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疾患・症状と医薬品

四十肩・五十肩(肩関節周囲炎)の症状と治療薬・漢方薬

四十肩・五十肩(肩関節周囲炎)に使われる医薬品・漢方薬

腕を上げると肩が痛む、背中に手が回らない、夜になると肩がうずいて眠れない――。こうした肩の痛みと動かしにくさが続く場合、四十肩・五十肩(肩関節周囲炎)が考えられます。

治療にはロキソプロフェンなどの鎮痛薬、湿布、注射、リハビリが用いられます。また、独活葛根湯・二朮湯など五十肩に効能がある漢方薬のほか、葛根加朮附湯など、肩の痛みやこわばりに応用される漢方薬もあります。

四十肩・五十肩(肩関節周囲炎)とは

四十肩と五十肩は、基本的には同じ状態を指す呼び方です。中年以降に多く、肩関節の周囲の組織に炎症が起こり、関節を包む袋(関節包)が硬くなることで、肩の痛みと動きの制限が現れます。肩が硬くなって動かしにくい状態は「凍結肩」とも呼ばれます。

主な症状の特徴

  • 腕を上げたり、後ろに回したりすると肩が痛む
  • 着替え、洗髪、高い所の物を取るなどの動作が難しい
  • 夜間や寝返りの際に肩が痛み、眠れないことがある

痛みが強い時期の後、肩の動かしにくさが目立ち、徐々に回復していくことがあります。ただし、改善まで長くかかる場合もあります。

肩の痛みは、腱板断裂や石灰沈着性腱板炎、頸椎の病気などでも起こります。診察で肩の動きを確認し、必要に応じてX線、超音波、MRIなどで区別します。

四十肩・五十肩の治療

治療では、痛みを和らげながら肩の動きを回復させることを目指します。特に痛みが強い時期と、動かしにくさが中心の時期では対応が異なります。

治療方法 内容
鎮痛薬・湿布 飲み薬や貼り薬などで、肩周辺の痛みを和らげます。
ステロイド注射 痛みが強い場合などに、炎症や痛みを抑える目的で関節内注射が行われます。
運動療法・リハビリ 痛みの状態に合わせたストレッチなどで、肩の動く範囲を徐々に広げます。
その他の処置・手術 改善が難しい場合、関節包を広げる処置や関節鏡手術などを検討します。
鎮痛薬・湿布

飲み薬や貼り薬で肩周辺の痛みを和らげます。

ステロイド注射

痛みが強い場合などに関節内注射が行われます。

運動療法・リハビリ

肩の動く範囲を徐々に回復させます。

その他の処置・手術

改善が難しい場合に検討されます。

四十肩・五十肩に使われる主な薬

薬・成分 特徴・位置づけ
ロキソプロフェン
ロキソニンなど
炎症と痛みを抑えるNSAIDs(非ステロイド性消炎鎮痛薬)。医療用の内服製剤には「肩関節周囲炎」の承認効能があります。
その他のNSAIDs
セレコキシブなど
肩の痛みや炎症に用いられます。胃腸・腎機能などの状態も考慮して選びます。
アセトアミノフェン
カロナールなど
痛みを和らげる薬。NSAIDsとは作用の特徴が異なり、患者の状態に応じて選択されます。
外用消炎鎮痛薬
ロキソプロフェンテープなど
湿布や塗り薬として、製品の承認効能に含まれる関節痛や肩周辺の痛みなどに使用します。
ロキソプロフェン(ロキソニンなど)

炎症と痛みを抑えるNSAIDs。医療用内服薬には肩関節周囲炎の承認効能があります。

その他のNSAIDs(セレコキシブなど)

肩の痛みや炎症に用いられ、体調や併用薬などで選択します。

アセトアミノフェン(カロナールなど)

