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症状から薬を知る

フレイルとは?予防・改善と薬・漢方薬
サルコペニア・栄養・運動まで解説

フレイルの予防・改善と薬・漢方薬を薬剤師が解説

「以前より疲れやすくなった」「歩く速度が遅くなった」「食が細くなり、体重が減ってきた」――。年齢を重ねるにつれて、このような変化を感じる方は少なくありません。

こうした変化には、フレイル(Frailty)と呼ばれる状態が関係していることがあります。

フレイルは、加齢に伴って心身の機能や予備能力が低下し、病気や転倒などをきっかけに生活機能が損なわれやすくなった状態です。一方で、早い段階から適切に対応することで、改善や進行予防が期待できます。

フレイル対策の中心となるのは、栄養・運動・社会参加です。さらに、食欲不振、疲労倦怠、病後の体力低下などに対しては、症状や体質に応じて漢方薬が検討されることもあります。

このページでは、フレイルの症状や評価方法、サルコペニアとの違い、予防・改善方法、人参養栄湯などの漢方薬、栄養補助食品、市販薬・通販・処方箋なしでの購入方法について、薬剤師が分かりやすく整理します。

このページで分かること

  • フレイルとはどのような状態なのか
  • 身体的・精神心理的・社会的フレイルの違い
  • フレイル・サルコペニア・ロコモの違い
  • フレイルの評価基準とチェック項目
  • 栄養・運動・社会参加による予防・改善方法
  • フレイルに使われる薬とその位置づけ
  • 人参養栄湯の臨床研究と漢方薬の選び方
  • 補中益気湯・十全大補湯・六君子湯などの特徴
  • 市販薬・栄養補助食品・通販・処方箋なしの違い

フレイルとは?

フレイルとは、英語の「Frailty(虚弱)」に由来する言葉で、加齢に伴って心身の機能や予備能力が低下し、健康障害が起こりやすくなった状態を指します。

筋力や活動量の低下だけでなく、栄養状態、認知機能、気分、人とのつながりなど、さまざまな要素が関係しています。

健康な状態と要介護状態の中間に位置づけられることが多く、早期に気づいて対応することが大切です。

健康な状態 日常生活を自立して送れる
?
フレイル 心身の機能が低下し、健康障害を受けやすい
→
要介護状態 生活に継続的な支援が必要

※フレイルから要介護状態へ必ず進行するわけではありません。栄養や運動、疾病管理、社会参加などの適切な介入により、健康な状態に近づくことも期待できます。

フレイルには3つの側面があります

身体的フレイル

筋力低下、歩行速度の低下、体重減少、疲れやすさ、活動量の減少など、身体機能に関係する状態です。

精神心理的フレイル

気分の落ち込み、意欲低下、認知機能の低下など、精神面や認知面の変化が関係する状態です。

社会的フレイル

外出や交流の減少、社会活動への参加低下、孤立など、人や社会とのつながりが弱くなった状態です。

これらは独立しているわけではありません。例えば、食欲が落ちて筋力が低下すると外出が減り、人との交流が少なくなることで、さらに活動性が低下することがあります。

フレイルは単なる「年齢のせい」ではありません。
年齢とともに起こる変化のほか、栄養不足、運動不足、病気、薬の影響、口腔機能の低下などが関係することがあります。改善できる要因を探すことが重要です。

フレイルとサルコペニア・ロコモの違い

フレイルと似た言葉に「サルコペニア」「ロコモティブシンドローム」があります。いずれも高齢者の身体機能低下に関係しますが、注目する範囲が異なります。

名称 主な特徴 注目する点
フレイル 加齢による心身の予備能力低下と健康障害への弱さ 身体・精神心理・社会的な機能を含む
サルコペニア 筋力や筋肉量などが低下した状態 筋肉の量・筋力・身体機能
ロコモ 運動器の障害によって移動機能が低下した状態 骨・関節・筋肉・神経などの運動器
フレイル

