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疾患・症状と医薬品

男性更年期障害(LOH症候群)の症状と治療薬・漢方薬

男性更年期障害(LOH症候群)の症状と治療薬・漢方薬

男性更年期障害は、男性ホルモン(テストステロン)の減少などによって、疲れやすさ、意欲の低下、イライラ、不眠、性欲低下など、心身にさまざまな不調が現れる状態です。

医学的には、男性ホルモンの低下を伴うものをLOH症候群(加齢男性性腺機能低下症候群)と呼びます。治療にはテストステロン補充療法などが行われるほか、症状や体質に応じて補中益気湯・柴胡加竜骨牡蛎湯・八味地黄丸などの漢方薬が用いられることもあります。

男性更年期障害(LOH症候群)とは

男性更年期障害は、主に40代以降の男性にみられる心身の不調です。男性ホルモンのテストステロンは加齢とともに緩やかに減少しますが、仕事や家庭のストレス、睡眠不足、生活習慣なども症状に関係します。

女性の更年期とは異なり、男性には閉経のような明確な区切りがありません。そのため、40代から70代以降まで幅広い年代で症状が現れることがあります。

男性更年期障害の主な症状

  • 身体症状:疲労感、倦怠感、ほてり、発汗、筋力低下、肩こり、関節痛など
  • 精神症状:意欲の低下、イライラ、不安感、気分の落ち込み、不眠、集中力低下など
  • 性機能症状:性欲低下、朝立ちの減少、勃起力の低下、ED(勃起不全)など

特に、「以前より疲れやすくなった」「仕事への意欲が出ない」「夜眠れない」「性欲や勃起力が低下した」といった変化が、複数重なって現れることがあります。

ただし、これらの症状は、うつ病、甲状腺疾患、糖尿病、睡眠時無呼吸症候群、貧血などでも起こります。男性更年期障害が疑われる場合には、症状と血液検査の結果を合わせて評価します。

男性更年期障害の検査・診断

男性更年期障害の診断では、現在の症状や生活習慣、持病、服用薬などを確認し、血液検査で男性ホルモンの状態を調べます。

検査・確認項目 内容
問診・症状の評価 疲労、意欲低下、不眠、性機能低下などの症状を確認します。AMS質問票などを用いる場合もあります。
テストステロン測定 血液検査で男性ホルモンの値を確認します。日内変動があるため、通常は午前中に測定します。
その他の血液検査 貧血、甲状腺機能、血糖、肝機能などを必要に応じて調べます。
前立腺の評価 男性ホルモン補充療法を検討する際には、PSA検査などで前立腺の状態を確認します。
問診・症状の評価

疲労、気分の変化、不眠、性機能などを確認します。

テストステロン測定

血液検査で男性ホルモンを調べます。

その他の血液検査

甲状腺疾患、糖尿病、貧血などの可能性も確認します。

前立腺の評価

ホルモン補充療法の前に必要な検査を行います。

男性ホルモンの値が低いことだけでなく、症状の有無や他の病気の可能性も考慮して診断します。ホルモン値が正常範囲でも更年期に似た症状が現れることがあるため、原因に応じた対応が必要です。

男性更年期障害の治療

治療は、男性ホルモンの低下の程度や症状に応じて選択します。生活習慣の改善に加え、必要に応じてテストステロン補充療法、漢方薬、ED治療薬などが使用されます。

治療方法 内容
テストステロン補充療法 男性ホルモンが不足している方に、注射薬などでテストステロンを補充します。
漢方薬 疲労、精神不安、不眠、冷え、排尿症状など、症状や体質に合わせて処方を選択します。
ED治療薬 勃起不全がある場合には、シルデナフィルやタダラフィルなどのPDE5阻害薬を検討します。
その他の薬物療法 うつ病や不安症、不眠症などを合併している場合には、それぞれの症状に対する治療を行います。
生活習慣の改善 適度な運動、睡眠の確保、食生活の改善、体重管理、ストレス対策などを行います。
テストステロン補充療法

