カート
ユーザー
絞り込む
カテゴリー
グループ
コンテンツ
  • ホーム
  • ヘバーデン結節に桂枝加朮附湯|冷え・指の関節痛に用いる漢方薬

ヘバーデン結節・手指変形性関節症の痛みに桂枝加朮附湯

指の第一関節が腫れて痛むヘバーデン結節や、第二関節に生じるブシャール結節は、手指に起こる変形性関節症です。痛みや腫れ、朝のこわばり、指の曲げ伸ばしのしにくさなどがみられ、ペットボトルのふたを開ける、衣服のボタンを留めるといった日常動作に支障をきたすことがあります。

このような手指の関節痛のうち、手足が冷える、寒い日に痛みが強くなる、雨の日や湿気の多い時期に症状が悪化する、こわばりを伴うといった方に使用される漢方薬が、桂枝加朮附湯(けいしかじゅつぶとう)です。

桂枝加朮附湯の通販・ご相談はカミツレ薬局へ|全国配送対応

ヘバーデン結節など冷えを伴う指の関節痛に用いられる桂枝加朮附湯(サンワロンK顆粒)

漢方選択でお悩みの際はLINEで相談!

LINE友だち追加

東北大学病院前にあるカミツレ薬局の
薬剤師または登録販売者が対応いたします!

ヘバーデン結節・ブシャール結節とは

ヘバーデン結節は、指先に最も近いDIP関節(第一関節)に起こる変形性関節症です。関節軟骨の変性に伴って、痛み、腫れ、赤み、骨の出っ張り、変形などが生じます。似た症状がPIP関節(第二関節)に起こるものは、ブシャール結節と呼ばれます。

40歳以降の女性に多く、加齢、遺伝的要因、手指への負担、女性ホルモンの変化などが関与すると考えられています。炎症が強い時期には痛みや熱感が目立ち、時間の経過とともに痛みが落ち着いても、関節の変形が残ることがあります。

一般的には、安静やテーピング・装具による固定、外用薬や鎮痛薬などの保存的な対応が中心です。桂枝加朮附湯も選択肢の一つですが、すでに生じた骨の変形を元に戻す薬ではなく、冷えやこわばりを伴う関節痛・神経痛をやわらげる目的で使用されます。

桂枝加朮附湯とは

桂枝加朮附湯は、かぜの初期に用いられる桂枝湯(けいしとう)に、朮(じゅつ)と附子(ぶし)を加えた漢方処方です。医療用漢方製剤では「ツムラ18番」としても知られ、冷えを伴う関節痛や神経痛に広く使用されています。

基本となる桂枝湯は、身体を穏やかに温めて巡りを助ける桂皮(けいひ)、筋肉の緊張や痛みをやわらげる芍薬(しゃくやく)・甘草(かんぞう)、胃腸を守りながら処方全体を調和させる大棗(たいそう)・生姜(しょうきょう)から構成されています。桂枝湯はかぜの初期に用いられる処方ですが、単なる「かぜ薬」ではなく、体表を温め、筋肉のこわばりをゆるめる働きを持つことが、慢性的な関節痛や神経痛へ応用する土台となっています。

朮は、身体に偏った余分な水分をさばく「利水」の働きを担います。附子は、身体の内側から温め、冷えによって強くなる痛みをやわらげる生薬です。朮と附子を組み合わせることで、温める作用、利水作用、鎮痛作用をあわせ持つことが、この処方の大きな特徴です。

漢方医学では、慢性化した関節痛のうち、寒い日や雨の日に悪化する痛み、冷えると強くなる痛み、関節の重だるさやこわばりを伴う状態には、「寒(冷え)」と「湿・水毒(水分の偏り)」が関与していることが多いと考えます。そのため、冷えを取り除きながら水分代謝を整える桂枝加朮附湯が用いられます。

また、桂枝加朮附湯には、附子と並んで鎮痛作用を持つ生薬として知られる麻黄(まおう)を含みません。そのため、麻黄による動悸、不眠、血圧上昇などが心配な方にも検討しやすい処方です。ただし、附子による動悸、のぼせ、ほてり、口唇・舌のしびれや、甘草に関連する副作用には注意が必要です。

症例集積研究:ヘバーデン結節16例での検討

2021年の『日本東洋医学雑誌』に、ヘバーデン結節を中心とする手指変形性関節症に対して、桂枝加朮附湯を使用した16例の症例集積研究が報告されています。

  • 対象は57〜80歳の女性16例(平均67.4歳)
  • 罹病期間は6ヵ月〜15年(平均4年6ヵ月)
  • 冷え症に該当する症例が11例、中間証が5例
  • 疼痛緩和までの期間は2〜8ヵ月(平均3ヵ月)
  • 16例全例で痛みが消失またはほぼ消失し、局所の熱感も消失
  • 観察期間中、全例で変形の進行を認めなかった

