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疾患・症状と医薬品

むくみ(浮腫)の症状と治療薬・漢方薬

むくみ(浮腫)に使われる医薬品・漢方薬

むくみ(浮腫)は、皮膚の下などに余分な水分がたまり、足・手・顔・まぶたなどが腫れぼったくなる状態です。夕方に靴下の跡が強く残る、朝起きると顔がむくむなど、現れ方には違いがあります。

治療は原因に応じて行い、心不全や腎疾患などでは利尿薬が用いられることもあります。一方、むくみやすさに加えて、汗のかきやすさ、下半身のだるさ、尿量の減少、冷えなどが気になる方には、五苓散・防已黄耆湯・九味檳榔湯などの漢方薬も選択肢になります。

むくみ(浮腫)とは

むくみは、血管と組織の間で水分が移動するバランスや、静脈・リンパの流れなどが変化することで生じます。指で押すとへこみが残る「圧痕性浮腫」のほか、押してもへこみにくいむくみもあります。

主な症状の特徴

  • 夕方になると足や足首が腫れ、靴や靴下がきつく感じる
  • 朝起きると顔やまぶたが腫れぼったい
  • 足が重だるく、すねを押すと指の跡が残ることがある
  • 急に体重が増える、尿の量が変わることがある

むくみの主な原因

長時間の立ち仕事や座り仕事、塩分の多い食事、月経周期などによって一時的にむくむことがあります。一方、症状が続く場合には、病気や服用中の薬が関係していることもあります。

原因 特徴・症状の例
静脈のうっ滞・長時間同じ姿勢 夕方に足のむくみが強くなり、休息や足を上げることで軽くなることがあります。
心不全 両足のむくみ、息切れ、急な体重増加などを伴うことがあります。
腎疾患・ネフローゼ症候群 まぶたや足のむくみ、尿の泡立ち、尿量の変化などが手掛かりになります。
肝疾患・低栄養 血液中のアルブミンが減り、足やお腹に水分がたまることがあります。
薬の影響・その他 一部の降圧薬、痛み止め、ホルモン製剤などのほか、甲状腺疾患やリンパの流れの障害も原因になります。
静脈のうっ滞・長時間同じ姿勢

夕方に足がむくみやすく、休息や足を上げることで軽くなることがあります。

心不全

両足のむくみ、息切れ、急な体重増加などを伴うことがあります。

腎疾患・ネフローゼ症候群

顔や足のむくみ、尿の泡立ちや尿量の変化などが現れることがあります。

肝疾患・低栄養

血液中のアルブミンの減少などで、足やお腹に水分がたまる場合があります。

薬の影響・その他

一部の降圧薬、痛み止め、ホルモン製剤などが関係することもあります。

原因を調べる際には、むくみの部位や経過、服用中の薬などを確認し、必要に応じて尿検査、血液検査、心臓や下肢の超音波検査などを行います。

むくみ(浮腫)の治療

むくみの治療は、余分な水分を減らすことだけが目的ではありません。原因となる病気や静脈・リンパの問題を確認し、生活習慣の見直し、必要な医薬品や処置を組み合わせます。

治療方法 内容
生活習慣の見直し 原因に応じて、塩分の摂り過ぎを控える、適度に歩く、足を高くして休むなどの方法を取り入れます。
圧迫療法 静脈やリンパの流れに問題がある場合、弾性ストッキングなどを使用します。適否は血流や心臓の状態によって判断します。
利尿薬 心不全などで水分が過剰にたまる場合、尿中への水分・塩分の排出を促す薬を使用します。
原因疾患の治療 心不全、腎疾患、肝疾患、静脈血栓症など、それぞれの原因に対応した治療を行います。
生活習慣の見直し

塩分の摂り過ぎを控え、歩行や足を上げる休息などを取り入れます。

圧迫療法

静脈・リンパの状態に応じて弾性ストッキングなどを使用します。

利尿薬

心不全などで体液が過剰にたまる場合に使用します。

原因疾患の治療

心臓・腎臓・肝臓・血管などの病気に対する治療を行います。

むくみに使われる主な医薬品

薬・成分 特徴・位置づけ
ループ利尿薬
フロセミド、トラセミドなど
尿への塩分・水分の排出を促す薬です。心不全などで体液がたまっている場合に用いられる代表的な治療薬です。
サイアザイド系利尿薬
トリクロルメチアジドなど
高血圧などに使用され、心不全ではほかの利尿薬で十分に改善しない場合に追加を検討することがあります。
抗アルドステロン薬・MRA
スピロノラクトンなど
ホルモンの作用を抑えて塩分・水分の貯留を調整します。心不全や肝硬変に伴う腹水などで用いられます。
バソプレシンV2受容体拮抗薬
トルバプタン
尿への水分排出を促す薬です。特定の心不全などで、厳格な管理のもと使用されます。
ループ利尿薬(フロセミドなど)

