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症状から薬を知る

疳の虫・小児疳症に使われる薬・漢方薬
子どものかんしゃく・神経過敏も解説

疳の虫・小児疳症に使われる漢方薬や市販薬を薬剤師が解説

ちょっとしたことで激しく泣く、かんしゃくを起こす、 イライラして怒りっぽい、夜になると興奮してなかなか眠れない――。 このようなお子さんの様子を、昔から「疳の虫(かんのむし)が強い」と表現することがあります。

疳の虫は、実際に身体の中に虫がいるという意味ではありません。 子どもの神経の高ぶり、かんしゃく、夜泣き、神経過敏などを表してきた伝統的な言葉です。

また、漢方薬の効能・効果には、 「小児疳症(神経過敏)」という言葉も使用されています。 抑肝散や抑肝散加陳皮半夏などは、その代表的な漢方薬です。

ただし、子どものかんしゃくや夜泣きは、成長過程でもよくみられるものであり、 必ずしも病気や薬による治療が必要な状態とは限りません。

このページでは、疳の虫・小児疳症の意味、子どものかんしゃくへの対処法、 抑肝散・抑肝散加陳皮半夏・柴胡清肝湯などの漢方薬、 樋屋奇応丸や宇津救命丸などの小児用生薬製剤、 市販薬の通販・処方箋なしでの購入方法まで薬剤師が解説します。

このページで分かること

  • 疳の虫・小児疳症とはどのような意味なのか
  • 子どものかんしゃく・イライラ・神経過敏の原因
  • 年齢や成長に伴う感情の変化
  • 家庭でできる対処法
  • 夜泣き・夜驚症との違い
  • 小児疳症の効能・効果がある漢方薬
  • 抑肝散と抑肝散加陳皮半夏の違い
  • 柴胡清肝湯・小建中湯などの位置づけ
  • 樋屋奇応丸・宇津救命丸などの小児用生薬製剤
  • 市販・通販・処方箋なしで購入できる薬
  • 医療機関に相談した方がよい状態

疳の虫(かんのむし)とは?

疳の虫は、古くから子どもの夜泣き、かんしゃく、 イライラ、神経質、興奮しやすさなどを表すために使用されてきた言葉です。

昔は、子どもが激しく泣いたり、機嫌が悪くなったりする原因を 身体の中にいる「虫」にたとえていたことから、 「疳の虫」という呼び方が生まれたとされています。

現代医学では、疳の虫そのものを一つの独立した病気として診断するわけではありません。 子どもの成長に伴う感情表現や、生活環境、身体の不調など、 さまざまな要因が関係する状態として考えます。

疳の虫でよく表現される症状

  • ちょっとしたことで激しく泣く
  • かんしゃくを起こし、なかなか落ち着かない
  • 怒りっぽく、イライラしやすい
  • 神経が過敏で、物音や刺激に敏感に反応する
  • 興奮すると気持ちを切り替えにくい
  • 夜泣きや寝つきの悪さがある
  • 不安が強く、落ち着かない様子がみられる

ただし、これらの症状があるからといって、 すべてを疳の虫という一つの原因で説明できるわけではありません。

疳の虫は「子どもの性格が悪い」「しつけができていない」という意味ではありません。
かんしゃくや感情の高ぶりは、子どもの発達過程でもみられます。 年齢、言葉の発達、睡眠、身体の不調、生活環境などを総合して考えることが大切です。

小児疳症(しょうにかんしょう)とは?

小児疳症は、漢方医学や小児用医薬品の効能・効果などで用いられる言葉です。

一般用漢方製剤の承認基準では、 「小児疳症(神経過敏)」と記載されている処方があります。

例えば、抑肝散や抑肝散加陳皮半夏には、 小児夜泣き、小児疳症(神経過敏)、不眠症などが効能・効果として認められています。

「疳の虫」と「小児疳症」は完全に同じ意味?

疳の虫は、夜泣きやかんしゃくなどを幅広く表す一般的・伝統的な言葉です。

一方、小児疳症は、漢方薬の効能・効果などにも使用される表現で、 特に神経過敏などの状態と関連しています。

両者には大きな重なりがありますが、 現代医学の明確な診断基準を持つ同一の疾患名というわけではありません。

子どものかんしゃく・神経過敏はなぜ起こる?

