要です。また、長く続く目の不調や、見え方に関する不安・不眠などに対しては、それぞれの症状や体質に応じた漢方薬も選択肢となります。
朝顔症候群とは
朝顔症候群は、目から脳へ視覚情報を伝える視神経の出口である視神経乳頭に生じる先天異常です。「Morning Glory Syndrome」「Morning Glory Disc Anomaly」とも呼ばれます。
視神経乳頭が大きく、すり鉢状にくぼみ、中央に白い組織がみられ、周囲の血管が放射状に広がります。この特徴的な形が朝顔の花に似ていることから、朝顔症候群と呼ばれています。
主な症状・特徴
- 片目の視力が低い、左右で視力に差がある
- 弱視や斜視がみられる
- 見える範囲の一部が欠けることがある
- 乳幼児では視線が合いにくい、目の位置がずれるなどの変化がみられる
- 網膜剥離を合併すると、視力がさらに低下することがある
多くは片目に生じますが、まれに両目にみられることもあります。視力への影響には幅があり、比較的良好な視力を保つ方もいます。
朝顔症候群の原因
胎児期に視神経や周囲の組織が形成される過程で生じる異常と考えられています。多くは偶発的に発生し、詳しい原因や遺伝との関係が明らかでない場合もあります。
後天的な目の使いすぎや加齢で発症する病気ではありません。
視神経コロボーマとの違い
視神経コロボーマも、視神経乳頭に生じる先天的な異常です。朝顔症候群と似ていますが、視神経乳頭のくぼみの形や位置、血管の走り方などが異なります。
眼底検査やOCT検査などで詳しく調べ、区別します。
朝顔症候群で注意したい合併症
網膜剥離(もうまくはくり)
網膜剥離は、朝顔症候群で特に注意したい合併症です。網膜は光を感じ取る組織で、通常の位置から剥がれると視力や視野に影響します。
朝顔症候群では、視神経乳頭の周囲に液体がたまったり、網膜に裂孔が生じたりすることで、網膜剥離を起こす場合があります。
剥離の状態によっては経過観察を行いますが、進行する場合には手術が検討されます。
弱視・斜視
小児期に片目から十分な視覚情報が得られないと、視力の発達が妨げられて弱視を生じることがあります。また、左右の視力差などによって斜視がみられる場合もあります。
視力の発達が期待できる時期には、眼鏡やアイパッチなどを用いた弱視治療が検討されます。
脳や血管の先天異常
朝顔症候群では、頭蓋底脳瘤や脳の血管異常が合併する場合があります。もやもや病に関連する血管異常も報告されています。
そのため、眼の検査に加えて頭部MRI・MRAなどを用い、必要な評価を行うことが重要です。
朝顔症候群の検査・治療方法
朝顔症候群の診断には眼底検査を用い、視神経乳頭の形や網膜の状態を確認します。OCTや視力検査、必要に応じて頭部MRI・MRAなども行います。
| 検査・治療 | 内容 |
|---|---|
| 眼底・OCT検査 | 視神経乳頭の形、網膜の構造、網膜剥離の有無を確認します。 |
| 弱視治療 | 眼鏡による矯正やアイパッチなどを用い、視力の発達を促します。 |
| 網膜剥離の治療 | 剥離の状態に応じて経過観察や硝子体手術、強膜内陥術などを検討します。 |
| 斜視の治療 | 眼の位置や視機能に合わせて眼鏡・手術などを検討します。 |
| 頭部MRI・MRA | 脳の構造や血管に関連する異常を調べます。 |
視神経乳頭や網膜の状態を詳しく調べます。
眼鏡やアイパッチなどで視力の発達を促します。
剥離の状態に応じて経過観察や手術を行います。
視機能や眼の位置に合わせて治療します。
脳の構造・血管異常などを確認します。
朝顔症候群の視力は改善する?