水分・塩分の排出を促し、心不全などの体液貯留に用いられます。

サイアザイド系利尿薬

高血圧などに使用し、必要に応じて他剤と組み合わせます。

抗アルドステロン薬・MRA

スピロノラクトンなど。心不全や肝疾患などで使用されます。

バソプレシンV2受容体拮抗薬

トルバプタンなど。特定の病態で専門的に使用されます。

利尿薬は脱水やナトリウム・カリウムなどの電解質異常、腎機能の変化を起こすことがあるため、検査結果を見ながら調整します。なお、長時間の立位による軽いむくみや、薬の副作用によるむくみでは、利尿薬が適切とは限りません。

むくみ(浮腫)と漢方薬

漢方薬は、むくみの部位だけでなく、喉の渇きや尿量、汗のかきやすさ、下半身のだるさ、胃腸の状態、冷えなどを考慮して選びます。「むくみ」を正式な効能・効果に持つ漢方製剤も複数あります。

五苓散(ごれいさん)

五苓散は、喉が渇き、尿量が少なく、むくみや頭痛・めまいなどが現れる方に用いられる代表的な漢方薬です。

沢瀉・猪苓・茯苓・朮などの水分代謝に関わる生薬に桂皮を組み合わせています。むくみに加えて、二日酔い、急性胃腸炎、頭痛などにも用いられます。

防已黄耆湯(ぼういおうぎとう)

防已黄耆湯は、汗をかきやすく、疲れやすい方のむくみや水太りに用いられる漢方薬です。

防已・黄耆などを組み合わせ、水分代謝と身体の重だるさに着目した処方です。肥満に伴う膝や足の関節の腫れ・痛みが気になる場合にも検討されます。

九味檳榔湯(くみびんろうとう)

九味檳榔湯は、特に足のむくみや重だるさが強く、全身にも疲労感がある方に用いられる漢方薬です。

檳榔子・茯苓・厚朴などを含み、下半身の水分の停滞感や倦怠感に着目した処方です。むくみに加えて関節の腫れ・痛みなどがある方にも用いられます。

分消湯(ぶんしょうとう)

分消湯は、尿量が少なく、お腹の張りやみぞおちのつかえ、便秘傾向を伴うむくみに用いられる漢方薬です。

茯苓・沢瀉・猪苓などの水分代謝に関わる生薬と、陳皮・厚朴など胃腸の働きに着目した生薬を組み合わせています。むくみと腹部膨満感が一緒に気になる方に特徴があります。

当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)

当帰芍薬散は、冷えやすく、疲れやすい方のむくみ、めまい、月経に伴う不調などに用いられる漢方薬です。

当帰・芍薬・川芎などの血の巡りに関わる生薬と、茯苓・沢瀉・朮など水分代謝に関わる生薬を組み合わせています。冷えや貧血傾向、月経前後の不調などが重なる方に検討されます。

そのほかのむくみに用いられる漢方薬

補気建中湯

胃腸が弱く、疲れやすい方のむくみや腹部膨満感に。

茵蔯五苓散

喉の渇きや尿量減少に加えて、むくみ、二日酔い、じんましんなどがある方に。

柴苓湯

喉の渇きや尿量減少、胃腸炎に伴う下痢・吐き気などとむくみが重なる方に。

防風通聖散

お腹の脂肪が多く、便秘がちで、肥満や高血圧に伴うむくみがある方に。

むくみの原因が心不全・腎疾患・肝疾患などの場合は、原因疾患に応じた治療が必要です。漢方薬は症状や体質に合わせて検討しますが、処方されている利尿薬などの代わりになるものではありません。