子どもは成長するにつれて、自分の希望や感情を強く表現するようになります。 その一方で、言葉で気持ちを伝えたり、 怒りや不安を自分で落ち着かせたりする力は、まだ発達の途中です。

特に乳幼児期には、思いどおりにならないことに対して、 激しく泣いたり、怒ったりすることがあります。 これは必ずしも病気を意味するものではありません。

感情を調整する力の発達

怒りや不満を感じても、気持ちを落ち着かせる力が まだ十分に発達していない場合があります。

言葉で伝えられない

自分の希望や不快感をうまく伝えられず、 泣いたり怒ったりして表現することがあります。

睡眠不足・疲労

眠気や疲労が強いと、普段よりもイライラしたり、 感情が不安定になったりすることがあります。

空腹・身体の不調

空腹、便秘、腹痛、発熱、皮膚のかゆみなどが、 機嫌の悪さにつながる場合があります。

環境の変化

保育園への入園、引っ越し、生活リズムの変化などが、 子どもの気持ちに影響することがあります。

刺激への敏感さ

音、光、人混みなどの刺激を負担に感じやすく、 興奮や不安につながる場合があります。

なお、感情の高ぶりが非常に強い、長く続く、 ほかにも発達やコミュニケーションに関する心配がある場合には、 小児科や発達相談などで確認することも大切です。

かんしゃくは何歳ごろに多い?

かんしゃくは、特に1歳後半から幼児期にかけてみられやすい行動の一つです。

この時期は、自分でやりたいことや希望が増える一方、 思いどおりにできない場面も多くなります。 感情を言葉で表現する力も発達途中のため、 泣く、叫ぶ、怒るといった行動になることがあります。

成長とともに言葉や感情の調整能力が発達すると、 かんしゃくが少なくなる場合が多いものの、個人差があります。

年齢だけで判断しないことが大切です

同じ年齢でも、言葉の発達、睡眠時間、 環境への適応の仕方などには個人差があります。 かんしゃくの回数だけでなく、 どのような場面で起こるのか、日常生活にどの程度影響しているのかを確認します。

疳の虫・かんしゃく・夜泣き・夜驚症の違い

いずれも子どもの泣き方や興奮に関係することがありますが、 同じ状態ではありません。

状態 主な特徴 対応の考え方
疳の虫・小児疳症 神経過敏、イライラ、かんしゃく、夜泣きなどに関連する伝統的な表現 成長、症状、生活環境、身体の状態を総合して考える
かんしゃく 希望が通らないときなどに、激しく怒ったり泣いたりする 感情の調整を助け、原因やきっかけを確認する
夜泣き 夜中に目を覚まして泣き、眠りに戻りにくい 睡眠環境や体調を確認する
夜驚症 睡眠中に突然叫ぶ、呼びかけへの反応が乏しい 安全確保を優先し、必要に応じて診察を受ける
疳の虫・小児疳症

神経過敏、イライラ、かんしゃく、夜泣きなどを含む伝統的な表現です。

かんしゃく

感情が高ぶり、激しく怒ったり泣いたりする行動です。

夜泣き

夜中に目を覚まして泣く状態で、睡眠の発達や身体の不快感などが関係します。

夜驚症

深い睡眠からの不完全な覚醒に伴い、突然叫んだり興奮したりする睡眠時随伴症です。

子どものかんしゃく・イライラへの対処法

かんしゃくへの対応は、すべての子どもに同じ方法が適しているわけではありません。 年齢や発達、きっかけとなった状況などに合わせて考えることが大切です。

1
まず安全を確保する

物を投げる、頭をぶつけるなどの危険がある場合には、 周囲の危険なものを取り除き、お子さんの安全を確保します。

2
大人は落ち着いて対応する

強く叱りつけたり、感情的に言い返したりするのではなく、 落ち着いた声で短く伝えるようにします。

3
子どもの気持ちを言葉にする

「もっと遊びたかったね」「嫌だったんだね」など、 気持ちを理解していることを伝えます。 気持ちを受け止めることと、危険な行動を認めることは別です。

4
睡眠・食事・生活リズムを見直す

寝不足、空腹、疲労などがきっかけになっていないか確認します。 年齢に合った睡眠時間や生活リズムを整えます。

5
落ち着いて行動できたことを認める

気持ちを言葉で伝えられた、順番を待てたなど、 具体的にできたことを伝えてあげます。

6
必要に応じて専門家に相談する

かんしゃくが非常に激しい、長期間続く、 生活に大きな影響がある場合には、小児科などで相談します。

かんしゃくに対して必ずしも薬は必要ありません

かんしゃくは子どもの成長過程でもみられるものであり、 薬で抑えることが第一の対応ではありません。

まずはきっかけや生活環境、身体の不調などを確認し、 必要に応じて医療機関や薬剤師に相談してください。

疳の虫・小児疳症にはどのような薬が使われる?