視力への影響は、視神経乳頭の異常の程度や、物を見る中心となる黄斑部の状態などによって異なります。
小児では弱視治療によって視力の発達を促せる場合があります。また、網膜剥離などの合併症に対応することで、視機能の維持や改善を目指せる場合もあります。
定期的に眼底や視力の状態を確認し、現在保たれている視機能を大切にすることが重要です。
急な視力低下、視野が欠ける、光が走る、飛蚊症が急に増えるといった変化がある場合には、網膜剥離などの可能性があるため、速やかに眼科での確認が必要です。
朝顔症候群に伴う目の症状と漢方薬
朝顔症候群では、視力の左右差や見え方の制約が長く続く場合があります。また、日常生活で目を使う際の疲れや、かすみ、乾燥など、別の眼症状が重なることもあります。
漢方薬には、目のかすみ・疲れ・視力低下・充血・乾燥などに用いられる処方があります。先天的な視神経乳頭の形状を改善する治療とは区別しながら、実際に困っている目の症状や体質を確認して選びます。
杞菊地黄丸(こぎくじおうがん)
杞菊地黄丸は、かすみ目・疲れ目・視力低下などに用いられる漢方薬です。
六味丸(六味地黄丸)に、目の不調に用いられる枸杞子(クコシ)と菊花(キクカ)を加えた処方です。目の疲れやかすみが気になり、手足のほてりや口の渇き、疲れやすさなどを伴う方に適しています。
杞菊地黄丸の効能・効果には「視力低下」も含まれています。朝顔症候群のある方でも、視神経の先天異常そのものへの効果とは区別し、かすみ目や眼精疲労などの症状に応じて検討できます。
滋腎明目湯(じじんめいもくとう)
滋腎明目湯は、慢性的な目の疲れ、かすみ、目の痛みに用いられる漢方薬です。
当帰(トウキ)・川芎(センキュウ)・地黄(ジオウ)・人参(ニンジン)・菊花(キクカ)などを組み合わせた処方で、体力が低下し、目を使うと疲れやすい方などに適しています。
朝顔症候群による見えにくさに加え、読書や仕事、学習などで目の疲れやかすみを感じる場合には、その症状に合わせて検討する漢方薬です。
洗肝明目湯(せんかんめいもくとう)
洗肝明目湯は、目の充血・痛み・乾燥などに用いられる漢方薬です。
当帰・川芎・芍薬・地黄などの生薬に、黄連(オウレン)・黄芩(オウゴン)・菊花など、目の炎症や不快感に関連して用いられる生薬を組み合わせています。
目の赤みや乾燥が続く方、目が刺激に敏感になりやすい方などに適しています。視神経乳頭の異常とは別に、こうした眼症状がみられる場合に検討できます。
目の症状による漢方薬の使い分け
杞菊地黄丸:かすみ目・疲れ目・視力低下に加えて、疲れやすさやほてりなどがある方に。
滋腎明目湯:目を使うと疲れやすい、慢性的なかすみや目の痛みが続く方に。
洗肝明目湯:目の充血・乾燥・痛みなどが目立つ方に。
これらの漢方薬は、それぞれの眼症状に合わせて使い分けるもので、必ずしも複数を併用する必要はありません。
視力への不安・ストレス・不眠と漢方薬
朝顔症候群は生まれつきの病気であり、見え方に関する悩みが長期間続くことがあります。
学校や仕事での見えにくさ、今後の視力への不安、網膜剥離などの合併症に対する心配が重なると、精神的な緊張や不眠、疲労感につながる方もいます。
こうした場合には、不安感・神経過敏・不眠・疲労など、現れている症状に応じた漢方薬も検討できます。
帰脾湯(きひとう)
帰脾湯は、精神的な不安や不眠に加え、疲れやすさや気力の低下などを伴う方に用いられる漢方薬です。
心身が疲れやすく、考え事が多くて眠れない、食欲が落ちやすい、気持ちが落ち着かないといった方に適しています。
視力や将来への不安が続き、睡眠や日常生活にも影響している方では、体力や胃腸の状態などを確認しながら検討できます。
酸棗仁湯(さんそうにんとう)
酸棗仁湯は、心身が疲れているのに眠れない、眠りが浅い、夜中に目が覚めるといった方に用いられる漢方薬です。
酸棗仁(サンソウニン)を中心に、茯苓(ブクリョウ)・知母(チモ)・川芎(センキュウ)などを配合しています。
病気や日常生活のことで考え事が続き、緊張が抜けずに睡眠の質が低下している方などに、症状に合わせて検討します。
抑肝散加陳皮半夏(よくかんさんかちんぴはんげ)
抑肝散加陳皮半夏は、神経過敏・イライラ・気持ちの高ぶり・不眠などに用いられる漢方薬です。
抑肝散に陳皮(チンピ)と半夏(ハンゲ)を加えた処方で、神経が高ぶりやすく、胃腸も弱い方などに適しています。