身体・精神心理・社会的側面を含む、加齢に伴う虚弱な状態。

サルコペニア

筋力・筋肉量・身体機能などの低下に注目する状態。

ロコモ

骨や関節、筋肉などの運動器の問題による移動機能の低下。

例えば、サルコペニアによる筋力低下がフレイルの一因となることがあります。ただし、筋肉量だけを改善すればフレイルの問題がすべて解決するわけではありません。

フレイルの症状・チェック項目

フレイルでは、次のような変化がみられることがあります。

  • 以前より疲れやすく、何をするにもおっくうに感じる
  • 歩く速度が遅くなった
  • 階段の上り下りがつらくなった
  • ペットボトルのふたが開けにくくなった
  • 特に減量していないのに体重が減った
  • 食欲が落ち、食事の量が少なくなった
  • 外出や人との交流が減った
  • 転びやすくなった、ふらつきやすくなった

ただし、こうした症状があるからといって、必ずフレイルと判断できるわけではありません。貧血、甲状腺の病気、心臓病、薬の副作用などでも似た症状が起こります。

日本版フレイル基準(J-CHS基準)

身体的フレイルの評価では、2020年に改訂された日本版フレイル基準(J-CHS基準)が用いられています。

評価項目 該当する基準
体重減少 6か月で2kg以上の意図しない体重減少
筋力低下 握力が男性28kg未満、女性18kg未満
疲労感 最近2週間で、わけもなく疲れた感じがする
歩行速度低下 通常歩行速度が1.0m/秒未満
身体活動低下 軽い運動・体操も、定期的な運動・スポーツも週1回未満
? 体重減少

6か月で2kg以上の意図しない体重減少。

? 筋力低下

握力が男性28kg未満、女性18kg未満。

? 疲労感

最近2週間で、わけもなく疲れた感じがする。

? 歩行速度低下

通常歩行速度が1.0m/秒未満。

? 身体活動低下

軽い運動・体操も、定期的な運動・スポーツも週1回未満。

評価結果の考え方

0項目:この基準では健常(ロバスト)

1〜2項目:プレフレイル(フレイルの前段階)

3項目以上:フレイル

実際の評価には握力や歩行速度の測定などが必要です。ご家庭では気になる変化を把握する参考とし、正確な評価や原因の確認は医療機関等で行います。

また、地域の介護予防事業などでは、日常生活や口腔機能、栄養状態などを確認する「基本チェックリスト」が活用されることもあります。

フレイルの予防・改善では何をする?

