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疾患・症状と医薬品

月経不順(生理不順)の症状と治療薬・漢方薬

月経不順・生理不順の治療薬・漢方薬

月経不順(生理不順)とは、生理が来る間隔が短すぎたり長すぎたりするなど、月経周期が不規則になる状態です。生理が何か月も来ない、毎月の周期が大きく変わるなどの症状も含まれます。

原因にはストレスや体重の変化、ホルモン分泌の異常、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)などがあります。治療にはホルモン剤などが使用されるほか、冷え・月経痛・イライラ・疲れやすさなどの症状や体質に応じて、当帰芍薬散・加味逍遙散・桂枝茯苓丸などの漢方薬も用いられます。

月経不順(生理不順)とは

月経は、脳から分泌されるホルモンと卵巣の働きによって調節されています。卵胞が発育して排卵が起こり、妊娠が成立しなければ子宮内膜が剥がれて月経が始まります。

このホルモンの働きや排卵に乱れが生じると、月経の間隔が長くなったり短くなったり、月経そのものが来なくなったりします。

正常な月経周期は何日?

日本の産婦人科診療では、一般に25〜38日程度が正常な月経周期の目安とされてきました。月経開始日から次の月経開始日の前日までを1周期として数えます。

毎月の周期に多少の違いはありますが、周期の変動が大きい場合や、月経が長期間来ない場合には月経異常が考えられます。

月経の状態 特徴
正常な月経周期 25〜38日程度で、周期の変動が6日以内
頻発月経 24日以内の短い周期で月経が繰り返される状態
希発月経 39日以上の長い周期で月経が来る状態
続発性無月経 これまであった月経が90日以上来なくなった状態
正常な月経周期

25〜38日程度で、周期の変動が6日以内が目安です。

頻発月経

24日以内の短い周期で月経が繰り返されます。

希発月経

39日以上の長い周期で月経が来ます。

続発性無月経

これまであった月経が90日以上来なくなった状態です。

上記は日本産科婦人科学会の2023年版ガイドラインなどで示されている分類です。思春期や閉経前には周期が不規則になりやすい時期もあり、年齢や月経の経過を含めて判断します。

月経不順の主な原因

月経不順は、必ずしも婦人科の病気だけで起こるものではありません。生活習慣や体調の変化、ホルモンの異常など、さまざまな原因が考えられます。

月経周期が乱れる主な原因

  • ストレス・睡眠不足:月経を調節するホルモンの分泌に影響します。
  • 急激なダイエット・体重減少:栄養不足により排卵や月経が止まることがあります。
  • 肥満・PCOS:排卵が不規則になり、月経周期が長くなることがあります。
  • 過度な運動:エネルギー不足などによって無月経になる場合があります。
  • 甲状腺やプロラクチンの異常:ホルモン分泌の変化によって月経が乱れます。
  • 思春期・更年期:卵巣機能の変化によって周期が不安定になることがあります。

妊娠の可能性がある場合には、まず妊娠の有無を確認します。また、月経のように見える不規則な出血が、子宮筋腫や子宮内膜の病気などによって起こっている場合もあります。

多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)と月経不順

多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)は、排卵が起こりにくくなることで月経不順や無月経などが現れる病気です。

月経周期が長い、数か月に一度しか生理が来ないといった症状のほか、にきび、多毛、体重増加などを伴う場合があります。

PCOSでは、月経周期の管理だけでなく、妊娠希望の有無、排卵の状態、糖代謝などを考慮して治療を選択します。

多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)と漢方薬について詳しく見る

月経不順の治療

月経不順の治療は、月経周期が乱れている原因や、妊娠を希望しているかどうかによって異なります。

体重減少や過度な運動、ストレスが原因の場合には生活環境の改善が重要です。一方、排卵障害やホルモン分泌の異常がある場合には、ホルモン療法などが使用されます。

治療方法 内容
生活習慣の改善 十分な栄養摂取、適正体重の維持、睡眠、運動量の調整などを行います。
ホルモン療法 黄体ホルモンや卵胞ホルモンなどを使用し、月経周期を調整します。
排卵誘発療法 妊娠を希望する方の排卵障害に対して、排卵を促す医薬品を使用します。
原因疾患の治療 PCOS、甲状腺疾患、高プロラクチン血症など、原因となる病気に応じた治療を行います。
生活習慣の改善

