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ED(勃起不全)とは?
十分な勃起が得られない、または維持できない状態が続く「ED(勃起不全)」。 主な原因や生活習慣との関係、漢方薬・一般用医薬品・医療用ED治療薬の違いをご紹介します。
ED(勃起不全)とは
EDとは、満足な性行為を行うために十分な勃起が得られない、 または勃起を維持できない状態が繰り返し起こることをいいます。
まったく勃起しない場合だけでなく、勃起するまでに時間がかかる、 途中で弱くなる、十分な硬さが得られないといった状態もEDに含まれます。
EDは、血管・神経・男性ホルモンなどの体の問題による「器質性ED」、 不安やストレスなどが影響する「心因性ED」、 両方が関係する「混合性ED」に分けられます。 実際には、複数の原因が重なっていることも少なくありません。
EDが起こる主な原因
- 加齢に伴う血管機能や男性ホルモンの変化
- 糖尿病、高血圧、脂質異常症、肥満などの生活習慣病
- 喫煙や運動不足による血流への影響
- 男性ホルモン(テストステロン)の低下
- ストレス、緊張、不安、過去の失敗経験などの心理的な影響
- 前立腺・骨盤内の手術や、神経・脊髄の病気
- うつ病、不眠、睡眠時無呼吸症候群などの影響
- 使用している医薬品の影響
※高血圧、糖尿病、脂質異常症などに使用される医薬品がEDに関係することもありますが、 処方薬を自己判断で中止しないでください。 気になる場合は、処方元の医療機関またはかかりつけ薬局へご相談ください。
日常生活で見直したいポイント
- 適度な運動を続け、体重や腹囲を適正に保つ
- 禁煙し、飲酒量が多い場合は量を見直す
- 睡眠時間を確保し、生活リズムを整える
- 高血圧、糖尿病、脂質異常症などを適切に管理する
- 過度に結果を意識せず、パートナーと無理のない関係をつくる
- 使用中の医薬品が気になる場合は、処方元へ相談する
※ED治療薬や漢方薬を使用する場合も、生活習慣病の管理、 運動、睡眠、禁煙などの改善を併せて行うことが大切です。
EDが繰り返し続く場合や、以前は問題がなかったにもかかわらず急に症状が現れた場合は、 泌尿器科や男性更年期外来などへご相談ください。
性欲の低下、強い疲労感、気分の落ち込み、筋力低下などを伴う場合は、 男性ホルモンの低下が関係している可能性があります。
糖尿病、高血圧、脂質異常症、心臓病などがある方は、 EDが血管の状態と関係していることもあるため、治療中の医療機関にもご相談ください。
陰茎の強い痛み、変形、外傷後の腫れがある場合や、 ED治療薬の使用後に勃起が4時間以上続く場合は、速やかに医療機関を受診してください。
EDに応用される代表的な漢方薬
EDに使用される漢方薬は、年齢、冷え、疲れやすさ、排尿症状、 腰や足の状態、不安・緊張、不眠などを確認して選択します。
中高年で足腰の衰えや排尿症状を伴う場合には【八味地黄丸】、 不安や緊張など心理的な影響が強い場合には 【桂枝加竜骨牡蛎湯】などが応用されます。
八味地黄丸
医療用漢方製剤ではツムラ7番としても知られる処方です。
※リンク先の商品はコタローの一般用医薬品です。
中高年で、足腰の冷え・だるさ、腰痛、夜間頻尿、排尿しにくいなどの症状を伴い、 加齢とともに勃起力が低下してきた場合に応用される代表的な処方です。
※医療用の八味地黄丸では、効能・効果に「陰萎」が含まれています。 一方、リンク先の一般用医薬品の効能・効果には、 ED・勃起不全の直接の記載はありません。 胃腸が弱く、下痢しやすい方、のぼせが強い方は服用前にご相談ください。
牛車腎気丸
医療用漢方製剤ではツムラ107番としても知られる処方です。
※リンク先の商品はコタローの一般用医薬品です。
八味地黄丸が適する症状に加えて、足腰のしびれ・痛み・むくみ、 排尿しにくいなどの症状が強い場合に応用されます。