フレイルへの対策は、薬だけで行うものではありません。栄養状態や身体活動、病気の有無、日常生活の状況などを確認しながら、複数の方法を組み合わせます。

1
栄養を十分にとる

筋肉の維持に必要なたんぱく質やエネルギーを不足させないことが大切です。食事量が少ない場合には、食事回数や内容の工夫、栄養補助食品などを検討します。

2
筋力・バランスを保つ運動をする

歩行、椅子からの立ち座り、軽い筋力トレーニングなどを、体調に合わせて継続します。転倒リスクが高い場合は専門家の指導が必要です。

3
社会とのつながりを保つ

家族や友人との交流、趣味、地域活動への参加などが、活動性や意欲を維持する助けになります。

4
口腔機能・持病・服用薬を確認する

噛みにくさや飲み込みにくさ、貧血、心臓病、糖尿病などの状態を確認します。薬の種類や数が体調・転倒などに影響していないか見直すことも重要です。

5
必要に応じて薬・漢方薬・栄養補助食品を検討する

疲労倦怠、食欲不振、病後の体力低下など、個々の症状に対して医薬品が検討されることがあります。フレイルへの基本的な対策と組み合わせて考えます。

フレイル予防に重要な栄養・食事

高齢者では食欲の低下や歯・口の機能の衰えなどにより、食事量が少なくなることがあります。

十分なエネルギーやたんぱく質を取れない状態が続くと、筋肉量や筋力が低下し、さらに活動量が減るという悪循環につながることがあります。

たんぱく質を毎日の食事に取り入れる

筋肉を維持するためには、運動だけでなく、材料となるたんぱく質を十分に摂取することが重要です。

肉・魚

たんぱく質に加え、鉄やビタミンB12なども摂取できる食品です。

卵・大豆製品

卵、豆腐、納豆などは、毎日の食事に取り入れやすいたんぱく質源です。

牛乳・乳製品

たんぱく質やカルシウムの補給に役立ちます。食事量が少ない場合にも取り入れやすい食品です。

一般的には高齢者の筋肉維持のために十分なたんぱく質摂取が勧められますが、必要量は体重、栄養状態、病気によって異なります。腎機能が低下している方などは、自己判断で高たんぱく食にせず、医師・管理栄養士へ相談してください。

食事が十分に取れない場合は?

食事の量を増やすことが難しい場合には、少量でエネルギーやたんぱく質を補給できる栄養補助食品を利用することがあります。

ただし、体重減少が続く場合には、単に食事量を増やすだけでなく、食欲が低下している原因を確認することが重要です。

オーラルフレイルにも注意

オーラルフレイルとは、噛む、飲み込む、話すなど、口の働きに軽微な衰えが生じた状態です。

硬いものが食べにくい、食事中にむせる、食べこぼしが増えるなどの変化があると、食べられる食品が限られ、低栄養につながることがあります。気になる場合は歯科医療機関などへ相談してください。

フレイル予防に重要な運動

厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」では、高齢者に対して、体力や健康状態に応じて今よりも少しでも多く身体を動かすことを勧めています。

高齢者の身体活動の目安

一般的な目安として、歩行などの身体活動を1日40分以上、筋力トレーニングを週2〜3日、筋力・バランス・柔軟性などを組み合わせた運動を週3日以上行うことが推奨されています。

ただし、これはすべての方が最初から達成する必要のある最低条件ではありません。フレイルのある方は、現在の身体機能や転倒リスクに応じて、無理のない範囲から始めることが重要です。

例えば、立ち座りの練習、短時間の散歩、無理のない足上げ運動なども、身体機能に応じた取り組みになります。

骨折歴、強い関節痛、心臓病、めまいなどがある場合は、安全な運動内容について医師や理学療法士などに相談してください。

フレイルに使われる薬はある?

フレイルそのものを治す薬と、関連する症状に使う薬は異なります

フレイルはさまざまな要因が重なった状態であり、フレイル全体を一つの薬で治療することはできません。

医療機関では、原因となる病気や栄養障害、骨粗鬆症などが見つかった場合に、それぞれの治療を行います。

また、疲労倦怠、食欲不振、病後の体力低下などに対しては、漢方薬が選択肢になることもあります。

ただし、漢方薬についても、フレイルを対象とした臨床研究があることと、製品の承認効能に「フレイル」が含まれていることは区別して理解する必要があります。

フレイルに関連して検討される薬・成分

薬・成分 主な目的 フレイルとの関係
人参養栄湯 疲労倦怠、食欲不振、病後の体力低下など フレイルの研究あり
補中益気湯・十全大補湯など 疲労、虚弱、食欲不振などの症状 関連症状から検討
たんぱく質・栄養補助食品 栄養不足の改善、筋肉の維持を支える 栄養管理の選択肢
ビタミンD・鉄・ビタミンB12など 欠乏や栄養状態に応じた補充 不足がある場合に検討
骨粗鬆症治療薬 骨折リスクの低減など 合併疾患の治療
貧血やその他の原因疾患に対する治療薬 原因となる疾患・状態の改善 原因に応じた治療
人参養栄湯

