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疾患・症状と医薬品

不眠症(不眠障害)の症状と治療薬・漢方薬

不眠症(不眠障害)の治療薬・漢方薬

不眠症は、寝つきが悪い、夜中に何度も目が覚める、朝早く目覚めてしまうなど、睡眠の問題によって日中の生活にも支障が生じる状態です。

治療には、睡眠習慣の改善や不眠症に対する認知行動療法、必要に応じて睡眠薬が用いられます。また、心身の疲れや精神不安、イライラなどを伴う不眠には、酸棗仁湯・帰脾湯・抑肝散加陳皮半夏などの漢方薬も選択肢となります。

不眠症(不眠障害)とは

不眠症は、眠るための時間や環境があるにもかかわらず、十分に眠れず、疲労感や集中力の低下、気分の不調などが現れる病気です。

一時的な不眠は誰にでも起こりますが、眠れない状態が続き、日中の活動にも影響する場合には、不眠障害として治療の対象になります。

不眠症の主な症状

  • 入眠困難:布団に入ってもなかなか眠れない
  • 中途覚醒:夜中に何度も目が覚め、再び眠るのが難しい
  • 早朝覚醒:予定より早く目が覚め、その後眠れない
  • 睡眠休養感の低下:眠っても疲れが取れず、熟睡した感じがしない

これらの症状は一つだけ現れることも、複数が重なることもあります。慢性不眠障害では、一般に週3回以上の睡眠の問題が3か月以上続き、日中の生活にも支障があることなどが診断の目安になります。

原因には、ストレスや不安、生活リズムの乱れ、加齢、カフェインやアルコールの影響などがあります。また、うつ病、不安症、睡眠時無呼吸症候群、むずむず脚症候群、慢性的な痛みなどが関係することもあります。

診断では睡眠の経過や日中の症状、生活習慣、服用中の薬などを確認し、必要に応じて睡眠日誌や睡眠検査を行います。

不眠症の治療

不眠症の治療では、眠りを妨げている原因を確認し、生活習慣の改善や認知行動療法を基本として、症状に応じた薬物療法を組み合わせます。

治療方法 内容
睡眠習慣の改善 起床時刻を整え、日中の活動や光の浴び方、寝室環境などを見直します。
認知行動療法(CBT-I) 眠れないことへの不安や、睡眠を妨げる考え方・行動を修正する治療です。慢性的な不眠症の基本的な治療の一つです。
睡眠薬 症状に応じて、オレキシン受容体拮抗薬、メラトニン受容体作動薬などを使用します。
関連する病気の治療 睡眠時無呼吸症候群、うつ病、痛み、頻尿などが原因の場合には、それぞれの治療も行います。
睡眠習慣の改善

起床時刻や日中の過ごし方、睡眠環境を整えます。

認知行動療法(CBT-I)

不眠を長引かせる考え方や行動を見直します。

睡眠薬

症状に応じて医療用の不眠症治療薬を使用します。

関連する病気の治療

不眠の原因となる病気や症状にも対応します。

不眠症に使われる主な睡眠薬

睡眠薬には、覚醒を抑える薬、睡眠と覚醒のリズムに働きかける薬、脳の活動を鎮める薬などがあり、不眠の症状や年齢、併用薬などを考慮して選択されます。

薬・成分 特徴・位置づけ
オレキシン受容体拮抗薬
スボレキサント(ベルソムラ)
レンボレキサント(デエビゴ)
ダリドレキサント(クービビック)
覚醒を維持するオレキシンの働きを抑え、眠りを促す医薬品です。寝つきの悪さや睡眠の途中で目覚める症状などに使用されます。
メラトニン受容体作動薬
ラメルテオン(ロゼレム)
睡眠と覚醒のリズムに関係するメラトニン受容体に働きかける薬です。主に入眠困難の改善を目的に使用します。
非ベンゾジアゼピン系睡眠薬
ゾルピデム、エスゾピクロンなど
脳の興奮を抑えて眠りを促す薬です。特に寝つきの悪さなどに使用されます。
ベンゾジアゼピン系睡眠薬
ブロチゾラムなど
催眠・鎮静作用を持つ薬です。症状に応じて使用されますが、依存性やふらつきなどに注意が必要です。
オレキシン受容体拮抗薬