※一般用医薬品の効能・効果に、ED・勃起不全の直接の記載はありません。 足腰の冷えや衰え、排尿症状など、体全体の状態を確認して選択される処方です。 胃腸が弱く下痢しやすい方や、のぼせの強い方は服用前にご相談ください。
桂枝加竜骨牡蛎湯
医療用漢方製剤ではツムラ26番としても知られる処方です。
※リンク先の商品は三和生薬の一般用医薬品です。
体力が低下し、疲れやすい、神経が過敏、不安や緊張が強い、 眠りが浅いなどの症状を伴うEDに応用されます。 性行為への不安や緊張が症状に影響している場合に選択されることがあります。
※一般用医薬品の効能・効果に、ED・勃起不全の直接の記載はありません。 神経質、不眠症、神経症、夜尿症などに使用される処方です。 甘草を含むため、ほかの甘草配合製剤を使用している方は服用前にご相談ください。
柴胡加竜骨牡蛎湯
医療用漢方製剤ではツムラ12番としても知られる処方です。
※リンク先の商品は三和生薬の一般用医薬品です。
比較的体力があり、ストレス、イライラ、不安、動悸、不眠などを伴い、 精神的な緊張がEDに影響している場合に応用されます。
※一般用医薬品の効能・効果に、ED・勃起不全の直接の記載はありません。 高血圧に伴う動悸・不安・不眠、神経症などに使用される処方です。 大黄を含む製品では、下痢や腹痛が現れることがあります。
※本ページには、一般用・医療用医薬品の効能・効果に直接記載された使用方法だけでなく、 症状や体質を確認して用いられる漢方医学上の応用例も含みます。
EDに使用される一般用・要指導医薬品
日本初の市販ED治療薬
シアリス
有効成分:タダラフィル10mg
要指導医薬品
EDそのものに使用する内服薬です。 性的刺激を受けた際の陰茎への血流を改善し、 十分な勃起を得たり、維持したりする働きを助けます。
性行為の約1時間前に1回1錠を服用します。 効果は服用後約30分から現れ始め、最大36時間持続することがあります。 ただし、服用しただけで自動的に勃起する薬ではなく、性的な刺激が必要です。
※18歳以上の男性が対象です。 1日1回までとし、次の服用まで24時間以上空けてください。 性欲を高める薬や、性感染症を予防する薬ではありません。
※ニトログリセリン、硝酸イソソルビドなどの硝酸薬・一酸化窒素供与薬や、 一部の心臓病・肺高血圧症の薬を使用している方は服用できません。 心臓病、脳梗塞・心筋梗塞の既往、重い肝臓病・腎臓病などがある方も、 購入時に薬剤師の確認が必要です。
※2026年7月30日時点では、2026年7月31日から一部薬局で先行販売、 8月31日から全国発売予定です。 要指導医薬品のため、使用する本人が薬剤師による確認と説明を受ける必要があります。 当薬局での取扱状況はLINEでお問い合わせください。
男性ホルモンを配合した第1類医薬品
男性ホルモン製剤は、男性ホルモンの分泌不足に伴う性欲・勃起力の低下、 男性更年期症状などに使用されます。
※シアリスなどのED治療薬とは作用や使用目的が異なり、 性行為の直前に服用して勃起を補助する薬ではありません。
グローミン
有効成分:テストステロン1%
第1類医薬品・塗布タイプ
男性ホルモンの分泌不足による性欲の低下、勃起力の低下、 早漏、男性更年期に伴う倦怠感などに使用されるクリームです。
※EDの原因が男性ホルモンの低下による場合に使用される製品であり、 シアリスなどのPDE5阻害薬のような即効的な勃起補助薬ではありません。 前立腺疾患、睡眠時無呼吸症候群などのある方は使用できない場合があります。 特に50歳以上の方は、使用前に前立腺の状態を確認することが推奨されています。
オットピン-S
有効成分:メチルテストステロン20mg/1g
第1類医薬品・塗布タイプ
男性ホルモンの分泌不足による勃起力の低下、早漏、陰萎、 男性更年期に伴う精力減退などに使用される外用薬です。
※リンク先はカミツレ薬局の第1類医薬品一覧です。 男性ホルモンの不足に伴う症状に使用する製品であり、 性行為の直前に使用して勃起を起こす薬ではありません。 前立腺疾患などのある方は、購入前に薬剤師へご相談ください。
