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疾患・症状と医薬品
頻尿・夜間尿の症状と治療薬・漢方薬

頻尿はトイレが近くなる症状、夜間頻尿は眠っている途中に尿意で目覚め、排尿する症状です。日中も夜間もトイレが近い方もいれば、夜だけ何度も起きる方もいます。
治療では、過活動膀胱、前立腺肥大症、夜間多尿などの原因に合わせて薬を選びます。また、冷えや足腰の不調を伴う頻尿には八味地黄丸・牛車腎気丸、緊張や疲れに伴う頻尿には清心蓮子飲など、症状に合わせた漢方薬も選択肢になります。
頻尿・夜間尿とは
一般に日中8回以上の排尿は頻尿の目安とされますが、回数だけでなく、生活に困っているかどうかも大切です。夜間頻尿は、いったん眠った後、尿意で目が覚めて排尿する状態を指します。1回でも夜間頻尿に該当しますが、困り方には個人差があります。
主な症状の特徴
- 日中、少ししか尿が出ないのに何度もトイレへ行く
- 夜中に2回、3回と尿意で目覚め、睡眠不足になる
- 突然強い尿意が起こり、我慢しづらい・尿が漏れる
- 尿の勢いが弱い、出始めるまで時間がかかる、残尿感がある
主な原因には、急な尿意が特徴の過活動膀胱、尿が出にくくなる前立腺肥大症、夜間に尿が多く作られる夜間多尿などがあります。そのほか、糖尿病、心臓や腎臓の病気、睡眠時無呼吸、利尿薬、飲水習慣なども関係します。
夜間の頻尿では、膀胱にためられる尿量が少ないのか、尿の量自体が増えているのか、睡眠の問題で目覚めているのかによって対応が異なります。尿の時間と量を記録する「排尿日誌」が原因の整理に役立ちます。
頻尿・夜間尿の治療
原因に合わせて、生活習慣の調整、膀胱訓練、医薬品による治療などを組み合わせます。夜間尿では飲水量だけでなく、むくみや睡眠状態の確認も重要です。
| 治療方法 | 内容 |
|---|---|
| 生活習慣・膀胱訓練 | 排尿日誌、カフェイン・アルコールの調整、膀胱訓練、骨盤底筋訓練など。夜間の水分摂取は脱水にならない範囲で見直します。 |
| 過活動膀胱の治療 | β3受容体作動薬や抗コリン薬などを使用し、突然の尿意や頻尿を改善します。 |
| 前立腺肥大症の治療 | α1遮断薬や5α還元酵素阻害薬などを用います。尿が出にくい症状が強い場合は処置・手術を検討します。 |
| 夜間多尿の治療 | 背景にある病気、足のむくみ、生活習慣などに対応。対象となる一部の男性ではデスモプレシンを検討します。 |
排尿日誌、飲み物の調整、膀胱訓練、骨盤底筋訓練などを行います。
突然の強い尿意や頻尿に対し、β3受容体作動薬や抗コリン薬を使います。
尿の通りを改善する薬や前立腺を小さくする薬を使用します。
夜間の尿量増加の原因に対応し、条件を満たす場合は専門的な薬物治療を検討します。
頻尿・夜間尿に使われる主な薬
| 薬・成分 | 特徴・位置づけ |
|---|---|
| ビベグロン・ミラベグロン ベオーバ・ベタニスなど |
β3受容体作動薬。膀胱に尿をためやすくし、過活動膀胱の頻尿や急な尿意を改善します。 |
| ソリフェナシンなど ベシケアなど |
抗コリン薬。膀胱の過剰な収縮を抑えます。口の渇きや便秘、尿が出にくくなることなどに注意します。 |
| タムスロシン・シロドシン | α1遮断薬。前立腺や尿道の緊張を緩め、尿の勢いの低下や残尿感などを改善します。 |
| デュタステリド | 前立腺を縮小させ、前立腺肥大症による排尿障害を改善する薬です。 |
| デスモプレシン | 夜間多尿による夜間頻尿のうち、適応条件を満たす男性に使われる薬です。低ナトリウム血症への厳重な注意が必要です。 |
膀胱に尿をためやすくし、急な尿意や頻尿を改善します。
膀胱の過剰な収縮を抑えます。口の渇きや便秘などに注意します。
前立腺肥大症による尿の出にくさなどに用います。
特定の男性の夜間多尿に使用し、低ナトリウム血症への注意が必要です。
頻尿があっても、尿路感染症、尿閉、血糖値の上昇などが背景にある場合は治療が異なります。血尿、発熱を伴う排尿痛、尿が出なくなった場合は早めに医療機関で確認してください。
頻尿・夜間尿と漢方薬
漢方薬は、単に排尿回数だけでなく、冷えやほてり、足腰の症状、むくみ、疲れ、精神的な緊張、排尿時の痛みなどを手掛かりに選びます。一般用医薬品にも頻尿・夜間尿を効能とする製剤があります。
八味地黄丸(はちみじおうがん)