見え方への不安や生活上の負担から緊張が続き、イライラしやすい、眠る前も気持ちが落ち着かないといった症状がある場合に検討できます。
不安や不眠への漢方薬は、朝顔症候群のある方全員に必要なものではありません。実際に困っている症状に合わせて選択します。また、小児と成人では治療上の注意点が異なるため、年齢や現在の治療内容を確認することが重要です。
カミツレ薬局で相談・購入できる漢方薬
カミツレ薬局では、かすみ目・眼精疲労・目の充血や乾燥などに用いられる漢方薬を取り扱っています。また、視力への不安などに伴う不眠や精神的な緊張についても、症状や体質に応じた処方をご相談いただけます。
目の不調に用いられる漢方薬
杞菊地黄丸エキス細粒G「コタロー」
こぎくじおうがん・30包
かすみ目・疲れ目・視力低下に。 枸杞子と菊花を配合し、目の疲れやかすみ、体質に応じた視力低下などに用いられる漢方薬です。
商品情報・購入ページを見る滋腎明目湯エキス細粒G「コタロー」
じじんめいもくとう・30包
慢性的な目の疲れ・かすみ・痛みに。 体力が低下し、目を使うと疲れやすい方の眼精疲労やかすみ目に用いられる漢方薬です。
商品情報・購入ページを見る洗肝明目湯エキス細粒G「コタロー」
せんかんめいもくとう・30包
目の充血・乾燥・痛みに。 目が赤くなりやすい、乾燥や刺激感が気になる方などに用いられる漢方薬です。
商品情報・購入ページを見る不安・不眠・精神的な緊張に用いられる漢方薬
帰脾湯エキス細粒G「コタロー」
きひとう・30包
精神不安・不眠・心身の疲れに。 疲れやすく、気持ちが落ち着かない、考え事が多くて眠れない方などに用いられる漢方薬です。
商品情報・購入ページを見る酸棗仁湯エキス細粒G「コタロー」
さんそうにんとう・30包
心身が疲れているのに眠れない方に。 眠りが浅い、途中で目が覚める、精神的な緊張が続く方などの不眠に用いられる漢方薬です。
商品情報・購入ページを見る抑肝散加陳皮半夏エキス細粒G「コタロー」
よくかんさんかちんぴはんげ・30包
イライラ・神経過敏・不眠に。 気持ちが高ぶりやすい、緊張が続く、胃腸が弱く眠りが浅い方などに用いられる漢方薬です。
商品情報・購入ページを見る関連する医薬品・漢方薬の解説
目の不調に用いられる漢方薬の比較 ― 杞菊地黄丸・滋腎明目湯・洗肝明目湯などの違い。
眼精疲労・目の疲れと漢方薬 ― かすみ目・乾燥・目の疲れに用いられる漢方薬。
不眠症の治療薬・漢方薬 ― 不安や精神的な緊張を伴う不眠の治療と漢方薬。
朝顔症候群の薬は通販・処方箋なしで購入できる?
朝顔症候群の治療では、視力や網膜の状態に合わせた眼科での管理が中心になります。
一方、かすみ目・眼精疲労・目の乾燥や充血、不眠・精神不安などに用いられる漢方薬には、処方箋なしで通販・オンライン購入できる製品があります。
カミツレ薬局では、これらの症状に対応する一般用漢方薬を取り扱っており、年齢や体質、現在の治療内容などを確認しながらご案内しています。
漢方薬は製品ごとの効能・効果に応じて使用するもので、朝顔症候群による先天的な視神経乳頭の形状や網膜剥離を直接改善するものではありません。
なお、カミツレ薬局では、処方箋医薬品以外の医療用医薬品を条件に応じて店舗で対面販売する場合もありますが、医療用医薬品の通販・郵送販売は行っていません。
朝顔症候群と日常生活での工夫
朝顔症候群では、現在保たれている視機能を大切にしながら、生活環境や見え方に合わせた工夫を取り入れることが重要です。
日常生活で意識したいこと
- 定期的な眼底検査や視力検査を受ける
- 必要に応じて眼鏡・拡大鏡・視覚補助具などを活用する
- 読書やパソコン作業では照明・文字サイズ・休憩を工夫する
- 目の乾燥や疲れがある場合は、その原因や症状に応じて対応する
- 見え方に関する不安や、睡眠・体調の変化も無理に抱え込まず相談する
朝顔症候群のある方でも、目の疲れや乾燥、不眠などの症状に対しては、症状や体質に応じた医薬品を選ぶことができます。
朝顔症候群に伴う目の不調・漢方薬のご相談
「目のかすみや疲れに合う漢方薬を知りたい」「杞菊地黄丸と滋腎明目湯はどう違う?」「見え方への不安で眠れない」「現在の眼科治療と漢方薬を併用できる?」など、お薬についてお気軽にご相談ください。
参考文献・情報源
執筆・監修:カミツレ薬局 薬剤師 河津伸也
宮城県仙台市・東北大学病院前
本ページは、医学・薬学資料や医薬品添付文書に基づき、一般の方向けにまとめています。