ベルソムラ、デエビゴ、クービビックなど。覚醒を抑えて眠りを促します。

メラトニン受容体作動薬

ロゼレムなど。睡眠と覚醒のリズムに働きかけます。

非ベンゾジアゼピン系睡眠薬

ゾルピデムなど。脳の興奮を抑える薬です。

ベンゾジアゼピン系睡眠薬

ブロチゾラムなど。催眠作用があり、依存性やふらつきに注意します。

これらの睡眠薬は医師の処方によって使用する医療用医薬品です。翌朝の眠気、ふらつき、転倒、薬の飲み合わせなどに注意が必要です。長く使用している睡眠薬は自己判断で急に中止せず、治療状況に応じて調整します。

睡眠習慣を整えるために

毎朝なるべく同じ時刻に起きて日光を浴びること、日中に身体を動かすこと、夕方以降のカフェインや寝酒を避けることなどが睡眠の改善に役立ちます。

また、眠くないのに無理に早く布団に入ったり、長時間寝床で眠ろうと頑張ったりすると、かえって不眠が長引くことがあります。睡眠時間だけでなく、朝起きたときの休養感や日中の調子も大切です。

不眠症と漢方薬

漢方薬は、寝つきの悪さや中途覚醒といった症状だけでなく、疲労感、不安、イライラ、動悸、胃腸の状態などを考慮して選びます。

不眠症を効能・効果に持つ漢方製剤も複数あり、睡眠薬とは異なる特徴を持つ治療の選択肢として使用されています。

酸棗仁湯(さんそうにんとう)

酸棗仁湯は、心身が疲れているのに眠れない方や、眠りが浅く、途中で目が覚めやすい方に用いられる代表的な漢方薬です。

疲労が重なるとかえって眠れなくなる、考えごとが続いて休まらないといった状態に適しています。体力が中等度以下で、精神不安や不眠を伴う方などに選ばれます。

酸棗仁(サンソウニン)を中心に、茯苓(ブクリョウ)・知母(チモ)・川芎(センキュウ)・甘草(カンゾウ)を組み合わせた処方です。特に、心身の疲れと不眠が重なっている方に検討されます。

帰脾湯(きひとう)

帰脾湯は、疲れやすさや気力の低下に加えて、不安感、不眠、動悸、物忘れなどが気になる方に用いられる漢方薬です。

胃腸が弱く、食欲が落ちやすい、顔色が悪い、心身ともに疲れ切っているといった方に選ばれます。

不眠だけでなく、精神不安、貧血なども効能・効果に含まれる製剤があり、身体の疲労と精神的な不調が重なる場合に適した処方です。

抑肝散加陳皮半夏(よくかんさんかちんぴはんげ)

抑肝散加陳皮半夏は、神経が高ぶりやすく、イライラや不安、興奮によって眠れない方に用いられる漢方薬です。

些細なことが気になって落ち着かない、怒りっぽい、眠る前にも緊張が抜けないといった症状がある方に検討されます。

抑肝散に陳皮(チンピ)と半夏(ハンゲ)を加えた処方で、神経の高ぶりに加えて、胃腸の弱さや食欲の低下を伴う場合にも使われます。

桂枝加竜骨牡蛎湯(けいしかりゅうこつぼれいとう)

桂枝加竜骨牡蛎湯は、疲れやすく、神経過敏で、興奮しやすい方の不眠症や神経症などに用いられる漢方薬です。

ちょっとした物音が気になる、緊張しやすい、動悸を感じる、眠りが浅いといった方に検討されます。

竜骨(リュウコツ)・牡蛎(ボレイ)などを配合し、精神的な緊張や不安が目立つ方の不眠にも用いられます。

そのほかの不眠症に関連する漢方薬

温胆湯

不眠や不安に加えて、胃の不調や気分の落ち着かなさを伴う方に。

柴胡加竜骨牡蛎湯

比較的体力があり、イライラ、不安、動悸などで眠れない方に。

加味逍遙散

疲れやすく、精神不安、のぼせ、肩こり、更年期症状などを伴う方に。

抑肝散

神経の高ぶりや怒りっぽさ、イライラなどを伴う不眠に。

カミツレ薬局で相談・購入できる漢方薬

カミツレ薬局では、不眠症や精神不安、神経症などに用いられる漢方薬を取り扱っています。寝つきの悪さだけでなく、心身の疲れ、不安、イライラ、眠りの浅さなど、具体的な症状に合わせてご相談いただけます。

