カート
ユーザー
絞り込む
カテゴリー
グループ
コンテンツ
  • ホーム
  • エコノミークラス症候群の症状・治療薬

疾患・症状と医薬品

エコノミークラス症候群の症状と治療薬・予防方法

エコノミークラス症候群・深部静脈血栓症・肺塞栓症の症状と治療薬

エコノミークラス症候群は、長時間同じ姿勢で過ごすことなどがきっかけとなり、脚の静脈に血栓(血液のかたまり)ができ、肺の血管を詰まらせることがある病気です。

医学的には、脚などに血栓ができる深部静脈血栓症(DVT)と、血栓が肺動脈に詰まる肺血栓塞栓症(PTE・肺塞栓症)が深く関係しています。治療にはエリキュース・イグザレルト・リクシアナなどの抗凝固薬が使われ、予防には脚の運動や適切な水分補給などが重要です。

エコノミークラス症候群とは

エコノミークラス症候群は、飛行機だけでなく、長時間の車移動、車中泊、デスクワーク、災害時の避難生活などでも起こることがあります。

脚を長時間動かさないと静脈の血液が滞り、血栓ができやすくなります。できた血栓が血流に乗って肺に移動すると、呼吸や血液循環に影響を及ぼすことがあります。

エコノミークラス症候群に関係する2つの病気

  • 深部静脈血栓症(DVT):脚や骨盤などの深い静脈に血栓ができる病気。脚の腫れや痛みなどが現れることがあります。
  • 肺血栓塞栓症(PTE):血栓が肺動脈に詰まる病気。突然の息切れや胸痛などが起こり、重症では命に関わります。

これらをまとめて静脈血栓塞栓症(VTE)と呼びます。エコノミークラス症候群は、特に長時間の座位や移動に関連する静脈血栓塞栓症の通称です。

主な症状

病気 主な症状
深部静脈血栓症 片脚のむくみ・腫れ、ふくらはぎの痛み、熱感、皮膚の赤みなど。症状がほとんどない場合もあります。
肺血栓塞栓症 突然の息切れ、呼吸困難、胸痛、動悸、冷汗、めまい、失神など。
深部静脈血栓症(DVT)

片脚のむくみ・腫れ、ふくらはぎの痛み、熱感など。症状が目立たない場合もあります。

肺血栓塞栓症(PTE)

突然の息切れ、呼吸困難、胸痛、動悸、冷汗、めまい、失神など。

重要:突然の息苦しさ、強い胸痛、失神などが現れた場合は、肺血栓塞栓症の可能性があるため、119番で救急要請してください。また、片脚だけの急な腫れや痛みがある場合も、速やかな医療機関での確認が必要です。

エコノミークラス症候群の原因と診断

長時間の座位のほか、脱水、肥満、妊娠・産後、手術後、長期間の安静、がん、女性ホルモンを含む薬の使用、過去の血栓症などが発症リスクに関係します。

診断では、症状や発症の背景を確認し、血液中のDダイマーの測定や画像検査を組み合わせます。

下肢静脈エコー検査

脚の静脈に血栓ができていないか、超音波で調べます。

造影CT検査

肺血栓塞栓症が疑われる場合に、肺動脈の血栓などを確認します。

Dダイマーは血栓症を否定できるか判断する際に役立ちますが、数値だけで血栓症と診断するものではありません。

深部静脈血栓症・肺塞栓症の治療

治療の中心となるのは、血液が固まる働きを抑える抗凝固療法です。血栓が大きくなることや、新たな血栓ができることを防ぎ、身体が血栓を処理する過程を支えます。

治療方法 内容
抗凝固療法 エリキュース、イグザレルト、リクシアナ、ヘパリンなどを使用し、血栓の進展や再発を防ぎます。
血栓溶解療法 重症の肺血栓塞栓症などで、血栓を溶かす薬が検討されます。
カテーテル・手術治療 重症度に応じて、血栓の吸引・除去などを行います。
圧迫療法・リハビリ 深部静脈血栓症による脚の腫れや痛み、血栓後症候群などに対し、状態に応じて弾性ストッキングや歩行を取り入れます。
抗凝固療法

