- ホーム
- 自律神経失調症の治療薬・漢方薬
疾患・症状と医薬品
自律神経失調症の症状と治療薬・漢方薬

自律神経失調症は、動悸・めまい・立ちくらみ・頭痛・不眠・胃腸の不調など、心身にさまざまな症状が現れる状態を指します。複数の症状が重なったり、日によって不調が変化したりすることもあります。
治療では、症状の原因を確認し、生活習慣の改善や必要に応じた薬物療法を行います。また、動悸やめまい、不安感、不眠などに対して、連珠飲・定悸飲・苓桂朮甘湯などの漢方薬が、症状や体質に応じて用いられます。
自律神経失調症とは
自律神経は、心臓の拍動、血圧、消化、発汗、体温調節などを、意識しなくても調整している神経です。活動時に働きが高まる交感神経と、休息や消化に関わる副交感神経があり、身体の状態に応じて働きを調節しています。
自律神経失調症という名称は広く使われていますが、一つの原因や統一された診断基準で定義される病気ではありません。ストレス、睡眠不足、生活リズムの乱れ、ホルモンの変化などが関係する場合があり、現れる症状も人によって異なります。
主な症状
- 循環器:動悸、息苦しさ、立ちくらみ、血圧の変動
- 頭部・全身:めまい、頭痛、肩こり、疲労倦怠感
- 胃腸:胃の不快感、吐き気、食欲不振、下痢、便秘
- 体温・発汗:のぼせ、ほてり、冷え、汗をかきやすい
- 睡眠・精神面:不眠、不安感、イライラ、集中力の低下
自律神経失調症に似た症状は、貧血、甲状腺疾患、不整脈、起立性低血圧、起立性調節障害、更年期障害、不安症などでも現れます。そのため、診断では症状の経過を確認し、必要に応じて血液検査、心電図、血圧測定などを行います。
検査で明らかな異常が見つからなくても、症状が続き、日常生活に支障を来すことがあります。身体の状態や生活環境、心理的な負担などを総合的に考え、症状に合った対応を検討することが大切です。
自律神経失調症の治療
自律神経失調症には、すべての症状に共通する一つの治療薬があるわけではありません。原因となる病気の有無を確認し、特に困っている症状に合わせて治療を組み合わせます。
| 治療方法 | 内容 |
|---|---|
| 生活習慣の調整 | 睡眠・食事・運動のリズムを整え、休息を確保します。過度な飲酒やカフェインの摂取を見直すこともあります。 |
| 薬物療法 | 不眠、不安感、めまい、胃腸症状などに対して、原因や症状に応じた医薬品を使用します。 |
| 心理的なケア | ストレスへの対処や生活環境の調整を行い、必要に応じてカウンセリング、認知行動療法、自律訓練法などを取り入れます。 |
| 原因疾患の治療 | 貧血、甲状腺疾患、不整脈、更年期障害などが確認された場合は、その病気に応じた治療を行います。 |
睡眠・食事・運動のリズムを整え、十分な休息を確保します。
不眠、不安、めまい、胃腸症状などに合わせて医薬品を使用します。
ストレスへの対処や生活環境の調整、必要に応じた心理療法を行います。
甲状腺疾患や貧血など、原因となる病気があれば治療します。
症状に応じて使われる主な医薬品
| 薬・成分 | 特徴・位置づけ |
|---|---|
| 抗不安薬 ロラゼパムなど |
強い不安や緊張に伴う症状に使用されることがあります。眠気や依存のリスクを考慮し、必要性や使用期間を判断します。 |
| 抗うつ薬 SSRIなど |
うつ病や不安症などが背景にある場合に用いられます。精神面の症状だけでなく、それに伴う身体症状の改善につながる場合もあります。 |
| 睡眠薬 オレキシン受容体拮抗薬など |
不眠が強い場合に、睡眠の状態や生活習慣を確認したうえで使用されます。 |
| その他の治療薬 | めまい、胃腸の不調、起立時の血圧低下などに対して、原因となる病気や症状に応じた薬が選ばれます。 |
強い不安や緊張に伴う症状を和らげるために使用されます。
うつ病や不安症などが背景にある場合に用いられます。
不眠が強い場合に、睡眠の状態に応じて選択されます。
めまいや胃腸症状、血圧の異常などに対して原因に合った薬を使用します。
薬物療法は症状を和らげるための選択肢ですが、睡眠不足や過労などが影響している場合には、生活習慣やストレスへの対処も重要になります。
動悸やめまいをすべて自律神経失調症によるものと判断することはできません。特に強い胸痛、呼吸困難、意識消失などを伴う場合は、速やかな医療機関での対応が必要です。
自律神経失調症と漢方薬
漢方薬は、自律神経失調症という名称だけでなく、動悸・めまい・不眠・不安感・冷え・のぼせ・胃腸の不調など、実際に現れている症状や体質に合わせて選びます。
