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チック症・トゥレット症の症状と治療薬・漢方薬

チック症は、まばたきや首振り、顔をしかめる、咳払い、声を出すなどの動作や発声が、自分の意思とは関係なく繰り返し現れる病気です。子どもの頃に発症することが多く、症状が強くなったり軽くなったりする特徴があります。
治療では、症状に応じて生活環境の調整や行動療法、アリピプラゾールなどの薬物療法が行われます。また、神経過敏やイライラ、不眠などを伴う方には、抑肝散・抑肝散加陳皮半夏などの漢方薬が検討されることもあります。
チック症・トゥレット症とは
チック症は、突然起こる素早い動きや発声を繰り返す神経発達症の一つです。本人がわざと行っているものではなく、一時的に我慢できることがあっても、無理に抑え続けるのは難しい場合があります。
チックは、身体を動かす「運動チック」と、音や声が出る「音声チック」に分けられます。
主なチック症状
- 運動チック:まばたき、顔をしかめる、首を振る、肩をすくめる、身体をひねるなど
- 音声チック:咳払い、鼻を鳴らす、声を出す、同じ言葉を繰り返すなど
- 緊張や興奮、疲れなどによって症状が強くなることがある
- 症状の種類や程度が、時期によって変化することがある
トゥレット症との違い
トゥレット症(トゥレット症候群)は、複数の運動チックと1種類以上の音声チックが経過中に現れ、チック症状が1年以上続く病気です。運動チックと音声チックが同時に現れる必要はありません。
チック症は小児期に始まることが多く、成長とともに軽くなる方も少なくありません。一方、成人になっても症状が続く場合や、日常生活に支障が生じる場合もあります。
発症には脳内の神経伝達や遺伝的な要因などが関係すると考えられています。ストレスや育て方だけが原因で起こる病気ではありません。
診断では、症状の種類、始まった年齢、持続期間などを確認します。また、注意欠如・多動症(ADHD)や強迫症(OCD)などを伴うこともあり、これらの症状にも目を向けます。
チック症・トゥレット症の治療
チック症では、症状の強さだけでなく、本人が困っているか、学校や仕事、日常生活にどの程度影響しているかを考慮して治療します。
症状が軽い場合には経過観察や環境調整を行い、生活に支障がある場合には行動療法や薬物療法などを検討します。
| 治療方法 | 内容 |
|---|---|
| 生活環境の調整 | 本人の意思で起こしている症状ではないことを周囲が理解し、無理に止めさせたり叱ったりせず、生活上の負担を減らします。 |
| 行動療法(CBITなど) | チックが起こる前の感覚を捉え、別の動作に置き換える練習などを行います。 |
| 薬物療法 | 症状が強く生活に支障がある場合、アリピプラゾールやリスペリドンなどが専門的に検討されます。 |
| 併存症への治療 | ADHD、強迫症、不安症などがある場合は、それぞれの症状に合わせた支援・治療を行います。 |
症状を無理に止めさせず、本人が過ごしやすい環境を整えます。
チックが起こる前の感覚を捉え、別の動作に置き換える練習などを行います。
アリピプラゾールやリスペリドンなどが専門的に使用されることがあります。
ADHD、強迫症、不安症などにも必要に応じて対応します。
チック症・トゥレット症に使われる主な薬
| 薬・成分 | 特徴・位置づけ |
|---|---|
| アリピプラゾール エビリファイなど |
脳内のドパミンなどの働きを調節する薬です。チック症状が強い場合に専門的に使用される代表的な薬です。 |
| リスペリドン リスパダールなど |
ドパミンなどの神経伝達を抑える薬で、運動チックや音声チックの軽減を目的に用いられることがあります。 |
| その他の医薬品 | ハロペリドール、チアプリド、クロニジンなどが、症状や併存症に応じて検討される場合があります。 |
ドパミンなどの働きを調節し、チック症状の軽減を目的に用いられます。
神経伝達物質の働きを抑え、運動チックや音声チックに使用されることがあります。
ハロペリドール、チアプリド、クロニジンなどが専門的に検討されます。
上記の薬には、日本でチック症・トゥレット症そのものの承認効能を持たず、専門的な判断により使用されるものが含まれます。眠気、体重増加、身体の動かしにくさなどの副作用にも注意し、症状や年齢に応じて薬を選択します。
チック症・トゥレット症と漢方薬
漢方薬は、チック症状だけでなく、神経の高ぶり、イライラ、興奮、不眠、疲れやすさ、胃腸の状態などを考慮して選びます。
チック症に対する漢方治療は、日本の診療ガイドラインでも臨床現場での使用が取り上げられています。研究による裏付けはまだ限られますが、症状に伴う神経過敏や精神的な緊張などを整える目的で、漢方薬が選択されることがあります。