トノス
テストステロン・局所麻酔成分などを配合
第1類医薬品・塗布タイプ
男性ホルモンの分泌不足による勃起力の低下や男性更年期症状に加えて、 早漏の症状が気になる場合に使用されます。 局所麻酔成分を配合している点が、ほかの男性ホルモン軟膏との違いです。
※局所麻酔成分を含むため、使用部位・使用方法を添付文書で確認してください。 グローミンやオットピン-Sなど、 ほかの男性ホルモン製剤と自己判断で併用しないでください。
金蛇精(糖衣錠)
メチルテストステロン、生薬、ビタミン類などを配合
第1類医薬品・内服タイプ
男性更年期に伴う性欲・性感の低下、勃起力の低下、倦怠感などに使用される内服薬です。 男性ホルモンに加えて、動物性・植物性生薬やビタミン類を配合しています。
※リンク先はカミツレ薬局の第1類医薬品一覧です。 漢方薬ではなく、男性ホルモンを含む一般用医薬品です。 ほかの男性ホルモン製剤と自己判断で併用しないでください。 前立腺疾患、肝臓病などのある方は、購入前に薬剤師へご相談ください。
※第1類医薬品は、薬剤師による使用可否の確認と情報提供を受け、 内容を確認・承諾したうえで購入する必要があります。
医療機関で処方される主なED治療薬
シルデナフィル
バイアグラおよびそのジェネリック医薬品の有効成分です。 性的刺激を受けた際の勃起を補助します。
バルデナフィル
レビトラの有効成分として知られるPDE5阻害薬です。 現在は主にジェネリック医薬品が使用されています。
タダラフィル
シアリスおよびそのジェネリック医薬品の有効成分です。 医療用製剤には複数の用量があり、医師が症状や持病に応じて処方します。
※医療用ED治療薬は、医療機関で診察を受けて処方してもらう必要があります。 要指導医薬品のシアリスや、ほかのED治療薬を自己判断で重ねて服用しないでください。
※PDE5阻害薬は、ニトログリセリンなどの硝酸薬・一酸化窒素供与薬と併用できません。 心臓病のある方や、性行為を控えるよう医師から指示されている方は使用できない場合があります。
ED治療薬や男性ホルモン製剤を選ぶ際の注意点
EDは、血流、神経、男性ホルモン、心理的な緊張など、 複数の原因によって起こります。 薬の種類によって作用や対象となる症状が異なるため、 単に「精力剤」として同じように使用できるものではありません。
シアリスなどのPDE5阻害薬は、性的刺激に対する勃起を補助する薬です。 一方、グローミン、オットピン-S、トノス、金蛇精は、 男性ホルモンの不足に伴う症状に使用する医薬品です。
複数のED治療薬や男性ホルモン製剤を自己判断で併用しないでください。 心臓病、前立腺疾患、肝臓病、腎臓病、睡眠時無呼吸症候群などのある方や、 ほかの医薬品を使用している方は、購入前に医師または薬剤師へご相談ください。
外用の男性ホルモン製剤を使用した後は手をよく洗い、 塗布した部分に女性や子どもが直接触れないよう注意してください。
参考情報
- 日本性機能学会・日本泌尿器科学会 「ED診療ガイドライン 第3版」
- エスエス製薬株式会社「シアリス 製品情報」
- エスエス製薬株式会社「市販のED治療薬 シアリス」
- カミツレ薬局「第1類医薬品一覧」
- グローミン 製品情報
- 大東製薬工業株式会社「オットピン-S」
- 大東製薬工業株式会社「トノス」
- 摩耶堂製薬株式会社「金蛇精(糖衣錠)」
- 八味地黄丸エキス細粒G「コタロー」製品情報
- 牛車腎気丸エキス細粒G「コタロー」製品情報
- 安斎圭一『すべての臨床医が知っておきたい漢方薬の使い方』 羊土社、2023年
※本ページは、上記の診療ガイドライン、公的機関、製薬会社の公開情報および専門書を参考に、 一般の方にもわかりやすい表現へ整理しています。 漢方薬には、一般用・医療用医薬品の効能・効果に直接記載されている使用方法のほか、 症状や体質を確認して用いられる応用例も含まれます。
情報確認日:2026年7月30日