男性ホルモンが不足している場合に注射薬などで補充します。

漢方薬

疲労、不眠、不安、冷えなどに合わせて処方を選びます。

ED治療薬

勃起不全がある場合にPDE5阻害薬などを使用します。

その他の薬物療法

合併するうつ病や不眠症などに応じた治療を行います。

生活習慣の改善

運動、睡眠、食事、ストレス管理などを見直します。

テストステロン補充療法

テストステロン補充療法は、男性ホルモンが低下し、それに伴う症状が現れている方に検討される治療です。

日本ではテストステロン製剤の筋肉注射などが使用され、性欲低下、活力の低下、身体症状などの改善を目的に行われます。

治療中はテストステロン値だけでなく、前立腺の状態や赤血球数なども確認します。前立腺がんがある方や妊娠を希望する方などでは、治療方法について特に慎重な判断が必要です。

男性更年期障害に関連する主な医薬品

薬・成分 特徴・位置づけ
テストステロン注射薬 医療機関で行う男性ホルモン補充療法に使用されます。
グローミン
テストステロン
男性ホルモン分泌不足に伴う勃起力減退、性欲欠乏、陰萎などに用いられる外用薬です。
トノス
テストステロン等
男子更年期障害や男性性器神経衰弱症に用いられる外用薬です。
金蛇精
メチルテストステロン等
男性ホルモン、生薬、ビタミンなどを配合した内服薬。男子更年期障害やそれに伴う症状に使用されます。
ED治療薬
シルデナフィル等
勃起不全に対して使用します。男性ホルモンを補充する薬ではありません。
テストステロン注射薬

医療機関で男性ホルモン補充療法に使用します。

グローミン

男性ホルモン不足に伴う性機能の低下に用いる外用薬です。

トノス

男子更年期障害や勃起力減退などに用いる外用薬です。

金蛇精

男性ホルモン、生薬、ビタミンを配合した内服薬です。

ED治療薬

勃起不全に対して使用する医薬品です。

男性ホルモンを含む医薬品は、前立腺がんやその疑い、排尿困難を伴う前立腺肥大、睡眠時無呼吸症候群など、製品によって使用できない条件があります。また、外部からのテストステロン補充は精子形成を抑制することがあるため、妊娠を希望する方では特に注意が必要です。市販の男性ホルモン製剤も、薬剤師による確認のうえ適切に使用します。

男性更年期障害と漢方薬

男性更年期障害では、疲れやすさ、意欲の低下、不眠、不安、冷え、頻尿など、現れている症状や体質に応じて漢方薬を選びます。

日本泌尿器科学会・日本メンズヘルス医学会の『LOH症候群診療の手引き』でも、男性更年期障害に対する漢方治療が紹介されています。男性ホルモンを直接補充する治療とは異なり、身体症状や精神症状の改善を目的として使用されます。

補中益気湯(ほちゅうえっきとう)

補中益気湯は、疲れやすさ、強い倦怠感、食欲不振、体力低下などに用いられる漢方薬です。

胃腸の働きが弱く、食欲が落ちている方や、身体が重だるく、以前のように活動できない方に適した処方です。

男性更年期障害では、特に疲労感や気力の低下が目立ち、消化機能も衰えている方などで検討されます。LOH症候群の診療の手引きでも、身体の倦怠感が強い虚弱体質の方に選ばれる漢方薬として紹介されています。

柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)

柴胡加竜骨牡蛎湯は、不安感、イライラ、不眠、動悸、精神的な緊張などに用いられる漢方薬です。

比較的体力があり、ストレスによって気持ちが落ち着かない、眠りが浅い、動悸を感じるといった症状がある方に選ばれます。

男性更年期障害では、精神的な不調が強く現れている方に検討され、LOH症候群の診療の手引きでも代表的な漢方薬のひとつとして紹介されています。

八味地黄丸(はちみじおうがん)