疲労倦怠、食欲不振、体力低下などに用いられ、フレイルを対象とした研究もあります。

フレイルの研究あり
補中益気湯・十全大補湯など

疲れやすさ、食欲不振、病後の衰弱など、関連する症状や体質から検討します。

関連症状から検討
たんぱく質・栄養補助食品

食事から十分な栄養を摂取できない場合の補助として利用します。

栄養管理
ビタミンD・鉄・ビタミンB12など

不足や欠乏が確認された場合などに補充を検討します。

不足に応じた補充
骨粗鬆症・貧血などの治療薬

フレイルそのものではなく、関連する病気や原因を治療する薬です。

合併疾患の治療

フレイルに対する漢方薬の考え方

漢方医学では、疲労、食欲不振、冷え、睡眠状態、足腰の衰えなど、患者さんに現れている症状や体質を総合して処方を考えます。

そのため「フレイルだからこの漢方薬」という一対一の選択ではありません。

例えば、食欲がなく疲れやすい方と、食事は取れていても足腰の冷えや夜間頻尿が目立つ方とでは、検討する処方が異なります。

また、フレイルを対象とした研究がある処方と、フレイルに伴う症状・体質から選択する処方は、根拠の種類が異なります。

フレイルを対象とした研究がある漢方薬

人参養栄湯

人参養栄湯(にんじんようえいとう)

人参養栄湯は、疲労倦怠、食欲不振、病後・術後の体力低下、手足の冷え、貧血などに用いられる漢方薬です。

漢方では、身体を動かすエネルギーが不足した「気虚(ききょ)」と、身体を養う働きが不足した「血虚(けっきょ)」が重なっているような状態を考えます。

例えば、疲れやすく食事量が減り、身体が弱ってきた方や、病気の回復期に体力が戻りにくい方などで検討されます。

人参養栄湯はフレイルに研究されています

人参養栄湯は、フレイルやサルコペニアに関連する漢方薬として、基礎研究や臨床研究が行われています。

例えば、2021年に報告されたフレイル・プレフレイルを合併する骨粗鬆症患者40例の非ランダム化比較試験では、人参養栄湯を服用した群において、下肢の運動・バランス機能などの改善を示唆する結果が報告されています。

また、2025年には、老化促進マウスを用いた研究で、体重減少、筋力低下、運動機能低下などに対する人参養栄湯の作用が報告されています。

ただし、これらは人参養栄湯がすべてのフレイル患者に有効であると確立したことを意味するものではありません。人を対象とした研究も規模が限られており、フレイルの標準的な薬物治療として確立しているわけではありません。

人参養栄湯のポイント

フレイルを直接対象とした研究がある一方、医薬品としての承認効能は疲労倦怠、食欲不振、病後・術後の体力低下などです。栄養・運動などの基本的な対策に代わるものではなく、症状や体質に応じて検討する処方です。

なお、人参養栄湯には一般用医薬品として販売されている製品もあります。ただし、カミツレ薬局公式オンラインショップでの販売については、現在の取扱状況を確認する必要があります。

疲労倦怠・食欲不振などから考える漢方薬

補中益気湯

補中益気湯(ほちゅうえっきとう)

補中益気湯は、胃腸の働きが衰え、疲れやすく、元気が出ないような状態に用いられる代表的な漢方薬です。

漢方では、胃腸の働きが弱く、身体を動かすエネルギーを十分に生み出せない「気虚」の状態を考えます。

食欲不振、疲労倦怠、病後・術後の衰弱などが主な使用目的で、食が細くなり、疲れやすさや全身のだるさが目立つ場合などに検討されます。

補中益気湯のポイント

人参養栄湯と共通する使用目的もありますが、補中益気湯は特に胃腸の働きの低下と疲労倦怠を目標に考えます。フレイル全体を治療する薬という意味ではありません。

病後の体力低下・疲労・貧血傾向

十全大補湯

十全大補湯(じゅうぜんだいほとう)