痛みを和らげる薬で、NSAIDsとは特徴が異なります。

外用消炎鎮痛薬

関節痛や肩周辺の痛みに、製品の効能に従って湿布などを使用します。

鎮痛薬は痛みを抑えるための治療であり、肩の動きの改善にはリハビリなども重要です。胃潰瘍・腎機能障害がある方や、ほかの鎮痛薬を使用中の方は、薬の重複などに注意が必要です。

四十肩・五十肩と漢方薬

漢方薬は「五十肩」という病名だけでなく、首・肩のこわばり、冷え、関節の痛み、夜間の痛み、肩の動かしにくさなどを考慮して選びます。病名そのものに効能がある処方に加え、五十肩に伴う症状を目標に応用される処方もあります。

独活葛根湯(どっかつかっこんとう)

独活葛根湯は、「四十肩・五十肩」が正式な効能・効果に含まれる漢方薬です。肩から首すじにかけての重だるさ、こわばり、腕を動かしたときの肩の痛みなどに用いられます。

肩こりにも用いる葛根湯に、独活(ドクカツ)と地黄(ジオウ)を加えた処方です。肩周辺の緊張をほぐしながら、慢性的な肩の痛みを和らげることを目指します。

二朮湯(にじゅつとう)

二朮湯は、医療用漢方製剤として「五十肩」が正式な効能・効果に認められている処方です。肩や腕が痛んで動かしにくい場合に用いられます。

蒼朮(ソウジュツ)・白朮(ビャクジュツ)・茯苓(ブクリョウ)など水分代謝に関わる生薬と、肩や関節の痛みに着目する生薬を組み合わせた処方で、漢方では水分の偏りを伴う肩の痛みに検討されます。医療用製剤ではツムラ88番として知られています。

葛根加朮附湯(かっこんかじゅつぶとう)

葛根加朮附湯は、首すじから肩・背中・腕にかけての痛みやこわばりに用いられる漢方薬です。葛根湯を基本に、蒼朮と附子を加え、肩甲骨周辺の神経痛や、冷えを伴う慢性的な痛みにも用いられます。

五十肩に相当する肩関節周囲炎の患者を含む、頸部・肩・腕の痛み124例を対象にした臨床研究も報告されています。研究対象には肩関節周囲炎68例が含まれており、五十肩に伴う首肩腕の痛みに応用される処方として参考になります。

独活葛根湯・二朮湯・葛根加朮附湯の違い

独活葛根湯は肩の重だるさ・こわばりを伴う四十肩・五十肩に、二朮湯は肩や腕の痛み・動かしにくさと水分代謝の偏りに着目する処方です。葛根加朮附湯は、首や肩甲骨周辺まで張りや痛みが広がり、冷えを伴うような場合に検討されます。

桂枝加朮附湯(けいしかじゅつぶとう)

桂枝加朮附湯は、手足の冷えやこわばりを伴う関節痛・神経痛に用いられる漢方薬です。五十肩でも、冷えると痛みがつらくなる場合や、肩周辺の関節痛を伴う場合に、症状・体質から検討されることがあります。

そのほかの肩の痛み・関節痛に用いられる漢方薬

疎経活血湯

肩・首・腕の痛みやしびれが続き、夜間や冷え・湿気で悪化する関節痛・神経痛に。

薏苡仁湯

肩を含む関節や筋肉が重苦しく痛み、こわばりや腫れを伴う場合に。

五積散

冷えによって悪化する関節痛・神経痛に。寒い時期や冷房で身体が冷える方に。

カミツレ薬局で相談・購入できる漢方薬

カミツレ薬局では、四十肩・五十肩に用いる独活葛根湯や、肩の痛み・こわばりへの応用が知られる葛根加朮附湯などを取り扱っています。症状や冷えの有無に合わせてご相談いただけます。

第2類医薬品・オンライン購入可能

独活葛根湯エキス細粒G「コタロー」

どっかつかっこんとう

四十肩・五十肩、肩こり、寝ちがえに。肩から首すじのこわばりや重だるさ、動かすとつらい肩の痛みに用いられる漢方薬です。

商品情報・購入ページを見る
指定第2類医薬品・オンライン購入可能

葛根加朮附湯(サンワロンC顆粒)