例えば、動悸とめまいが重なる方、緊張すると動悸が強くなる方、のぼせや不眠が気になる方では、適した処方が異なります。複数の不調を抱えている場合にも、主な症状を手掛かりに漢方薬を検討できます。
連珠飲(れんじゅいん)
連珠飲は、動悸・めまい・立ちくらみ・息切れなどが気になる方に用いられる漢方薬です。ときにのぼせやふらつきがあり、疲れやすさや冷えを伴う方にも検討されます。
血の巡りを整える四物湯と、水分代謝に働きかける苓桂朮甘湯を組み合わせた処方です。更年期障害にも用いられ、複数の不調が重なる方にご紹介しやすい漢方薬の一つです。
動悸・めまい・のぼせなどが重なる方に
連珠飲は、体力が中等度またはやや虚弱で、動悸・めまい・立ちくらみなどがある方に適した処方です。自律神経の不調を感じる方の中でも、こうした身体症状が目立つ場合に検討されます。
ドラッグストアなどで知られる「ルビーナ」も、連珠飲に由来する漢方薬です。連珠飲とルビーナの違いについてもご紹介しています。
定悸飲(ていきいん)
定悸飲は、緊張や不安感に伴う動悸が気になる方に用いられる漢方薬です。動悸に加えて、めまい・ふらつき・のぼせなどがある方にも検討され、不安神経症にも効能・効果が認められています。
苓桂朮甘湯を基本として、牡蛎・呉茱萸・李皮を加えた処方です。動悸を中心に、不安感や身体の不調が重なる方に用いられます。
苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう)
苓桂朮甘湯は、めまい・立ちくらみ・ふらつき・動悸などに用いられる漢方薬です。頭痛や耳鳴り、神経過敏などを伴う方にも検討されます。
茯苓・桂皮・白朮・甘草の4種類の生薬からなる処方で、身体の水分代謝を整え、めまいやふらつきなどの改善を目的に使用します。連珠飲や定悸飲の基本となる処方でもあります。
そのほかの自律神経症状に関連する漢方薬
のぼせ、イライラ、精神不安、不眠などに。更年期障害や月経に伴う不調、冷えなどが重なる方に。
不安感や緊張に加え、のどのつかえ感、吐き気、胃の不快感などが気になる方に。
疲れやすく、顔色がすぐれず、不眠・精神不安などがある方に。心身の疲労が目立つ場合に。
漢方薬は、必ずしも一度に複数種類を服用する必要はありません。まずは特に困っている症状や体質から処方を選び、必要に応じて見直していくことが大切です。
カミツレ薬局で相談・購入できる漢方薬
カミツレ薬局では、動悸・めまい・不安感・不眠などに用いられる漢方薬を取り扱っています。症状の組み合わせや体質、現在服用している医薬品などを確認しながら、適した処方についてご相談いただけます。
連珠飲エキス細粒G「コタロー」
れんじゅいん
動悸・めまい・立ちくらみ・息切れに。血の巡りと水分代謝に働きかけ、のぼせやふらつきなど複数の不調が気になる方に用いられる漢方薬です。
商品情報・購入ページを見る定悸飲エキス錠N「コタロー」
ていきいん
動悸・不安神経症に。緊張や不安感に伴う動悸が気になる方や、めまい・ふらつき・のぼせなどを伴う方に用いられる漢方薬です。
商品情報・購入ページを見るその他の関連製品
苓桂朮甘湯エキス細粒G「コタロー」 ― めまい・ふらつき・立ちくらみ・動悸などに。
加味逍遙散エキス細粒G「コタロー」 ― のぼせ・イライラ・不眠・更年期障害などに。
半夏厚朴湯エキス細粒G「コタロー」 ― 不安感やのどのつかえ感、神経性胃炎などに。
帰脾湯エキス細粒G「コタロー」 ― 心身の疲れを伴う不眠・精神不安などに。
自律神経失調症の薬は通販・処方箋なしで購入できる?
自律神経失調症に伴う症状に使用される医薬品には、処方箋が必要なものと、処方箋なしで購入できる一般用医薬品があります。
ロラゼパムなどの抗不安薬、SSRIなどの抗うつ薬、医療用の睡眠薬は、基本的に医師の処方箋が必要です。一方、連珠飲・定悸飲・苓桂朮甘湯などの一般用漢方薬は、それぞれの効能・効果や体質に合う場合、処方箋なしで通販・オンライン購入できます。
カミツレ薬局では、処方箋医薬品以外の医療用医薬品を店舗で対面販売する場合もありますが、医療用医薬品の通販・郵送販売は行っていません。
漢方薬にも飲み合わせや副作用があります。特に複数の漢方薬を併用する場合は、甘草などの生薬の重複に注意が必要です。現在の治療薬との併用についてもご相談いただけます。
自律神経の不調に用いられる漢方薬のご相談
「動悸とめまいがあるけれど、どの漢方薬が合う?」「連珠飲と定悸飲はどう違う?」「不安感や不眠に使える漢方薬は?」「病院の薬と併用できる?」など、お薬についてお気軽にご相談ください。
参考文献・情報源
執筆・監修:カミツレ薬局 薬剤師 河津伸也
宮城県仙台市・東北大学病院前
本ページは、医薬品添付文書や医学・薬学資料に基づき、一般の方向けにまとめています。