疳の虫と呼ばれる症状に対して、日本では 「小児疳症(神経過敏)」などの効能・効果を持つ漢方薬や、 「かんむし」「小児の疳」などを効能に持つ生薬製剤が販売されています。

一方、一般的なかんしゃくや神経過敏に対して、 すべてのお子さんに一律に使用する西洋薬があるわけではありません。

発達上の困りごと、不安、睡眠障害、身体的な病気などが関係している場合は、 それぞれの原因に応じて診療や支援が行われます。

主な医薬品の位置づけ

薬・処方 主な位置づけ 承認効能との関係
抑肝散 神経の高ぶり、怒りやすさ、イライラ 小児疳症(神経過敏)の効能あり
抑肝散加陳皮半夏 神経過敏や興奮に胃腸の弱さを伴う 小児疳症(神経過敏)の効能あり
柴胡清肝湯 神経過敏に加え、湿疹や扁桃炎などを繰り返す 疳の強い傾向を背景とする神経症・皮膚炎など
桂枝加竜骨牡蛎湯 疲れやすく、神経過敏で興奮しやすい 神経質、小児夜泣きなどの効能あり
小建中湯 疲れやすさ、腹痛、胃腸の弱さ、神経質 夜泣き・神経質などの効能を持つ製剤あり
小児用生薬製剤 夜泣き、かんむし、神経質など 製品ごとに承認効能が異なる
抑肝散

神経が高ぶり、怒りっぽく、イライラしやすい状態に。

小児疳症の効能あり
抑肝散加陳皮半夏

神経過敏やイライラに、胃腸の弱さを伴う場合に。

小児疳症の効能あり
柴胡清肝湯

神経過敏で、皮膚炎や扁桃炎などを伴う場合に。

疳の強い傾向が使用目標
桂枝加竜骨牡蛎湯

疲れやすく、神経が過敏で興奮しやすい状態に。

関連症状から検討
小建中湯

胃腸が弱く、腹痛、疲れやすさ、神経質などを伴う場合に。

関連症状から検討
小児用生薬製剤

かんむし、夜泣き、小児の神経質などに。

製品により承認効能あり

※正式な効能・効果、対象年齢、用法・用量は製品ごとに確認してください。 「小児疳症」が効能にある処方と、関連症状を目標に用いられる処方は区別しています。

小児疳症(神経過敏)の承認効能あり

抑肝散

抑肝散(よくかんさん)

抑肝散は、神経が高ぶり、イライラしやすい、 怒りっぽい、興奮しやすいなどの状態に用いられる漢方薬です。

一般用漢方製剤の承認基準では、 神経症、不眠症、小児夜泣き、小児疳症(神経過敏)、歯ぎしり などが効能・効果に含まれています。

漢方では、気持ちが高ぶり、怒りや不安などの感情を 落ち着かせにくくなっているような状態を考えます。

抑肝散はどのような状態に使われる?

例えば、ちょっとしたことでイライラする、かんしゃくを起こす、 神経が過敏で落ち着かないなどの様子があり、 夜泣きや眠りの問題を伴う場合にも検討されます。

構成生薬には、釣藤鈎(ちょうとうこう)、柴胡(さいこ)、 当帰(とうき)、川芎(せんきゅう)、 茯苓(ぶくりょう)などが含まれます。

漢方医学では、神経の高ぶりを鎮める方向の生薬と、 身体の緊張や巡り、胃腸の働きに配慮した生薬を組み合わせた処方として捉えられます。

抑肝散のポイント

神経の高ぶり、怒りやすさ、イライラなどが目立つ場合の代表的な処方です。 ただし、かんしゃくがあるという理由だけで、 すべてのお子さんに適するわけではありません。

小児疳症(神経過敏)の承認効能あり

抑肝散加陳皮半夏

抑肝散加陳皮半夏(よくかんさんかちんぴはんげ)