抑肝散(よくかんさん)
抑肝散は、神経が高ぶりやすく、イライラ、興奮、怒りっぽさ、不眠などを伴う方に用いられる代表的な漢方薬です。
もともと小児の神経過敏やひきつけ、夜泣きなどに用いられてきた処方で、現在も小児疳症や神経症、不眠症などに使用されています。
釣藤鈎(チョウトウコウ)・柴胡(サイコ)などが神経の高ぶりを鎮め、当帰(トウキ)・川芎(センキュウ)などが身体の状態を整える構成です。
チック症では、神経過敏や興奮が目立つ場合などに検討されることがあります。
抑肝散加陳皮半夏(よくかんさんかちんぴはんげ)
抑肝散加陳皮半夏は、抑肝散に陳皮(チンピ)と半夏(ハンゲ)を加えた漢方薬です。
抑肝散と同様に、イライラ、神経過敏、興奮、不眠、顔の筋肉がピクピク動くような症状などに用いられます。
陳皮・半夏は胃腸の働きを整える生薬で、神経が高ぶりやすいだけでなく、胃腸が弱い、食欲が落ちやすい、胃の不快感があるといった方にも選択されます。
カミツレ薬局で取り扱う抑肝散加陳皮半夏エキス細粒G「コタロー」は、神経症、不眠症、小児疳症(神経過敏)、歯ぎしりなどの効能・効果を持つ医薬品です。
甘麦大棗湯(かんばくたいそうとう)
甘麦大棗湯は、精神的に不安定になりやすく、突然泣き出す、興奮する、不安が強い、眠れないなどの症状に用いられる漢方薬です。
甘草(カンゾウ)・小麦(ショウバク)・大棗(タイソウ)の3種類の生薬から構成され、心身の緊張や神経の高ぶりを穏やかにする目的で使用されます。
小児の夜泣きやひきつけなどにも用いられ、チック症状に加えて感情の不安定さや強い緊張を伴う方で検討されることがあります。
そのほかの神経過敏・不安などに用いられる漢方薬
イライラ、不安、動悸、不眠など、精神的な興奮や緊張が強い方に。
神経過敏で驚きやすく、不安、不眠、疲れやすさなどを伴う方に。
漢方薬は、チック症状に対する研究や臨床使用例があるものと、併せて現れる神経過敏・不眠などの症状から選ぶものがあります。本人の症状や年齢に合わせて選択し、複数の処方を併用する場合には甘草などの生薬の重複にも注意します。
カミツレ薬局で相談・購入できる漢方薬
カミツレ薬局では、チック症状に伴う神経過敏、イライラ、不眠、精神的な緊張などに用いられる漢方薬を取り扱っています。お子さまから成人の方まで、症状や年齢、現在の治療内容などに合わせてご相談いただけます。
抑肝散加陳皮半夏エキス細粒G「コタロー」
よくかんさんかちんぴはんげ
神経過敏、イライラ、不眠、小児疳症などに。神経の高ぶりを鎮めながら、胃腸の働きも整える漢方薬です。顔の筋肉がピクピク動くような症状を伴う方にも用いられます。
商品情報・購入ページを見る柴胡加竜骨牡蛎湯エキス細粒「分包」
さいこかりゅうこつぼれいとう
神経症、不安、不眠、イライラなどに。気持ちが高ぶりやすく、落ち着かない、動悸がするなどの症状に用いられる漢方薬です。
商品情報・購入ページを見る桂枝加竜骨牡蛎湯エキス細粒「分包」
けいしかりゅうこつぼれいとう
神経過敏、不安、不眠、夜泣きなどに。刺激に敏感で驚きやすい、疲れやすく眠りが浅いといった方に用いられる漢方薬です。
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漢方薬の「母子同服」とは? ― 子どもの神経過敏や夜泣き、癇癪などに対する漢方の考え方。
ショーケン分包「小児用」(小建中湯) ― 小児の神経質、疲れやすさ、胃腸の弱さなどに。
チック症・トゥレット症の薬は通販・処方箋なしで購入できる?
チック症・トゥレット症で専門的に使用されるアリピプラゾールやリスペリドンなどは、医療機関での診察・処方に基づいて使用する医薬品です。
一方、抑肝散や抑肝散加陳皮半夏、柴胡加竜骨牡蛎湯などには、神経過敏・神経症・不眠などに用いられ、処方箋なしで通販・オンライン購入できる一般用漢方薬があります。
カミツレ薬局では、処方箋医薬品以外の医療用医薬品を店舗で対面販売する場合もありますが、医療用医薬品の通販・郵送販売は行っていません。
チックと似た症状には、けいれん発作やほかの不随意運動などもあります。初めて症状が現れた場合や急に症状が変化した場合には、原因の確認が大切です。また、お子さまの漢方薬は製品ごとに服用できる年齢や用量が異なるため、添付文書に従って使用してください。
チック症・神経過敏に用いられる漢方薬のご相談
「まばたきや咳払いが気になる」「抑肝散と抑肝散加陳皮半夏の違いは?」「子どもでも服用できる?」「病院の薬と併用できる?」など、お薬についてお気軽にご相談ください。

参考文献・情報源
執筆・監修:カミツレ薬局 薬剤師 河津伸也
宮城県仙台市・東北大学病院前
本ページは、医薬品添付文書や医学・薬学資料に基づき、一般の方向けにまとめています。