十全大補湯は、病後・術後の体力低下、貧血、疲労倦怠、食欲不振、手足の冷えなどに用いられる漢方薬です。

漢方では、気虚に加えて血虚(身体を養う働きが不足し、顔色の悪さや冷え、疲労などが現れやすい状態)を伴う場合に検討されます。

病気の回復期などで、身体が弱り、疲れやすく、顔色がすぐれない、手足が冷えるといった状態に用いられます。

補中益気湯と十全大補湯の違い

補中益気湯は胃腸の働きと疲労倦怠を中心に考え、十全大補湯は疲労に加えて貧血傾向や冷えなども目標にします。どちらが優れているというものではなく、症状や体質によって選択が異なります。

そのほかに症状・体質から検討される漢方薬・生薬製剤

フレイルにはさまざまな症状が関係するため、疲労や食欲不振以外にも、胃もたれ、不眠、冷え、足腰の痛み、頻尿などを目標として漢方薬が検討されることがあります。

六君子湯

りっくんしとう

胃腸が弱く、食欲がない、胃もたれがする、疲れやすいなど、食事が十分に取れない背景に胃腸症状がある場合に検討します。

帰脾湯

きひとう

疲れやすさに加えて、不眠、精神不安、動悸などを伴う場合に、身体と精神面の症状を考慮して検討される処方です。

八味地黄丸

はちみじおうがん

加齢に伴う足腰の冷え、腰痛、頻尿、夜間尿などを伴う場合に用いられる漢方薬です。足腰の症状から選択する処方であり、筋肉量を直接増やす薬ではありません。

牛車腎気丸

ごしゃじんきがん

足腰の冷えや痛み、しびれ、むくみ、頻尿などがある場合に用いられます。フレイルに伴う足腰の不調のうち、これらの症状が認められる場合に検討します。

生脈散

しょうみゃくさん

虚弱体質、肉体疲労、病中病後、食欲不振などに対する滋養強壮の処方です。疲労や消耗が目立つ場合に選択肢となります。

参茸大補丸錠

さんじょうたいほがんじょう

鹿茸・牛黄・紅参・黄耆を配合した生薬製剤です。虚弱体質、肉体疲労、病中病後、食欲不振、冷え症などに対する滋養強壮を目的に使用されます。

漢方薬を選ぶ際の注意点
上記の処方をすべて「フレイルへの効果が確認された薬」として紹介しているわけではありません。フレイルに関する研究がある人参養栄湯と、個々の症状・体質から検討される漢方薬・生薬製剤は位置づけが異なります。

フレイルと漢方薬の選び方・早見表

漢方薬を検討する際には、どのような症状が目立つのかを確認することが重要です。

漢方薬・生薬製剤 主に考える症状・体質 フレイルとの関係
人参養栄湯 食欲不振、疲労、体力低下、冷え、貧血傾向 フレイル研究あり
補中益気湯 疲労倦怠、食欲不振、胃腸機能の低下 関連症状から検討
十全大補湯 病後の衰弱、貧血、疲労、手足の冷え 関連症状から検討
六君子湯 胃腸虚弱、胃もたれ、食欲不振 食事量低下に伴う胃腸症状
帰脾湯 疲労、不眠、精神不安、動悸 心身の随伴症状
八味地黄丸 足腰の冷え、腰痛、頻尿 随伴する足腰・排尿症状
牛車腎気丸 足腰の痛み・しびれ、冷え、むくみ、頻尿 随伴する足腰・排尿症状
生脈散 肉体疲労、虚弱体質、病中病後 滋養強壮
参茸大補丸錠 疲労、虚弱、食欲不振、冷え 滋養強壮
人参養栄湯

食欲不振・疲労・体力低下・冷え・貧血傾向。

フレイル研究あり
補中益気湯

疲れやすさ・食欲不振・胃腸機能の低下。

関連症状
十全大補湯

病後の衰弱・貧血・疲労・手足の冷え。

関連症状
六君子湯・帰脾湯

六君子湯は胃腸虚弱・食欲不振、帰脾湯は疲労・不眠・精神不安など。

随伴症状
八味地黄丸・牛車腎気丸

足腰の冷え・痛み、頻尿・むくみなど。

随伴症状
生脈散・参茸大補丸錠

虚弱体質・肉体疲労・病中病後などに対する滋養強壮。

滋養強壮

フレイルにビタミン・サプリメントは必要?