抑肝散加陳皮半夏は、抑肝散に陳皮(ちんぴ)と半夏(はんげ)を加えた処方です。

抑肝散と同様に、神経の高ぶり、怒りやすさ、イライラ、 不眠などがみられる状態に用いられます。

大きな特徴は、神経過敏や興奮に加えて、胃腸がやや弱い場合にも配慮した構成 となっていることです。

陳皮と半夏は、漢方では胃腸の働きを整え、 胃のつかえや吐き気などに関係する状態を改善する目的で組み合わされる生薬です。

そのため、イライラや興奮しやすさだけでなく、 食欲や胃腸の調子も確認しながら選択されます。

抑肝散加陳皮半夏のポイント

抑肝散が対象とする神経の高ぶりに加え、 胃腸の弱さなどを伴う場合に検討される処方です。 小児疳症(神経過敏)は正式な承認効能の一つです。

抑肝散と抑肝散加陳皮半夏の違い

比較 抑肝散 抑肝散加陳皮半夏
共通点 神経の高ぶり・イライラ 神経の高ぶり・イライラ
特徴 神経過敏や興奮を目標にする基本処方 陳皮・半夏を加え、胃腸の弱さにも配慮
小児疳症 承認効能あり 承認効能あり
選択の目安 神経の高ぶりが目立つ 神経の高ぶりに胃腸の弱さを伴う
抑肝散

神経過敏、イライラ、興奮しやすさなどを中心に考える処方です。

抑肝散加陳皮半夏

神経の高ぶりに加えて、胃腸の弱さなどを伴う場合に検討されます。

疳の強い傾向(神経過敏)を目標とする漢方薬

柴胡清肝湯

柴胡清肝湯(さいこせいかんとう)

柴胡清肝湯は、神経が過敏であることに加えて、 皮膚やのどの炎症などが気になる場合に用いられる漢方薬です。

一般用漢方製剤の承認基準では、 「疳の強い傾向(神経過敏)」にある方の 神経症、慢性扁桃炎、湿疹・皮膚炎、虚弱児の体質改善などに使用されます。

抑肝散との違い

抑肝散は、神経の高ぶり、怒りやすさ、イライラといった状態を中心に考えます。

一方、柴胡清肝湯では、 神経過敏に加えて、湿疹・皮膚炎や慢性的なのどの炎症、 風邪を繰り返しやすいといった身体的な特徴も 処方選択の手がかりになります。

そのため、単に「かんしゃくを抑える薬」として考えるのではなく、 皮膚や粘膜の状態、体調、炎症を繰り返す傾向などを含めて検討する処方です。

柴胡清肝湯のポイント

柴胡清肝湯は、小児疳症という病名が効能・効果に直接記載された処方ではありません。 「疳の強い傾向(神経過敏)」を背景とした 神経症・皮膚炎・慢性扁桃炎などに用いられます。 抑肝散とは異なる特徴を持つ重要な処方です。