栄養状態、体重、睡眠、運動量などを見直します。

ホルモン療法

女性ホルモンなどを使用して月経周期を調整します。

排卵誘発療法

妊娠を希望する場合に、排卵を促す薬を使用します。

原因疾患の治療

PCOS、甲状腺疾患などの原因に応じて治療します。

月経不順に使われる主な医薬品

薬・成分 特徴・位置づけ
黄体ホルモン製剤
ジドロゲステロン、メドロキシプロゲステロンなど
排卵障害などによる月経不順・無月経に使用されます。一定期間服用し、中止後に月経様の出血を起こす方法などがあります。
卵胞ホルモン・黄体ホルモン製剤
エストロゲン製剤、プロゲスチン製剤
ホルモン分泌が不足している場合などに、両方のホルモンを組み合わせて周期的に使用します。
低用量経口避妊薬(OC)
エチニルエストラジオール・プロゲスチン配合薬など
ホルモンの変動や月経周期を調整する目的で使用されることがあります。月経困難症には、承認されたLEP製剤も用いられます。
排卵誘発薬
レトロゾール、クロミフェンなど
排卵障害があり、妊娠を希望する方に使用します。PCOSではレトロゾールなどが治療選択肢となります。
原因疾患に対する薬
カベルゴリン、甲状腺ホルモン製剤など
高プロラクチン血症や甲状腺機能低下症などが原因の場合、その病気に対する治療を行います。
黄体ホルモン製剤

ジドロゲステロンなど。月経不順や無月経の治療に使用します。

卵胞ホルモン・黄体ホルモン製剤

ホルモン分泌が不足している場合に、周期的な治療を行います。

低用量経口避妊薬(OC)

ホルモンの変動や月経周期を調整する目的で使用されます。

排卵誘発薬

レトロゾール、クロミフェンなど。妊娠を希望する排卵障害の方に用いられます。

原因疾患に対する薬

甲状腺やプロラクチンなどの異常に応じて治療します。

妊娠を希望しない方では、月経周期の調整や子宮内膜の保護を目的としてホルモン療法が行われます。一方、妊娠を希望する方では排卵を促す治療が中心となる場合があります。

特に排卵のない状態が長く続く場合は、子宮内膜への影響も考慮する必要があります。単に月経を起こすだけではなく、その原因に合わせた治療が大切です。

月経不順の検査

月経周期の乱れが続く場合には、月経開始日や出血の状態、体重変化、使用中の医薬品などを確認し、必要に応じて超音波検査や血液検査を行います。

血液検査では、FSH・LH・エストラジオール・プロラクチン・甲状腺ホルモンなどを調べ、排卵障害の原因を確認することがあります。

月経が3か月以上来ない場合、妊娠の可能性がある場合、通常と異なる出血が続く場合などは、原因を確認することが重要です。大量出血、強い腹痛、めまいや失神などを伴う場合には速やかな医療機関での評価が必要です。

月経不順と漢方薬

漢方薬は、月経周期の長さだけでなく、冷え、月経痛、むくみ、肩こり、のぼせ、イライラ、疲れやすさなど、その方が同時に抱えている症状や体質に合わせて選びます。

月経不順を正式な効能・効果に持つ一般用漢方薬も複数あり、婦人科で行うホルモン療法とは異なる選択肢として検討できます。

当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)

当帰芍薬散は、冷えやすく、疲れやすい、貧血傾向やむくみを伴う月経不順に用いられる代表的な漢方薬です。

当帰・川芎・芍薬など血の巡りや身体の状態を整える生薬と、茯苓・白朮・沢瀉など水分代謝に関わる生薬を組み合わせた処方です。

体力があまりなく、足腰の冷え、めまい、頭重感、肩こりなどを伴う方に適しており、月経不順・月経痛・更年期障害などに幅広く使用されます。

特に、月経周期が乱れるだけでなく、冷えやむくみ、疲れやすさも気になる方に検討したい漢方薬です。

加味逍遙散(かみしょうようさん)