フレイル予防では、食事から必要な栄養を取ることが基本です。ただし、食事量が少なく栄養不足が疑われる場合には、栄養補助食品などが役立つことがあります。

たんぱく質・プロテイン

筋肉の維持に必要なたんぱく質を食事だけでは十分に取れない場合の補助として利用できます。

ただし、プロテインだけを飲めば筋力低下が改善するわけではありません。食事全体のエネルギー量と運動も重要です。

ビタミンD・カルシウム

骨の健康に重要な栄養素です。骨粗鬆症などがある場合には、病状や栄養状態に応じて補充が検討されます。

すべてのフレイル患者がビタミンDを多く摂取すれば改善するというものではありません。

ビタミンB12・鉄など

欠乏による貧血や神経症状、疲労などがある場合には、必要に応じて補充療法を行います。原因を確認せずにサプリメントだけで対応することは適切ではありません。

食事量が著しく少ない、体重減少が続いている、噛むことや飲み込むことが難しい場合には、医師・管理栄養士・歯科医療機関等による評価が必要です。

カミツレ薬局で相談・購入できる漢方薬・生薬製剤

カミツレ薬局公式オンラインショップでは、フレイルに伴ってみられる疲労倦怠、食欲不振、病後の体力低下、冷え、足腰の症状などに関連する漢方薬・生薬製剤を取り扱っています。

以下の商品は、フレイルそのものへの効能・効果を示すものではなく、それぞれの製品で承認された症状・状態に対して使用する医薬品です。

オンライン購入可能

補中益気湯エキス細粒G「コタロー」

ほちゅうえっきとう

第2類医薬品

胃腸の働きが衰えて疲れやすく、元気が出ない方の疲労倦怠、食欲不振、病後・術後の衰弱などに。

商品情報・購入ページを見る
オンライン購入可能

十全大補湯エキス細粒G「コタロー」

じゅうぜんだいほとう

第2類医薬品

病後・術後の体力低下、疲労倦怠、貧血、食欲不振、手足の冷えなどに。

商品情報・購入ページを見る
オンライン購入可能

六君子湯Aエキス細粒「分包」三和生薬

りっくんしとう

第2類医薬品

胃腸が弱く、食欲不振、胃もたれ、疲れやすさなどを伴う場合の胃腸虚弱・消化不良などに。

商品情報・購入ページを見る
オンライン購入可能

帰脾湯エキス細粒G「コタロー」

きひとう

第2類医薬品

疲れやすさに加えて、不眠や精神不安、貧血などを伴う方に。承認された効能・効果に応じて使用します。

商品情報・購入ページを見る
オンライン購入可能

八味地黄丸料エキス細粒G「コタロー」

はちみじおうがん

第2類医薬品

疲れやすく、足腰の冷えや痛み、頻尿などを伴う方に。主に足腰・排尿症状を目標とする処方です。

商品情報・購入ページを見る
オンライン購入可能

牛車腎気丸エキス細粒G「コタロー」

ごしゃじんきがん

第2類医薬品

足腰の冷え、痛み、しびれ、むくみ、頻尿などを伴う場合に用いられる漢方薬です。

商品情報・購入ページを見る
オンライン購入可能

生脈散エキス細粒G「コタロー」

しょうみゃくさん

第3類医薬品

虚弱体質、肉体疲労、病中病後、胃腸虚弱、食欲不振、冷え症などに対する滋養強壮に。

商品情報・購入ページを見る
オンライン購入可能

参茸大補丸錠「コタロー」

さんじょうたいほがんじょう

第3類医薬品・生薬製剤

鹿茸・牛黄・紅参・黄耆を配合。虚弱体質、肉体疲労、病中病後、食欲不振、冷え症などに対する滋養強壮に。

商品情報・購入ページを見る
高齢者の漢方薬使用について
高齢者では複数の医薬品を服用していることも多いため、漢方薬の成分重複や相互作用に注意が必要です。特に甘草を含む漢方薬では、低カリウム血症や偽アルドステロン症などに注意します。使用中の薬、持病、腎機能などを確認したうえで選択してください。

関連する漢方薬の解説ページ

中高年・シニア世代の体調変化や漢方薬の違いについては、次のページでも紹介しています。

40代・50代からの体調変化に使える漢方薬|中高年・シニア世代・高齢者向け

フレイルの薬・漢方薬は通販・処方箋なしで購入できる?