そのほかに関連する漢方薬

子どもの神経過敏や夜泣き、胃腸の弱さなどに応じて、 次のような漢方薬も検討されることがあります。

桂枝加竜骨牡蛎湯

けいしかりゅうこつぼれいとう

疲れやすく、神経が過敏で興奮しやすい場合に。 神経質、不眠症、小児夜泣きなどを効能に持つ製剤があります。

小建中湯

しょうけんちゅうとう

胃腸が弱く、疲れやすく、腹痛や冷え、神経質などを伴う場合に。 小児向けの製剤もあります。

柴胡加竜骨牡蛎湯

さいこかりゅうこつぼれいとう

精神不安や興奮があり、動悸、不眠、便秘などを伴う場合に。 小児夜泣きの効能がある製剤もあります。

甘麦大棗湯

かんばくたいそうとう

神経が過敏で驚きやすく、泣きじゃくるなどの状態に。 小児の夜泣きや不眠症などを効能に持つ処方です。

これらは、抑肝散や抑肝散加陳皮半夏のように 「小児疳症(神経過敏)」が効能・効果に明記されているものと、 関連する症状や体質を目標に選ぶものがあります。

樋屋奇応丸・宇津救命丸などの小児用生薬製剤

疳の虫に用いられる医薬品は、漢方処方だけではありません。 昔から「小児疳薬(しょうにかんやく)」として親しまれてきた 小児用の生薬製剤もあります。

これらは複数の生薬を組み合わせた医薬品ですが、 抑肝散などの漢方処方とは配合や製品としての位置づけが異なります。

樋屋奇応丸

ひや・きおーがん

小児の神経質、夜なき、かんむし、ひきつけ、 食欲不振、胃腸虚弱などを効能・効果に持つ生薬製剤です。

宇津救命丸

うづきゅうめいがん

小児の疳、かんむし、夜泣き、 ひきつけ、消化不良、食欲不振などに用いられる生薬製剤です。

漢方薬と小児疳薬はどう違う?

抑肝散や抑肝散加陳皮半夏は、 漢方医学に基づく一定の構成生薬からなる処方です。

一方、樋屋奇応丸や宇津救命丸などは、 それぞれ独自の生薬配合を持つ小児用医薬品です。 同じ「かんむし」の効能を持つ製品でも、配合生薬や使用年齢などが異なります。

「ひきつけ」の効能があっても、けいれん発作への自己対応を勧めるものではありません。
けいれん、意識の異常、呼吸の異常などがある場合は、 小児用生薬製剤だけで対応せず、速やかに医療機関へ相談してください。

※樋屋奇応丸・宇津救命丸は代表的な製品として紹介しています。 現在のカミツレ薬局での取扱いを確認できなかったため、当薬局での販売商品としては掲載していません。

赤ちゃん・小さな子どもに漢方薬を使うときの注意点

疳の虫や夜泣きに使用される医薬品でも、 すべての年齢で服用できるわけではありません。

月齢・年齢による制限を必ず確認してください

小児用の漢方製剤には、生後3か月未満の乳児に使用できない製品があります。 また、2歳未満は服用できない製品もあります。

1歳未満の乳児では、医師の診療を優先し、 やむを得ない場合にのみ使用するよう注意書きがある製品もあります。

同じ漢方処方でも、メーカーや剤形によって用法・用量は異なります。

甘草を含む漢方薬の重複に注意

抑肝散、抑肝散加陳皮半夏、小建中湯などには、 甘草(かんぞう)という生薬が含まれています。

甘草を含む医薬品を複数組み合わせると、 成分が重複する場合があります。

まれに偽アルドステロン症や低カリウム血症などの副作用が問題になることがあり、 特に小児では年齢や体重、使用量を考慮することが大切です。

服用期間はどう考える?

製品の添付文書には、 「小児夜泣きでは1週間位」「その他の症状では1か月位」など、 相談の目安となる期間が記載されている場合があります。

症状が改善しない場合に漫然と服用を続けたり、 自己判断で複数の漢方薬を併用したりせず、 医師・薬剤師等へ相談してください。

カミツレ薬局で相談・購入できる漢方薬

カミツレ薬局では、疳の虫・小児疳症に関連する症状や体質に用いられる漢方薬を取り扱っています。

一般用医薬品については、薬剤師等による確認のうえ、 オンラインショップで購入できる製品があります。

オンライン購入可能・薬剤師確認
抑肝散加陳皮半夏エキス細粒G コタロー

抑肝散加陳皮半夏エキス細粒G「コタロー」

よくかんさんかちんぴはんげ

第2類医薬品

神経が高ぶり、イライラや怒りっぽさが目立ち、 胃腸がやや弱い方の小児疳症(神経過敏)、小児夜泣きなどに。

生後3か月未満は服用不可。1歳未満は医師の診療を優先。

商品情報・購入ページを見る
オンライン購入可能・薬剤師確認
柴胡清肝湯エキス細粒G コタロー

柴胡清肝湯エキス細粒G「コタロー」

さいこせいかんとう

第2類医薬品

疳の強い傾向(神経過敏)があり、 湿疹・皮膚炎、慢性扁桃炎、虚弱児の体質改善などを考える場合に。

生後3か月未満は服用不可。1歳未満は医師の診療を優先。

商品情報・購入ページを見る
オンライン購入可能・薬剤師確認
ショーケン分包 小児用 小建中湯

ショーケン分包「小児用」(小建中湯)