特に注目されるのは、冷え症であった11例すべてで、桂枝加朮附湯の服用後に手指・足趾の先端が暖まり、疼痛の改善がみられたと報告されている点です。手指だけでなく足趾の冷えも改善したことから、局所の痛みを抑えるだけではなく、四肢末端の冷えを伴う全身的な状態に働きかけた可能性が示唆されます。

一方、この研究は比較対照群を設けず、過去の診療記録をもとに検討した少数例の症例集積です。したがって、すべての方に同じ効果が得られることや、桂枝加朮附湯が変形の進行を確実に抑えることまで証明した研究ではありません。ただし、冷えを伴う手指変形性関節症の疼痛に対する、実臨床での有用性を示す報告として参考になります。

手指変形性関節症に対する2症例の報告

2022年には、整形外科専門誌『臨床雑誌整形外科』において、桂枝加朮附湯が著効した手指変形性関節症の2例も報告されています。ヘバーデン結節やブシャール結節では、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)やテーピングによって十分な効果が得られない場合もあり、複数の指に症状が及ぶと手術を希望しにくいことがあります。そのような症例に対する治療選択肢として、桂枝加朮附湯が報告されました。

こちらも2例の症例報告であり、大規模な臨床試験ではありません。しかし、前述の16例の症例集積とあわせると、桂枝加朮附湯が冷え、こわばり、慢性化した手指の関節痛を伴う場合に検討される理由を裏付ける臨床報告といえます。

鎮痛薬で胃腸障害が起こりやすい方にも

手指変形性関節症の痛みに対しては、NSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)などの鎮痛薬が使用されることがあります。しかし、NSAIDsを継続すると、胃もたれ、胃痛、胃炎、胃・十二指腸潰瘍などの胃腸障害が問題になることがあり、特に高齢者や胃腸の弱い方では使用しにくい場合があります。

桂枝加朮附湯は、麻黄や地黄など、体質によっては胃腸への負担となりやすい生薬を含まず、大棗や生姜など胃腸の働きを支える生薬が配合されています。そのため、関節痛に用いられる附子剤の中では構成が比較的シンプルで、胃腸の弱い方にも比較的使用しやすい処方と考えられます。

特に、NSAIDsなどの鎮痛薬で胃腸障害が起こりやすい方や、副作用のため鎮痛薬を継続しにくい方では、冷えやこわばりなどの状態が合えば、桂枝加朮附湯が選択肢になります。桂枝加朮附湯によって痛みが十分に軽減すれば、結果として鎮痛薬の使用回数を減らしたり、医師と相談のうえで減量・中止につながったりすることもあります。

ただし、現在使用している鎮痛薬を自己判断で中止するものではありません。鎮痛薬の減量や中止を希望する場合は、痛みの経過を確認しながら、処方した医師や薬剤師に相談してください。また、桂枝加朮附湯自体も、体質によっては胃部不快感などが現れる可能性があります。

桂枝加朮附湯が向いていると考えられる症状

  • ヘバーデン結節やブシャール結節による指の痛みがある
  • 手足の先が冷えやすく、冷えると痛みが強くなる
  • 寒い日、雨の日、湿気の多い時期に関節痛が悪化する
  • 手指がこわばり、曲げ伸ばしがしにくい
  • 慢性的な関節痛や神経痛が続いている
  • 体力が比較的低下し、汗をかきやすい傾向がある

反対に、関節の赤みや熱感が非常に強い方、のぼせが強く赤ら顔で体力が充実している方などでは、桂枝加朮附湯が適さないことがあります。また、急に複数の関節が腫れた場合や、朝のこわばりが長く続く場合には、関節リウマチなど他の疾患との鑑別も重要です。

取り扱い商品(第2類医薬品)

桂枝加朮附湯(サンワロンK顆粒)の商品画像

桂枝加朮附湯(サンワロンK顆粒)

効能・効果:体力虚弱で、汗が出、手足が冷えてこわばり、ときに尿量が少ないものの関節痛、神経痛

購入ページへ

その他の附子製品

附子は、身体の深部を温め、冷えを伴う痛みや機能低下に用いられる代表的な生薬です。桂枝加朮附湯以外にも、症状の現れ方に応じて次のような附子製品が選択されます。

冷えを伴う関節痛・神経痛に用いられる関連処方

冷えを伴う痛みでも、痛む部位、関節の腫れや熱感、体力、加齢に伴う症状などによって適する処方は異なります。

漢方薬 選択の目安
桂枝加朮附湯 手足の冷え、こわばり、雨天や寒さで悪化する関節痛・神経痛。比較的体力が低下し、汗をかきやすい方。
葛根加朮附湯 首すじから肩・背中の緊張が強く、肩こり、肩甲部の神経痛など、主に上半身の痛みが目立つ方。
桂芍知母湯
(桂枝芍薬知母湯)
慢性化した関節痛に加えて、関節の腫れ・熱感・炎症が比較的目立ち、手足の運動機能が低下している方。
八味地黄丸 加齢に伴う腰痛・下肢痛・しびれがあり、夜間頻尿、排尿のしにくさ、むくみなども伴う方。
大防風湯 体力が低下し、関節が腫れて痛み、麻痺や強いこわばりがあって曲げ伸ばしにくい慢性関節炎など。