フレイルに関連する医薬品は、すべて同じ方法で購入できるわけではありません。

一般用医薬品・漢方薬

補中益気湯、十全大補湯、六君子湯など、一般用医薬品として販売されている漢方薬は、製品によって通販・オンラインで購入できます。

購入時には症状、持病、服用中の薬などを確認し、医薬品の効能・効果に応じて使用することが重要です。

医療用医薬品

フレイルに関連する病気の治療に使用する医療用医薬品については、医療機関での診察や処方が必要になる場合があります。

一方、処方箋医薬品以外の医療用医薬品で、カミツレ薬局が実際に取り扱っているものは、薬剤師による対面確認後、処方箋なしで購入できる場合があります。

ただし、症状や患者背景によっては販売できない場合があります。また、医療用医薬品の通販・郵送販売は行っていません。

栄養補助食品・サプリメント

栄養補助食品やサプリメントは通販で購入できるものもありますが、医薬品とは異なり、フレイルを治療する効能・効果を持つものではありません。

体重減少や食欲不振が続く場合には、栄養補助食品だけで対応せず、医療機関等へ相談してください。

フレイルと思っても、医療機関へ相談した方がよい状態

疲労や体重減少、歩行機能の低下は、フレイルだけでなく、さまざまな病気が原因で起こる場合があります。

次のような場合には、年齢による変化と考えて放置せず、医療機関へ相談してください。

  • 特に減量していないのに短期間で体重が減った
  • 食欲低下が続き、食事を十分に取れない
  • 強い疲労感が続き、日常生活に支障が出ている
  • 急に歩けなくなった、急激に筋力が低下した
  • 転倒を繰り返す、骨折が疑われる
  • 飲み込みにくさや食事中のむせが増えている
  • 気分の落ち込みや意欲低下が強く続いている
  • 持病の悪化が疑われる、服用薬の影響が気になる

特に、突然の片側の手足の麻痺、ろれつが回らない、強い胸痛や呼吸困難などが起きた場合には、フレイルではなく緊急性のある病気の可能性があるため、直ちに救急対応が必要です。

フレイルについてよくある質問

フレイルとは病気ですか?

フレイルは単一の病気というより、加齢に伴い身体・精神心理・社会的な機能や予備能力が低下し、健康障害が起こりやすくなった状態を指す言葉です。背景に病気が隠れている場合もあります。

フレイルは何歳から起こりますか?

高齢になるほどみられやすくなりますが、特定の年齢になったら必ず起こるものではありません。慢性疾患や栄養不足、活動量の低下などが関係するため、年齢だけで判断することはできません。

フレイルは改善できますか?

改善が期待できる状態です。栄養・運動・社会参加に取り組み、必要に応じて病気や薬の影響を確認することで、身体機能の維持・改善につながる場合があります。ただし、改善の程度には個人差があります。

フレイルとサルコペニアは同じですか?

同じではありません。サルコペニアは筋力や筋肉量などの低下に注目する状態です。フレイルは筋力だけでなく、栄養、疲労感、精神心理面、社会とのつながりなども含む広い概念です。

人参養栄湯はフレイルに使われますか?

人参養栄湯は、フレイルに関連する臨床研究や基礎研究が報告されている漢方薬です。製品としては疲労倦怠、食欲不振、病後・術後の体力低下などに用いられます。すべてのフレイル患者への効果が確立しているわけではなく、症状や体質を確認して選択します。

補中益気湯や十全大補湯はフレイルに使えますか?