しょうけんちゅうとう

第2類医薬品

胃腸が弱く、疲れやすさや腹痛などを伴うお子さんの 夜泣き、神経質、虚弱体質などに。

生後3か月未満は服用不可。1歳未満は医師の診療を優先。

商品情報・購入ページを見る

医療用漢方薬は店舗で処方箋なしで購入できる場合があります

カミツレ薬局では、処方箋医薬品以外の医療用医薬品について、 薬剤師による対面確認後、処方箋なしで購入できる場合があります。

医療用医薬品・店舗対面販売

ツムラ抑肝散エキス顆粒(医療用)

神経の高ぶりを目標に使用される医療用漢方製剤です。 神経症、不眠症、小児夜なき、小児疳症などが効能・効果に含まれています。

お子さんへの使用については、年齢や症状、 医療機関での受診状況などを確認して対応します。

医療用医薬品のため、通販・郵送販売は行っていません。 また、使用されるご本人への対面確認が必要です。

店舗での取扱情報を見る
医療用医薬品・店舗対面販売

ツムラ抑肝散加陳皮半夏エキス顆粒(医療用)

抑肝散に陳皮と半夏を加えた処方です。 神経の高ぶりやイライラに加えて、胃腸の状態なども考慮して選択されます。

神経症、不眠症、小児夜なき、小児疳症などが効能・効果に含まれています。

処方箋医薬品以外の医療用医薬品として、 薬剤師が対面で確認したうえで購入できる場合があります。 医療用医薬品の通販・郵送販売は行っていません。

店舗での取扱情報を見る

※医療用医薬品は、お子さんの症状や受診状況などによって販売できない場合があります。 ご来局前に在庫や対応の可否をご確認ください。

疳の虫・小児疳症の薬は通販・処方箋なしで購入できる?

疳の虫や小児疳症に関連する医薬品は、 製品の販売区分によって購入方法が異なります。

一般用漢方薬

抑肝散加陳皮半夏など、 一般用医薬品として販売されている製品は、 必要な確認のうえ通販・オンラインで購入できる場合があります。

小児用生薬製剤

樋屋奇応丸や宇津救命丸などは、 一般用医薬品として販売されている製品があります。 通販の可否や対象年齢は、製品・販売店ごとに確認が必要です。

医療用医薬品

カミツレ薬局で取り扱う処方箋医薬品以外の医療用医薬品は、 薬剤師による対面確認後、 処方箋なしで購入できる場合があります。 通販・郵送販売は行っていません。

「処方箋なし」は、医師の診察が不要という意味ではありません。
特に乳児や小さなお子さんでは、症状によって医療機関への受診を優先します。 年齢や現在の状態に合わない医薬品を自己判断で使用しないでください。

疳の虫・かんしゃくで小児科に相談した方がよい状態

かんしゃくや夜泣きは成長過程でもみられますが、 生活に大きな支障がある場合や、身体的な症状を伴う場合には相談が必要です。

  • かんしゃくが非常に激しく、本人や周囲の人がけがをする危険がある
  • 以前と比べて急に泣き方や行動が大きく変わった
  • 発熱、強い腹痛、嘔吐など身体的な症状を伴う
  • 睡眠や食事に大きな問題があり、日常生活に支障が出ている
  • 言葉やコミュニケーション、発達について心配な点がある
  • 長期間続き、家庭や保育園・学校などで困りごとが大きくなっている
  • 保護者の疲労が強く、育児を続けることが難しいと感じている

まずはかかりつけの小児科で相談できます。 必要に応じて、発達相談や地域の子育て支援などにつなげてもらうこともできます。

また、けいれん、意識の異常、呼吸困難などがある場合には、 疳の虫と自己判断せず、緊急の医療対応を検討してください。

疳の虫・小児疳症についてよくある質問

疳の虫は本当に虫がいるのですか?

いいえ。身体の中に虫がいるという意味ではありません。 疳の虫は、子どもの夜泣きやかんしゃく、神経過敏などを表してきた伝統的な言葉です。

疳の虫と小児疳症は同じですか?

両者は関連する言葉ですが、完全に同じ意味ではありません。 疳の虫は幅広い伝統的な表現であり、 小児疳症は漢方薬の効能・効果などで神経過敏を示す言葉として使用されています。

疳の虫は何歳ごろに多いですか?