カミツレ薬局で相談・購入できる漢方薬

カミツレ薬局では、むくみを正式な効能・効果に含む漢方薬を複数取り扱っています。症状の現れ方に合わせて処方を選べるよう、主な商品をご紹介します。

第2類医薬品・オンライン購入可能

五苓散料Aエキス細粒「分包」三和生薬

ごれいさん

喉の渇きや尿量減少を伴うむくみ、頭痛、二日酔いなどに。水分バランスの乱れに着目した代表的な漢方薬です。

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第2類医薬品・オンライン購入可能

防已黄耆湯エキス細粒G「コタロー」

ぼういおうぎとう

汗をかきやすく疲れやすい方のむくみ・水太りに。身体の重だるさや、肥満に伴う関節の腫れ・痛みなどにも用いられます。

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第2類医薬品・オンライン購入可能

九味檳榔湯エキス細粒G「コタロー」

くみびんろうとう

足のむくみや重だるさ、全身の疲労感が気になる方に。下半身の症状に着目した漢方薬です。

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第2類医薬品・オンライン購入可能

分消湯エキス細粒G「コタロー」

ぶんしょうとう

尿量が少なく、お腹の張りや便秘傾向を伴うむくみに。むくみと腹部膨満感の両方が気になる方に用いられます。

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第2類医薬品・オンライン購入可能

当帰芍薬散料エキス細粒G「コタロー」

とうきしゃくやくさん

冷えや疲れやすさに加えて、むくみ・めまい・月経に伴う不調などが気になる方に。血の巡りと水分代謝の両面に着目した処方です。

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第2類医薬品・オンライン購入可能

補気建中湯エキス細粒G「コタロー」

ほきけんちゅうとう

胃腸が弱く、疲れやすい方のむくみやお腹の張りに。腹部膨満感を伴う水分の停滞に着目した漢方薬です。

商品情報・購入ページを見る

その他の関連する漢方薬

茵ちん五苓散エキス細粒G「コタロー」 ― 口渇・尿量減少を伴うむくみや二日酔い、じんましんなどに。

柴苓湯エキス細粒G「コタロー」 ― 胃腸炎に伴う下痢・吐き気、口渇・尿量減少とむくみが気になる方に。

防風通聖散エキス細粒G「コタロー」 ― 肥満や高血圧に伴うむくみ、便秘などに。

防已黄耆湯と九味檳榔湯の違いを知りたい方へ

防已黄耆湯は、汗をかきやすく疲れやすい方のむくみや水太りに。九味檳榔湯は、特に足のむくみや重だるさ、全身の倦怠感が目立つ方に用いられます。

詳しい特徴は、肥満・むくみに用いる漢方薬の比較ページでも紹介しています。

九味檳榔湯には大黄が配合されており、下痢や他の下剤との併用に注意が必要です。また、防已黄耆湯・九味檳榔湯・柴苓湯・防風通聖散などには甘草が含まれるため、複数の漢方薬や利尿薬などを併用する場合は、成分の重複や電解質への影響を確認してください。

むくみ(浮腫)の薬は通販・処方箋なしで購入できる?

五苓散・防已黄耆湯・九味檳榔湯・分消湯などには、むくみを効能・効果に持ち、処方箋なしで通販・オンライン購入できる一般用漢方薬があります。症状や体質、現在の治療状況に合う製品を選ぶことが大切です。

一方、フロセミドなどの医療用利尿薬は、原因疾患や血液検査などを踏まえて使用する薬です。カミツレ薬局では一般用医薬品をオンライン販売していますが、医療用医薬品の通販・郵送販売は行っていません。処方箋医薬品以外の医療用医薬品については、条件を満たす場合に店舗で対面販売することがあります。

突然の強い息苦しさや胸痛を伴うむくみ、片脚だけの急な腫れ・痛み、急激な尿量減少などは、緊急の治療が必要な病気の可能性があります。また、むくみが続く・急に悪化する場合には、原因を確認することが重要です。

むくみ・漢方薬についてのご相談

「五苓散と防已黄耆湯ではどちらがよい?」「足のむくみや重だるさに合う漢方薬は?」「今飲んでいる利尿薬と併用できる?」など、お薬についてお気軽にご相談ください。

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参考文献・情報源

執筆・監修:カミツレ薬局 薬剤師 河津伸也
宮城県仙台市・東北大学病院前
本ページは、医薬品添付文書や医学・薬学資料に基づき、一般の方向けにまとめています。