抗凝固薬で血栓の進展や再発を防ぎます。

血栓溶解療法

重症例で血栓を溶かす薬を検討します。

カテーテル・手術治療

重症度に応じて血栓を除去する処置を行います。

圧迫療法・リハビリ

脚の症状や治療経過に合わせて弾性ストッキング、歩行などを取り入れます。

静脈血栓塞栓症に使われる主な医薬品

薬・成分 特徴・位置づけ
アピキサバン
エリキュース
血液凝固に関わる第Xa因子を阻害する経口抗凝固薬。深部静脈血栓症・肺血栓塞栓症の治療と再発抑制に使用されます。
リバーロキサバン
イグザレルト
第Xa因子を阻害する経口抗凝固薬。静脈血栓塞栓症の治療や再発抑制に使用されます。
エドキサバン
リクシアナ
急性期の適切な初期治療後に使用する経口抗凝固薬。静脈血栓塞栓症の治療や再発抑制に使用されます。
ヘパリン 注射や点滴で使用する抗凝固薬。急性期や重症例などの治療に用いられます。
ワルファリン
ワーファリンなど
ビタミンKの働きを介した血液凝固を抑える薬。血液検査による調整を行いながら使用します。
エリキュース(アピキサバン)

血液凝固の第Xa因子を阻害する経口抗凝固薬です。

イグザレルト(リバーロキサバン)

静脈血栓塞栓症の治療・再発抑制に使用されます。

リクシアナ(エドキサバン)

急性期の初期治療後に使用する経口抗凝固薬です。

ヘパリン

急性期などに注射や点滴で使用します。

ワルファリン(ワーファリンなど)

血液検査で作用を確認しながら使用する抗凝固薬です。

治療期間は血栓ができた場所、発症原因、再発リスク、出血リスクなどによって異なります。約3か月の治療が一つの目安となる場合がありますが、長期的な服用が必要な方もいます。また、一部の下腿限局型の血栓では、経過観察が選択されることもあります。

抗凝固薬では出血への注意が必要です。血尿・黒色便・止まりにくい出血などがある場合は医療機関に連絡してください。自己判断による中止や、市販の鎮痛薬などとの併用にも注意が必要です。

エコノミークラス症候群の予防方法

飛行機、車、デスクワークなどで長時間座る場合には、脚をこまめに動かし、脱水を避けることが大切です。

日常生活でできる予防対策

  • 長時間同じ姿勢を続けず、定期的に立ち上がったり歩いたりする。
  • 座ったままでも、足首を動かし、かかとの上げ下ろしを行う。
  • 水分制限の指示がなければ、こまめに水分を補給する。
  • 脚や腰を強く締め付ける服装を避け、飲酒や喫煙を控える。
  • 血栓症の既往などがある方は、医療者と相談して弾性ストッキングなどを検討する。

車中泊や避難生活でも、足を伸ばせる環境を確保し、定期的に歩くなどの対策が重要です。

弾性ストッキングは、静脈の血液が滞ることを抑えるために使われます。着用の必要性や圧迫の強さは、血栓症の既往や脚の血流状態などに合わせて選びます。

すでに血栓症が疑われるような急な脚の腫れ・痛みがある場合は、通常のむくみ対策として強く揉むことや自己判断で圧迫することを避け、医療機関で確認してください。

血栓症の治療後も脚のむくみが続く場合

深部静脈血栓症の治療後も、脚の腫れ、重だるさ、痛み、皮膚の変化などが続くことがあります。これは血栓後症候群(PTS)と呼ばれ、血栓による静脈の損傷や血液の戻りにくさなどが関係します。

症状に応じて、弾性ストッキングによる圧迫療法、適度な運動、体重管理などを組み合わせます。治療後に脚の症状が新たに強くなった場合は、血栓の再発についても確認が必要です。