疳の虫という言葉で表される夜泣きやかんしゃくは、 乳幼児期にみられることがあります。 特にかんしゃくは幼児期に多く、感情や言葉の発達に伴って変化していきます。

疳の虫に使われる漢方薬はありますか?

あります。抑肝散や抑肝散加陳皮半夏には、 小児疳症(神経過敏)が承認された効能・効果に含まれています。 その他にも、症状や体質から検討される漢方薬があります。

抑肝散と抑肝散加陳皮半夏はどう違いますか?

どちらも神経の高ぶりやイライラを目標にします。 抑肝散加陳皮半夏は陳皮と半夏が加わり、 胃腸の弱さなどを伴う場合にも配慮した処方です。

柴胡清肝湯も疳の虫に使われますか?

柴胡清肝湯は、疳の強い傾向(神経過敏)にある方の 神経症、慢性扁桃炎、湿疹・皮膚炎、虚弱児の体質改善などに使用されます。 単にかんしゃくを抑える目的だけではなく、身体の症状も確認して選択されます。

樋屋奇応丸や宇津救命丸は漢方薬ですか?

どちらも複数の生薬を配合した小児用医薬品です。 抑肝散などの伝統的な漢方処方とは成分構成が異なります。 かんむしや夜泣きなどを効能に持つ製品があります。

赤ちゃんにも疳の虫の薬を使えますか?

製品によって対象年齢が異なります。 生後3か月未満に使用できない漢方薬や、2歳未満に使用できない製品もあります。 特に1歳未満では医師の診療を優先する必要がある場合があります。

漢方薬なら副作用はありませんか?

いいえ。漢方薬も医薬品であり、副作用が起こる可能性があります。 特に甘草を含む漢方薬の重複や、年齢に合わない用量に注意が必要です。 使用前に薬剤師等へ相談してください。

疳の虫の薬は通販・処方箋なしで購入できますか?

一般用医薬品として販売されている漢方薬や生薬製剤は、 必要な確認のうえ通販で購入できる場合があります。 一方、カミツレ薬局で取り扱う医療用医薬品は、 薬剤師による対面確認が必要であり、通販・郵送販売は行っていません。

子どもの体質や症状に合わせた漢方薬について

子どもの漢方薬は、神経過敏やかんしゃくなどの症状だけでなく、 胃腸の弱さ、疲れやすさ、皮膚の状態、風邪のひきやすさなどを含めて考えます。

カミツレ薬局では、子どもの虚弱体質や胃腸の弱さ、 風邪を繰り返すなどの悩みに使用される漢方薬についても紹介しています。

子どもの体質改善に使われる漢方薬を見る

お子さんの疳の虫・漢方薬について迷ったら

「抑肝散と抑肝散加陳皮半夏のどちらが近い?」
「かんしゃくが強い場合はどの漢方を考える?」
「胃腸が弱い子どもにも使える漢方薬はある?」
「柴胡清肝湯はどのような子どもに使われる?」
「今使っている薬と併用できる?」

カミツレ薬局では、医薬品・漢方薬に関するご相談を受け付けています。 お子さんの年齢、症状、体調、受診状況、使用中の医薬品などをお知らせください。

なお、薬局では病気や発達上の問題の診断はできません。 必要に応じて医療機関への受診をご案内いたします。

LINEでカミツレ薬局に相談
参考文献・情報源

本ページは、厚生労働省の一般用漢方製剤承認基準、 大阪小児科医会、医薬品添付文書、 公的機関・製薬会社等の資料をもとに、 カミツレ薬局の薬剤師が一般の方向けに整理したものです。

「疳の虫」は伝統的な表現であり、 現代医学の明確な診断基準を持つ一つの疾患ではありません。 子どものかんしゃくや神経過敏については、 年齢や発達、生活環境、身体的な原因などを考慮する必要があります。

西洋薬については医療現場で使用されることと、 医薬品として承認された効能・効果を区別しています。

漢方薬については、承認された効能・効果、 症状や体質との関係などを区別して整理しています。 小児疳症という効能があることは、 あらゆるかんしゃくに対する使用が適切であることを意味しません。

本ページは医学的な診断に代わるものではありません。 症状が強い場合や発達について心配がある場合には、 医療機関等へご相談ください。