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多汗症・寝汗に効果的な漢方処方
多汗症とは
多汗症とは異常な量の汗をかく状態のことで、全身に汗が増加する「全身性多汗症」と手のひらや足の裏、脇、顔などの体の一部に汗が増える「局所多汗症」があります。
原因は肥満やバセドウ病、体温中枢刺激、神経障害、精神的な理由などが挙げられ、特に原因のわからない原発性などもあり要因は様々です。
一般的には西洋薬の内服(臭化プロパンテリン(商品名:プロバンサイン)等)や外用薬での治療となりますが、西洋薬だけでは改善できないケースには漢方薬を併用することで改善がみられる場合があります。
多汗症・寝汗に用いられる生薬「黄耆」
防已黄耆湯、桂枝加黄耆湯、補中益気湯、玉屏風散など多汗症や寝汗を改善する漢方の多くには「黄耆(おうぎ)」という生薬が含まれています。
黄耆には、体表の水のうっ滞を治す働きがあり、発汗異常をはじめ浮腫・関節炎・神経痛などにも応用されます。
また黄耆は、強壮作用(免疫調整作用)があるため、虚弱者(虚証)に使用されることも多い生薬成分です。
多汗症・寝汗に桂枝加黄耆湯(けいしかおうぎとう)

桂枝加黄耆湯は、「桂枝湯」に「黄耆(おうぎ)」が加わった処方で、多汗症や寝汗の改善に使用される代表的な漢方処方です。
桂枝、芍薬、生姜、大棗、甘草、黄耆の6味で構成された漢方で、風邪をひきやすいなど体力があまりない人や体表の機能が悪くなり発汗する方などの皮膚トラブルに使用されます。
配合された黄耆が、皮膚のしまりを良くし、化膿や炎症を抑えるため「あせも」や「湿疹」などの症状も改善することができます。
特に上半身に汗をかきやすい方の発汗を改善します。
桂枝加黄耆湯(第2類医薬品)
多汗症・寝汗に防已黄耆湯(ぼういおうぎとう)

防已、黄耆、白朮、生姜、大棗、甘草の6味からなる漢方処方で、「ちょっと動いただけでも汗をかく」「上半身から汗をかきやすい」といった特徴がある方に使用される漢方薬です。
暑い夏に顔からだらだらと汗をかいて、扇子やタオルが手放せず、ぽっちゃりしたタイプの人の体質改善に、防已黄耆湯が効く場合が多いといわれています。
肥満症や汗疱(かんぽう)の治療にも使う漢方薬で、このタイプの人には、膝が痛む人が少なからずおり、いずれの症状にも防已黄耆湯が効果的と言われています。
防已黄耆湯(第2類医薬品)
多汗症・寝汗に補中益気湯(ほちゅうえっきとう)

黄耆、人参、甘草、白朮、陳皮、当帰、升麻、柴胡、生姜、大棗の10味からなる漢方処方で、医王湯(いおうとう)とも呼ばれ、疲れやすく、だるさや食欲のない方など体力が弱っている方の体力回復などによく使用される漢方薬です。
多汗症については、日本皮膚科学会から出されている「原発性局所多汗症診療ガイドライン 2023 年改訂版」には、推奨度の記載はないが補中益気湯療法で「手から汗が滴り落ちる程の重症な多汗症が、約半年でたまに発汗する程度まで改善した」と多汗症が改善した症例報告が掲載されています。
補中益気湯(第2類医薬品)
多汗症・寝汗に玉屏風散(ぎょくへいふうさん)

玉屏風散は、黄耆、白朮、防風の3味で構成された漢方処方です。
汗をかきやすく、疲れやすく、風邪をひきやすいような方の抵抗力を高めて病気にかからなくする目的で使用される漢方薬で、補中益気湯に似た補気剤で自汗※予防の代表処方です。
2009年の臨床研究では、原因不明の多汗(盗汗)に対し、玉屏風散投与後10日以内に8割以上の患者で汗が完全に止まり、食欲や全身状態も改善したと報告しています。(Phytother Res. 2009 Mar;23(3):363-6. doi: 10.1002/ptr.2633.)
※ 自汗:日中、特に動かなくても出る汗、あるいは少し動くだけで出る汗のことを指します。
玉屏風散(第2類医薬品)
参考・出典
- 日本皮膚科学会「原発性局所多汗症診療ガイドライン 2023 年改訂版」
- 薬局で買える症状から読み解く漢方薬のトリセツ.じほう
- 漢方294処方生薬解説 第2版,じほう
- 幸井 俊高. 完全版 医師・薬剤師のための漢方のエッセンス. 日経BP.
- Phytother Res. 2009 Mar;23(3):363-6. doi: 10.1002/ptr.2633.
※本記事は医薬品の情報提供を目的としており、効果には個人差があります。服用にあたっては医師または薬剤師にご相談ください。