八味地黄丸は、足腰の冷え、腰痛、頻尿、夜間尿、身体の衰えなどに用いられる漢方薬です。

年齢とともに足腰が弱くなり、疲れやすさや排尿の悩みを伴う方に適した処方です。

男性更年期障害では、身体の衰えや排尿症状、性機能の低下などを伴う方に検討されます。医療用八味地黄丸では、効能・効果に「陰萎」が記載されている製剤もあります。

そのほかの男性更年期に関連する漢方薬

加味逍遙散

疲れやすさに加えて、イライラ、不安感、肩こりなどを伴う方に。

柴胡桂枝乾姜湯

体力があまりなく、冷えや不眠、神経過敏などを伴う方に。

抑肝散

神経の高ぶり、イライラ、不眠などが目立つ方に。

桂枝茯苓丸

比較的体力があり、のぼせや血の巡りに関係する症状を伴う方に。

漢方薬は、男性ホルモンの値を直接上げる目的ではなく、実際に現れている心身の症状に合わせて選ぶことが基本です。

カミツレ薬局で相談・購入できる医薬品・漢方薬

カミツレ薬局では、男性ホルモン分泌不足に伴う症状に使用する医薬品や、疲労・不眠・精神不安・冷えなどに用いられる漢方薬を取り扱っています。

第1類医薬品・オンライン購入可能

グローミン<10g>

テストステロン配合

男性ホルモン分泌不足に伴う勃起力減退、性欲欠乏、陰萎などに。テストステロンを皮膚から補充するクリームタイプの男性ホルモン製剤です。

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第2類医薬品・オンライン購入可能

補中益気湯エキス細粒G「コタロー」

ほちゅうえっきとう

疲れやすく、気力や体力が低下している方に。胃腸の働きを整えながら、疲労倦怠感や食欲不振の改善を目的に用いられる漢方薬です。

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第2類医薬品・オンライン購入可能

サンワ柴胡加竜骨牡蛎湯エキス細粒「分包」

さいこかりゅうこつぼれいとう

不安感、イライラ、不眠、動悸などを伴う方に。精神的な緊張や神経の高ぶりを鎮める目的で用いられる漢方薬です。

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第3類医薬品・オンライン購入可能

参茸大補丸錠「コタロー」

さんじょうたいほがんじょう

肉体疲労や虚弱体質、冷え、食欲不振などに。鹿茸・牛黄・紅参・黄耆を配合した滋養強壮のための生薬製剤です。

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その他の関連製品

八味地黄丸料エキス細粒G「コタロー」 ― 足腰の冷え、頻尿、夜間尿などを伴う方に。

トノス<3g> ― 男子更年期障害や勃起力減退などに使用する、テストステロン配合の第1類医薬品です。

グローミンやトノスなどの男性ホルモン製剤には、前立腺疾患などに関する使用制限があります。50歳以上の方では使用前の前立腺検査などが必要となる製品もあります。また、複数の男性ホルモン製剤を自己判断で併用しないでください。

男性更年期障害の薬は通販・処方箋なしで購入できる?

男性更年期障害に関連する医薬品の中には、処方箋なしで通販・オンライン購入できる製品があります。

グローミンやトノスなどの男性ホルモン製剤は第1類医薬品であり、薬剤師による確認・情報提供を受けたうえで購入できます。

また、補中益気湯・柴胡加竜骨牡蛎湯・八味地黄丸などの一般用漢方薬にも、オンラインで購入できる製品があります。

一方、医療機関で使用されるテストステロン注射薬などは、医師による診断・治療のもとで使用されます。

カミツレ薬局では、処方箋医薬品以外の医療用医薬品を条件に応じて店舗で対面販売する場合もありますが、医療用医薬品の通販・郵送販売は行っていません。

男性更年期障害に似た症状は、他の病気によって起こる場合もあります。疲労感や気分の落ち込み、性機能低下などが続いている方は、必要に応じて泌尿器科や男性更年期外来などでホルモンの状態を確認することも大切です。

男性更年期障害に使われる医薬品・漢方薬のご相談

「男性ホルモンを補充する薬を探している」「グローミンについて知りたい」「疲労や意欲低下に合う漢方薬は?」「不眠やイライラに使える薬は?」「病院の薬と併用できる?」など、お薬についてお気軽にご相談ください。

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参考文献・情報源

執筆・監修:カミツレ薬局 薬剤師 河津伸也
宮城県仙台市・東北大学病院前
本ページは、医薬品添付文書や医学・薬学資料に基づき、一般の方向けにまとめています。