一方、日常的なむくみには、長時間の立ち仕事、水分バランスの乱れ、冷え、体質などが関係する場合もあります。血栓症とは別の原因によるむくみでは、症状や体質に合わせて漢方薬を検討することがあります。

エコノミークラス症候群と漢方薬

静脈血栓塞栓症の治療・再発予防には抗凝固療法などが中心となり、漢方薬がその代わりになるものではありません。

ただし、血栓症が否定されている場合や、血栓症とは別の原因による日常的なむくみ・身体の重だるさなどには、漢方薬を選択肢として検討できます。

五苓散(ごれいさん)

五苓散は、喉の渇きや尿量減少を伴うむくみなどに用いられる漢方薬です。沢瀉・猪苓・茯苓・白朮・桂皮を組み合わせ、水分バランスの乱れによる症状に対応します。

むくみのほか、頭痛、めまい、二日酔い、暑気あたりなどにも用いられます。

防已黄耆湯(ぼういおうぎとう)

防已黄耆湯は、汗をかきやすく、疲れやすい方のむくみや水太りに用いられる漢方薬です。

防已・黄耆などを配合し、身体の重だるさや、肥満に伴う関節の腫れ・痛みなどにも用いられます。

血栓症のむくみと、通常のむくみの違い

片脚だけが急に腫れた場合や、痛み・熱感を伴う場合には、深部静脈血栓症の可能性があります。漢方薬を選ぶ前に、むくみの原因を確認することが重要です。

五苓散や防已黄耆湯は、血栓を溶かしたり、肺血栓塞栓症の発症を予防したりする目的で使用する医薬品ではありません。

カミツレ薬局で相談・購入できる関連漢方薬

カミツレ薬局では、むくみや身体の重だるさなどに用いられる漢方薬を取り扱っています。血栓症の有無や現在の治療内容を確認し、症状に応じたお薬をご相談いただけます。

第2類医薬品・オンライン購入可能

五苓散料Aエキス細粒「分包」三和生薬

ごれいさん

喉の渇きや尿量減少を伴うむくみ、頭痛、めまいなどに。水分バランスの乱れによる不調に用いられる漢方薬です。

商品情報・購入ページを見る
第2類医薬品・オンライン購入可能

防已黄耆湯エキス細粒G「コタロー」

ぼういおうぎとう

汗をかきやすく疲れやすい方のむくみ・水太りに。身体の重だるさや、肥満に伴う関節の腫れ・痛みにも用いられます。

商品情報・購入ページを見る

むくみについて詳しく知りたい方へ

むくみ(浮腫)の治療薬・漢方薬 ― 原因や症状に応じた医薬品・漢方薬の違いを紹介しています。

エコノミークラス症候群の薬は市販・通販・処方箋なしで購入できる?

エリキュース・イグザレルト・リクシアナなどの抗凝固薬は、医師による診断と処方箋が必要な医薬品です。血栓症の治療や再発予防を目的として、市販薬を代用することはできません。

一方、五苓散や防已黄耆湯など、むくみを効能・効果に持つ一般用漢方薬には、処方箋なしで通販・オンライン購入できる製品があります。これらは血栓症とは別の原因による症状に対して検討するものです。

カミツレ薬局では、一般用医薬品のオンライン販売に加え、条件を満たす一部の医療用医薬品を店舗で対面販売しています。医療用医薬品の通販・郵送販売は行っていません。

むくみ・血栓症の治療薬に関するご相談

「現在服用中の抗凝固薬と市販薬を併用できる?」「むくみの漢方薬について知りたい」「旅行中の薬の管理について相談したい」など、お薬についてお気軽にご相談ください。

突然の呼吸困難や胸痛、急な片脚の腫れなどがある場合は、LINEでの相談を待たずに医療機関へご連絡ください。

LINEでカミツレ薬局に相談
参考文献・情報源

執筆・監修:カミツレ薬局 薬剤師 河津伸也
宮城県仙台市・東北大学病院前
本ページは、医薬品添付文書や医学・薬学資料に基づき、一般の方向けにまとめています。