第2類医薬品・オンライン購入可能

酸棗仁湯エキス細粒G「コタロー」

さんそうにんとう

心身が疲れ切っているのに眠れない方に。眠りが浅い、夜中に目が覚める、精神不安を伴う不眠などに用いられる代表的な漢方薬です。

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第2類医薬品・オンライン購入可能

帰脾湯エキス細粒G「コタロー」

きひとう

不眠や精神不安に加えて、疲労感、食欲不振、貧血傾向などがある方に。心身ともに疲れやすい方の不眠に用いる漢方薬です。

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第2類医薬品・オンライン購入可能

抑肝散加陳皮半夏エキス細粒G「コタロー」

よくかんさんかちんぴはんげ

イライラや神経過敏、興奮しやすさを伴う不眠に。気持ちが落ち着かず眠れない方や、胃腸が弱い方にも用いられる漢方薬です。

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第2類医薬品・オンライン購入可能

サンワ桂枝加竜骨牡蛎湯エキス細粒「分包」

けいしかりゅうこつぼれいとう

神経過敏や精神的な緊張、動悸、不眠に。疲れやすく、ちょっとした刺激が気になって眠れない方に用いられる漢方薬です。

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その他の関連製品

温胆湯エキス細粒G「コタロー」 ― 不眠や精神不安、胃の不調などを伴う方に。

サンワ柴胡加竜骨牡蛎湯エキス細粒「分包」 ― 不安、イライラ、動悸、不眠などに。

漢方薬には処方ごとの使用条件や注意事項があります。複数の漢方薬を併用する場合には甘草などの生薬の重複に注意が必要です。服用中の睡眠薬や向精神薬がある方も、現在の治療内容と合わせて確認できます。

不眠やイライラ、精神不安に用いられる漢方薬を詳しく比較したい方は、不眠・イライラ・神経症におすすめの漢方薬比較ページもご覧ください。

不眠症の薬は通販・処方箋なしで購入できる?

不眠症に用いられる一般用漢方薬には、処方箋なしで通販・オンライン購入できる製品があります。 酸棗仁湯、帰脾湯、抑肝散加陳皮半夏などは、カミツレ薬局でも取り扱っています。

また、一時的な寝つきの悪さに対しては、ジフェンヒドラミンなどを配合した市販の睡眠改善薬もあります。ただし、これらは一時的な不眠症状を対象とする薬であり、慢性不眠症の治療に長く使用するものではありません。

一方、ベルソムラ、デエビゴ、ロゼレム、ゾルピデムなどの医療用睡眠薬は、医師の処方により使用する医薬品です。

カミツレ薬局では、処方箋医薬品以外の医療用医薬品を条件に応じて店舗で対面販売する場合もありますが、医療用医薬品の通販・郵送販売は行っていません。

不眠が長く続く場合や、強い日中の眠気、いびき・呼吸停止、著しい気分の落ち込みなどを伴う場合には、他の病気が関係していることもあります。原因を確認したうえで治療方法を選ぶことが大切です。

不眠症に用いられる漢方薬のご相談

「疲れているのに眠れない」「夜中に何度も目が覚める」「酸棗仁湯と帰脾湯の違いを知りたい」「イライラして眠れない」「病院の睡眠薬と漢方薬を併用できる?」など、お薬についてお気軽にご相談ください。

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参考文献・情報源

執筆・監修:カミツレ薬局 薬剤師 河津伸也
宮城県仙台市・東北大学病院前
本ページは、医薬品添付文書や医学・薬学資料に基づき、一般の方向けにまとめています。