加味逍遙散は、イライラや不安感、のぼせ、肩こりなどを伴う月経不順に用いられる漢方薬です。

柴胡・当帰・芍薬・牡丹皮・山梔子などを組み合わせ、精神的な緊張やのぼせ、冷えなどが混在する体調の不調に使用します。

月経前になると気分が不安定になる、ストレスの影響を受けやすい、冷えるのに顔がほてるといった症状を伴う方にも選ばれます。

月経不順に加えて、月経前のイライラや不眠、肩こり、更年期に近い時期の体調変化などが気になる方に検討できる処方です。

桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)

桂枝茯苓丸は、月経不順とともに月経痛や下腹部痛、のぼせ、足の冷えなどを伴う方に用いられる漢方薬です。

桂皮・茯苓・牡丹皮・桃仁・芍薬を組み合わせた処方で、血の巡りを整え、月経痛や下腹部の不快感などの改善を目的として使用します。

比較的体力があり、月経前後に下腹部が張る、肩こりや頭重感がある、顔はほてるのに足は冷えるといった方に適しています。

当帰芍薬散が冷えや貧血傾向、疲れやすさのある方に選ばれやすいのに対し、桂枝茯苓丸は月経痛やのぼせ、下腹部の症状が目立つ方に検討されます。

芎帰調血飲第一加減(きゅうきちょうけついんだいいちかげん)

芎帰調血飲第一加減は、月経不順に加えて、冷え・疲労感・めまい・頭痛などを伴う方に用いられる漢方薬です。

当帰・川芎・芍薬・地黄などの生薬をはじめ、多くの生薬を組み合わせた処方で、身体を養いながら血の巡りや体調を整えることを目的として使用します。

月経不順のほか、産後の体力低下や血の道症などにも用いられ、疲れやすさや精神的な不調、冷えなどが重なる方に検討できます。

特に、月経周期の乱れだけでなく、産後や体力低下に伴うさまざまな不調が気になる方に紹介したい処方です。

そのほかの月経不順に用いられる漢方薬

女神散

のぼせ・めまい・気分の不安定さなどを伴う月経不順に。

四物湯

貧血傾向があり、冷えや皮膚の乾燥、血色の悪さなどを伴う方に。

桃核承気湯

比較的体力があり、のぼせ・イライラ・便秘を伴う月経不順に。

通導散

下腹部に張りや圧痛があり、便秘や肩こりなどを伴う月経不順に。

温経湯と月経不順・排卵障害

温経湯(うんけいとう)は、手のひらのほてりや唇の乾燥、足腰の冷えなどを伴う月経不順に用いられる漢方薬です。

また、PCOSを含む排卵障害に対して使用した臨床研究もあり、月経周期や排卵機能への影響が検討されています。

ただし、研究の規模には限界があり、排卵誘発薬に代わる標準治療として位置づけられるものではありません。冷えやほてり、乾燥などの症状を含めて処方を検討します。

妊娠の可能性がある場合や妊活中の方は、漢方薬の選択にも注意が必要です。特に大黄・桃仁・牡丹皮などを含む処方は、妊娠の可能性も考慮して使用を判断します。また、複数の漢方薬を併用する場合は配合生薬の重複にも注意が必要です。