足腰が冷える、夜間にトイレが近い、頻尿や軽い尿漏れが気になる方に用いられる代表的な処方です。地黄・山薬・山茱萸などに、身体を温める桂皮・附子を組み合わせています。中高年以降の足腰の不調や排尿症状に幅広く使われます。
牛車腎気丸(ごしゃじんきがん)
頻尿に加えて、足腰の痛み・しびれ、冷え、むくみがある方に。八味地黄丸に牛膝と車前子を加えた処方で、下半身の症状や水分代謝に着目して選びます。
清心蓮子飲(せいしんれんしいん)
緊張やストレスでトイレが近くなる、疲れやすい、残尿感がある方などに用いられます。胃腸の弱さや口・舌の乾き、尿の出しぶりを伴う場合に検討する処方で、人参・黄耆など身体を補う生薬に、蓮肉・麦門冬・茯苓などを組み合わせています。
六味丸(ろくみがん)・知柏地黄丸(ちばくじおうがん)
六味丸は、冷えよりもほてりや口の渇きが気になる方の頻尿・残尿感などに用いられます。八味地黄丸から桂皮と附子を除いた処方です。
知柏地黄丸は六味丸に知母・黄柏を加え、顔や手足のほてり、口の渇きとともに頻尿が気になる方に用いられます。冷えを伴う八味地黄丸とは、症状に合わせて使い分けます。
五淋散(ごりんさん)
頻尿に加えて、排尿時の痛みや残尿感、尿の濁りがある方に用いられる漢方薬です。膀胱炎にみられるような排尿の不快感が中心の場合に検討されます。発熱や血尿を伴う場合は感染症などの確認が必要です。
冷え・ほてり・ストレス・排尿痛による選び方
足腰の冷えや夜間尿が中心なら八味地黄丸、しびれやむくみも気になるなら牛車腎気丸、ほてりや口渇が目立つなら六味丸・知柏地黄丸を検討します。ストレスや疲れとともに頻尿が起こる場合は清心蓮子飲、排尿痛や尿の濁りを伴う場合は五淋散が候補になります。
カミツレ薬局で相談・購入できる漢方薬
カミツレ薬局では、夜間尿、頻尿、残尿感などに用いられる漢方薬を取り扱っています。症状の出方や冷え・ほてり、現在の治療薬などを確認し、処方選択をご相談いただけます。
八味地黄丸料エキス細粒G「コタロー」
はちみじおうがん
冷えや足腰のだるさ、頻尿・夜間尿に。夜間尿・頻尿を承認効能に含み、冷えを伴う排尿の悩みに用いられます。
商品情報・購入ページを見る牛車腎気丸エキス細粒G「コタロー」
ごしゃじんきがん
頻尿や夜間の排尿に加え、足腰の痛み・しびれ、むくみなどが気になる方に。
商品情報・購入ページを見る清心蓮子飲エキス細粒G「コタロー」
せいしんれんしいん
胃腸が弱く、疲れやストレスに伴う頻尿・残尿感がある方に。口や舌の乾き、尿の出しぶりも処方選択の目安です。
商品情報・購入ページを見る六味丸エキス細粒G「コタロー」
ろくみがん
頻尿・残尿感に、冷えよりもほてりや口の渇きが気になる方に。附子・桂皮を含まない地黄丸系処方です。
商品情報・購入ページを見る漢方薬の違いを詳しく知りたい方へ
排尿異常・膀胱炎・尿もれに用いる漢方薬の比較では、症状別の処方を紹介しています。杞菊地黄丸・知柏地黄丸・六味丸の違いもご覧いただけます。
八味地黄丸と牛車腎気丸には附子が含まれます。また、清心蓮子飲・五淋散など甘草を含む処方では、ほかの医薬品との生薬成分の重複に注意が必要です。複数の漢方薬を自己判断で併用するより、症状に合った処方を選ぶことが大切です。
頻尿・夜間尿の薬は通販・処方箋なしで購入できる?
過活動膀胱や前立腺肥大症などに使用するビベグロン・タムスロシンなどの処方箋医薬品は、医師の処方が必要です。一方、八味地黄丸・牛車腎気丸・清心蓮子飲・六味丸などには、頻尿や関連症状に対して処方箋なしで通販できる一般用漢方薬があります。
カミツレ薬局では一般用医薬品の通販に対応しています。処方箋医薬品以外の医療用医薬品については、条件を満たす場合に店舗で対面販売することがありますが、医療用医薬品の通販・郵送販売は行っていません。
夜間頻尿が急に増えた場合、強い喉の渇きやむくみがある場合は、糖尿病や心臓・腎臓の病気などが関係することもあります。尿が出なくなる、発熱・血尿を伴う場合は速やかに診療を受けてください。
頻尿・夜間尿の漢方薬についてのご相談
「夜中に何度もトイレに起きる」「八味地黄丸と牛車腎気丸はどう違う?」「緊張するとトイレが近い」「今飲んでいる薬と漢方薬を併用できる?」など、お気軽にご相談ください。

参考文献・情報源
執筆・監修:カミツレ薬局 薬剤師 河津伸也
宮城県仙台市・東北大学病院前
本ページは、医薬品添付文書や医学・薬学資料に基づき、一般の方向けにまとめています。