これらはいずれも附子を含む、または身体を温めながら慢性の痛みに対応する処方ですが、同じ「冷えを伴う関節痛」であっても使い分けが必要です。複数の附子剤を自己判断で併用すると、動悸、のぼせ、ほてり、口唇・舌のしびれなどが現れやすくなるため、併用は避けてください。

桂枝加朮附湯が用いられるその他の痛み

桂枝加朮附湯は、ヘバーデン結節などの手指変形性関節症だけでなく、冷えを伴うさまざまな関節痛・神経痛に用いられることがあります。

関節リウマチでは、冷えによって関節の痛みやこわばりが強くなる場合に、症状をやわらげる目的で使用されることがあります。ただし、関節リウマチでは抗リウマチ薬などによる治療が基本となるため、桂枝加朮附湯は病気そのものを治療する薬ではなく、痛みや冷えに対する補助的な選択肢となります。

また、帯状疱疹後神経痛をはじめ、冷えると悪化する慢性的な神経痛に応用されることもあります。特に、患部や手足の冷え、しびれ、こわばりを伴う場合には、附子による温熱作用と鎮痛作用を期待して使用されます。

同じ関節痛・神経痛であっても、熱感が強い場合や冷えを伴わない場合には、別の漢方薬が適することがあります。症状や体質に応じた使い分けが必要です。

よくあるご質問(桂枝加朮附湯Q&A)

A. 効果の現れ方には個人差があります。16例の症例集積研究では、疼痛が緩和するまで2〜8ヵ月、平均3ヵ月でした。一方、一般用医薬品の添付文書では、1ヵ月程度服用しても症状がよくならない場合は服用を中止し、医師・薬剤師または登録販売者へ相談することとされています。自己判断で漫然と継続せず、経過を確認しながら使用してください。
A. 桂枝加朮附湯は、冷えやこわばりを伴う関節痛・神経痛をやわらげる漢方薬です。すでに生じた骨の変形を元に戻す効果が確認された薬ではありません。研究では観察期間中に変形の進行がなかったと報告されていますが、比較対照のない症例集積であり、変形の進行抑制を証明したものではありません。
A. 併用できる場合もありますが、現在使用している医薬品や持病によって確認が必要です。特に、他の甘草や附子を含む漢方薬との重複には注意が必要です。ご注文時に、使用中のお薬をお知らせください。
A. 発疹・発赤、かゆみ、動悸、のぼせ、ほてり、口唇や舌のしびれなどが現れることがあります。まれに、甘草に関連する偽アルドステロン症やミオパチーが起こることがあります。異常を感じた場合は服用を中止し、医師・薬剤師または登録販売者へご相談ください。
A. 妊娠中または妊娠している可能性のある方、高齢者、医師の治療を受けている方、高血圧・心臓病・腎臓病の診断を受けている方などは、服用前に医師・薬剤師または登録販売者へ相談が必要です。

手指変形性関節症で行われる主な対応


  • 患部への負担を減らす、作業方法を見直す
  • テーピング、装具、指用サポーターなどによる固定
  • 外用鎮痛消炎薬、内服鎮痛薬などによる疼痛管理
  • 症状や体質に応じた漢方薬の使用
  • 粘液嚢腫や強い変形・疼痛などに対する手術療法

エビデンス情報


  • ヘバーデン結節を中心とした女性16例の症例集積研究では、全例で疼痛が消失またはほぼ消失し、局所の熱感も消失したと報告されています。
  • 16例のうち冷え症に該当した11例では、全例で手指・足趾の先端が暖まり、疼痛の改善がみられました。
  • 疼痛緩和までの期間は2〜8ヵ月、平均3ヵ月でした。
  • 別の整形外科専門誌には、桂枝加朮附湯が著効した手指変形性関節症2例が報告されています。
  • いずれも少数例の観察研究・症例報告であり、現時点では大規模なランダム化比較試験によって有効性が確立されているわけではありません。

参考・出典


※本記事は医薬品および疾患に関する情報提供を目的としています。桂枝加朮附湯の効果には個人差があり、すでに生じた関節の変形を元に戻すものではありません。腫れや痛みが強い場合、症状が急に現れた場合、複数の関節に症状がある場合は、他の疾患との鑑別が必要になることがあります。服用にあたっては医師、薬剤師または登録販売者にご相談ください。

関連リンク


・腱鞘炎(ばね指・ドケルバン病)の原因と漢方薬

・手足・肩・腰の痛み・しびれに使用される漢方薬比較

・寒証(かんしょう)とは?冷え性との違い