フレイルに伴う疲労倦怠や食欲不振、病後の体力低下など、製品の効能・効果に該当する症状がある場合には、選択肢として検討できます。ただし、フレイルそのものを治す薬という意味ではありません。

フレイルにはプロテインやビタミンDがよいですか?

食事から十分なたんぱく質を取れていない場合には、プロテインなどの栄養補助食品が役立つことがあります。ビタミンDについても骨の健康や欠乏の有無を考慮します。ただし、すべてのフレイル患者に同じサプリメントが必要というわけではありません。

フレイルの漢方薬は通販で購入できますか?

補中益気湯、十全大補湯、六君子湯などの一般用漢方薬は、製品によって通販で購入できます。購入時には症状、持病、服用薬などの確認が必要です。医療用医薬品の通販・郵送販売には対応していません。

フレイルは何科を受診すればよいですか?

まずは、かかりつけ医や内科・老年内科などに相談できます。歩行や転倒の問題は整形外科・リハビリテーション科、食べにくさや飲み込みにくさは歯科・口腔機能の専門家など、症状に応じた対応が必要になることもあります。

フレイルに関連する薬・漢方薬について迷ったら

「疲れやすく食欲も落ちてきたが、どの漢方薬を考える?」「補中益気湯と十全大補湯はどう違う?」「高齢の家族が服用中の薬と併用できる?」など、カミツレ薬局へご相談いただけます。

年齢、現在の症状、体重や食欲の変化、持病、使用中の医薬品・サプリメントなどをお知らせいただくと、確認しやすくなります。

※ご相談内容によっては、医療機関での検査や診察をご案内する場合があります。

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参考文献・情報源
  • 国立長寿医療研究センター「フレイル研究部/日本版CHS基準」
    国立長寿医療研究センター
  • 公益財団法人長寿科学振興財団「健康長寿ネット/フレイルの診断」
    健康長寿ネット
  • 厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」高齢者版
    厚生労働省 e-ヘルスネット
  • 厚生労働省「食べて元気にフレイルを予防するために」
    地域がいきいき 集まろう!通いの場
  • 日本老年医学会「フレイル診療ガイド2018年版」「高齢者の安全な薬物療法ガイドライン2025」等
    日本老年医学会
  • 西口雅彦「フレイルを合併する骨粗鬆症患者に対する人参養栄湯の治療効果:非ランダム化比較試験」日本サルコペニア・フレイル学会誌 2021;5(1):146-153.
    J-STAGE 論文情報
  • 大塚章太郎ほか「フレイル:人参養栄湯」外科と代謝・栄養 2025;59(2):43-47.
    J-STAGE 論文情報
  • 千葉殖幹「身体的フレイルに対する人参養栄湯の作用」ファルマシア 2026;62(9):810-814.
    J-STAGE 論文情報
  • ツムラ「ツムラ漢方人参養栄湯エキス顆粒」製品情報・効能効果
    ツムラ公式製品情報
  • カミツレ薬局公式オンラインショップ 各一般用医薬品の商品情報・添付文書情報

本ページは、厚生労働省、国立長寿医療研究センター、日本老年医学会等の専門機関、医薬品添付文書、製薬会社資料、査読付き医学論文等をもとに、カミツレ薬局の薬剤師が一般の方向けに整理したものです。

フレイルの評価や治療は、症状、基礎疾患、栄養状態、身体機能、服用薬などによって異なります。個別の診断や治療に代わるものではありません。

医療現場で使用されることと、医薬品に承認された効能・効果は同じとは限りません。また、漢方薬については現代医学上の疾患名が添付文書に記載されているかだけで判断せず、承認された症状・状態、患者の体質、専門資料、臨床研究等を総合して整理しています。

研究があることだけで効果が確立しているとは判断せず、標準的な予防・治療と漢方薬の位置づけを区別しています。