かっこんかじゅつぶとう

首すじから肩・背中の張りや肩甲部の神経痛に。肩関節周囲炎を含む頸肩腕痛への臨床研究もあり、冷えを伴う慢性的な肩の痛みに検討される処方です。

商品情報・購入ページを見る

その他の関連する漢方薬

桂枝加朮附湯(サンワロンK顆粒) ― 冷えを伴う関節痛・神経痛、こわばりに。

疎経活血湯エキス細粒G「コタロー」 ― 長引く肩・腕の痛みやしびれに。

よく苡仁湯エキス細粒G「コタロー」 ― 関節や筋肉の重苦しい痛み、こわばりに。

五積散エキス細粒G「コタロー」 ― 冷えを伴う関節痛・神経痛に。

店舗でご相談いただける医療用漢方薬

ツムラ二朮湯エキス顆粒(88番) ― 「五十肩」の承認効能を持つ医療用漢方薬。医薬品の区分・在庫状況を確認のうえ、店舗で対面対応します。

カミツレ薬局で相談・購入できる痛み止め・湿布

肩の痛みを和らげる鎮痛薬や湿布も取り扱っています。一般用医薬品には通販で購入できる商品があり、医療用医薬品については店舗での対面販売に対応しています。

通販で購入できる市販の鎮痛薬・湿布

ロキソニンS(12錠) ― 関節痛・肩こり痛などの鎮痛に用いるロキソプロフェン配合の第1類医薬品。

フィスターLXテープ(大判・7枚) ― 関節痛や肩こりに伴う肩の痛みに用いる第2類医薬品の貼り薬。

カロナールA(24錠) ― 関節痛・肩こり痛などに用いるアセトアミノフェン配合の第2類医薬品。

店舗での対面販売に対応する医療用医薬品

ロキソニン錠60mg・ロキソプロフェンNa錠60mg ― 「肩関節周囲炎」の消炎・鎮痛に承認効能がある内服薬。

ロキソニンテープ・ロキソプロフェンNaテープ ― 肩周辺の筋肉痛など、製品の効能に応じて用いる外用鎮痛薬。

ロキソニンゲル1% ― 患部に塗って使用する外用消炎鎮痛薬。

医療用の湿布・ゲルの承認効能は製品によって異なり、内服のロキソニン錠と同じではありません。また、一般用鎮痛薬と医療用鎮痛薬を自己判断で重複使用しないでください。

四十肩・五十肩の薬は通販・処方箋なしで購入できる?

独活葛根湯や葛根加朮附湯などの一般用漢方薬、ロキソニンS、フィスターLXテープなどの市販薬には、処方箋なしで通販・オンライン購入できる製品があります。

一方、医療用の二朮湯やロキソニン錠・テープなどは、薬局で薬剤師が対面確認したうえで、処方箋なしで販売できる場合があります。処方箋医薬品は医師の処方箋が必要です。カミツレ薬局では医療用医薬品の通販・郵送販売は行っていません。

五十肩と思っていても、突然の激しい痛み、けがの後に腕が上がらない、強い脱力などがある場合には、別の病気が隠れていることがあります。痛みや動かしにくさが続く場合も、整形外科で原因を確認してください。

四十肩・五十肩の薬・漢方薬のご相談

「独活葛根湯と葛根加朮附湯はどう違う?」「冷えや夜間痛がある肩にはどの漢方薬が近い?」「痛み止めや湿布と漢方薬を併用できる?」など、購入前のお薬のご相談も承ります。

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参考文献・情報源

執筆・監修:カミツレ薬局 薬剤師 河津伸也
宮城県仙台市・東北大学病院前
本ページは、医薬品添付文書や医学・薬学資料に基づき、一般の方向けにまとめています。