カミツレ薬局で相談・購入できる漢方薬

カミツレ薬局では、月経不順・月経痛・冷え・のぼせ・イライラなど、女性特有の症状に用いられる漢方薬を取り扱っています。

月経周期の状態だけでなく、冷えやむくみの有無、月経痛の程度、疲れやすさ、精神的な不調などを確認しながら、体質に合った漢方薬をご相談いただけます。

第2類医薬品・オンライン購入可能

当帰芍薬散料エキス細粒G「コタロー」

とうきしゃくやくさんりょう

冷え・貧血傾向・むくみを伴う月経不順に。疲れやすく、足腰の冷えやめまいなども気になる方に用いられる代表的な婦人科漢方薬です。

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第2類医薬品・オンライン購入可能

加味逍遙散エキス細粒G「コタロー」

かみしょうようさん

イライラ・のぼせ・肩こりを伴う月経不順に。冷えや精神的な不調、疲れやすさなどが重なる方に。月経前の体調変化や更年期障害にも用いられる漢方薬です。

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第2類医薬品・オンライン購入可能

桂枝茯苓丸料エキス細粒G「コタロー」

けいしぶくりょうがんりょう

月経痛・下腹部痛・冷えのぼせを伴う月経不順に。比較的体力があり、肩こりや頭重感、足の冷えなどが気になる方に用いられる漢方薬です。

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第2類医薬品・オンライン購入可能

きゅう帰調血飲第一加減エキス細粒G「コタロー」

きゅうきちょうけついんだいいちかげん

月経不順・冷え・産後の体力低下に。疲れやすさ、めまい、頭痛、精神的な不調などが重なる方に。女性特有の体調変化に幅広く用いられる漢方薬です。

商品情報・購入ページを見る

その他の月経不順に用いられる漢方薬

女神散エキス細粒G「コタロー」 ― のぼせ・めまい・精神的な不調を伴う月経不順に。

四物湯エキス細粒「分包」サンワ ― 貧血傾向、冷え、皮膚の乾燥などを伴う月経不順に。

桃核承気湯Aエキス細粒「分包」三和生薬 ― のぼせやイライラ、便秘を伴う月経不順に。

通導散エキス細粒G「コタロー」 ― 下腹部の圧痛、便秘、肩こりなどを伴う月経不順に。

生薬から煎じる本格的な漢方薬も取り扱っています

カミツレ薬局では、エキス製剤のほか、生薬を煎じて服用する漢方薬も取り扱っています。

当帰芍薬散料・加味逍遙散料は煎じ薬もあり、製剤の種類や服用方法など、ご希望に合わせてご相談いただけます。

煎じ薬の取扱商品

當帰芍薬散料<煎じ薬>7日分 ― 冷え・むくみ・月経不順・月経痛などに。

加味逍遙散料<煎じ薬>7日分 ― 月経不順・冷え・更年期障害などに。

妊娠を希望する方の栄養補給について

月経不順があり妊娠を希望している場合は、排卵の状態を確認することに加え、日頃からの栄養管理も大切です。

特に妊娠を計画している方には、胎児の神経管閉鎖障害のリスク低減のため、通常の食事に加えて葉酸を適切に摂取することが推奨されています。

妊活中の栄養補助食品(医薬品ではありません)

レディサポ 葉酸 ― 1日1粒で葉酸400μgを補給できるサプリメントです。

葉酸サプリメントは月経不順や排卵障害を治療するものではありません。妊娠を希望する方の栄養補給を目的とする製品です。

月経不順の薬は通販・処方箋なしで購入できる?

月経不順に使用される医薬品の中には、処方箋なしで購入できる市販薬があります。

例えば、当帰芍薬散・加味逍遙散・桂枝茯苓丸などの一般用漢方薬は、月経不順を正式な効能・効果に持つ製品があり、通販・オンライン購入が可能です。

一方、月経周期の調整に用いるホルモン製剤や排卵誘発薬などは、医療機関での診断や処方が必要です。

カミツレ薬局では、処方箋医薬品以外の医療用医薬品を条件に応じて店舗で対面販売する場合もありますが、医療用医薬品の通販・郵送販売は行っていません。

月経不順では、単に月経周期を整えるだけでなく、冷えや月経痛、疲れやすさ、精神的な不調なども気になる方が少なくありません。このような症状や体質に合わせて、漢方薬を選択肢として検討できます。

漢方薬は月経不順の症状や体質に合わせて使用するものであり、PCOSや甲状腺疾患などの原因疾患に対する標準治療や、妊娠希望時の排卵誘発治療に代わるものではありません。

月経不順・生理不順に用いられる漢方薬のご相談

「生理周期が毎月バラバラ」「冷えや月経痛も気になる」「当帰芍薬散と加味逍遙散はどう違う?」「妊活中でも使用できる漢方薬は?」など、お薬についてお気軽にご相談ください。

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参考文献・情報源

執筆・監修:カミツレ薬局 薬剤師 河津伸也
宮城県仙台市・東北大学病院前
本ページは、医薬品添付文書や医学・薬学資料に基づき、一般の方向けにまとめています。