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疾患・症状と医薬品

脳脊髄液減少症の症状と治療薬・漢方薬

脳脊髄液減少症・脳脊髄液漏出症の治療薬と漢方薬

脳脊髄液減少症は、脳や脊髄を包む液体(髄液)が漏れ出すなどして、頭痛、首の痛み、めまい、強い疲労感などが生じる病態として知られています。特に、起き上がると頭痛が強くなり、横になると軽くなる「起立性頭痛」が特徴的です。

髄液の漏出が確認される脳脊髄液漏出症では、安静などの保存的治療や、漏出を塞ぐブラッドパッチ療法が行われます。また、治療後も続く頭痛・首肩のこり・疲れやすさなどに対し、五苓散や補中益気湯などの漢方薬を用いた国内の臨床報告もあります。

脳脊髄液減少症とは

髄液は、脳と脊髄を衝撃から守る役割を担っています。脊髄を覆う硬膜などから髄液が漏れ出すと、頭痛やさまざまな身体症状が現れることがあります。交通事故・転倒・スポーツ外傷の後に発症する場合や、明らかなきっかけがない場合もあります。

主な症状の特徴

  • 起き上がったり立ったりすると強くなる頭痛
  • 首・肩・背中の痛みやこわばり
  • めまい、耳鳴り、吐き気、目の見えにくさ
  • 疲労感、集中力の低下、日常生活での負担

症状の出方には個人差があり、長引くと典型的な起立性頭痛が目立たなくなることもあります。一方、起立性頭痛は片頭痛、起立性調節障害など別の原因でも起こるため、症状だけで確定することはできません。

脳脊髄液減少症と脳脊髄液漏出症の違い

「脳脊髄液減少症」は広く使われてきた呼称ですが、診断や保険診療では、画像検査などで髄液の漏出を評価する「脳脊髄液漏出症」という名称が重要になります。また、髄液圧が必ずしも低いとは限らないため、髄液圧だけで判断するものではありません。

検査では、造影頭部MRIや脊髄MRIなどを用い、必要に応じて漏出部位を調べる専門的な画像検査を行います。画像所見がはっきりしない場合でも、症状や経過を含めて検討します。

脳脊髄液減少症・脳脊髄液漏出症の治療

治療では、症状の経過と画像検査の結果から髄液漏出の有無や部位を判断します。漏出が続いている場合は、頭痛を抑えるだけでなく、漏出そのものに対する治療を検討します。

治療方法 内容
保存的治療 身体を休め、適切な水分摂取を行います。頭痛や吐き気に対する薬を使用することもあります。
ブラッドパッチ療法 患者自身の血液を脊髄の硬膜外に注入し、髄液が漏れる部分を塞ぐことを目指す治療です。条件を満たす脳脊髄液漏出症で保険適用されます。
専門的な追加治療 症状が残る場合は漏出部位を詳しく調べ、再度のブラッドパッチや、漏出の種類に応じた手術などを検討します。
残存症状への対応 頭痛・首肩の痛み・吐き気・疲れやすさなどに対し、症状に応じた医薬品や漢方薬を検討します。
保存的治療

休養・適切な水分摂取と、頭痛や吐き気などへの対症療法を行います。

ブラッドパッチ療法

自身の血液を硬膜外に注入し、髄液の漏出を塞ぐ治療です。

専門的な追加治療

改善が不十分な場合は追加の画像検査、再治療や手術などを検討します。

残存症状への対応

頭痛・首肩の痛み・疲れやすさなどに合わせて薬を選びます。

症状を和らげるために使われる薬

薬・成分 特徴・位置づけ
鎮痛薬
アセトアミノフェンなど
頭痛・首の痛みを一時的に和らげるために使用します。髄液の漏出そのものを塞ぐ薬ではありません。
制吐薬 吐き気が強い場合に、症状に合わせて使用されます。
カフェイン 頭痛への補助的な使用が検討されることがありますが、効果は一時的な場合があり、原因治療の代わりにはなりません。
鎮痛薬

アセトアミノフェンなどで頭痛や首の痛みを和らげます。

制吐薬

強い吐き気に合わせて使用します。

カフェイン

頭痛への補助として検討されますが、漏出そのものは塞ぎません。

突然の激しい頭痛、意識の異常、麻痺、けいれんなどがある場合は、ほかの緊急疾患も含めて速やかな医療機関での対応が必要です。

脳脊髄液減少症と漢方薬

漢方薬は、脳脊髄液減少症に伴う頭痛、めまい、首肩のこり、神経痛、疲れやすさなど、実際に困っている症状に合わせて検討します。国内には脳脊髄液減少症の患者に漢方薬を使用した臨床報告があり、ブラッドパッチ後にも症状が残る方への補助的な選択肢として関心が持たれています。

五苓散(ごれいさん)

五苓散は、頭痛、めまい、吐き気などに用いられる漢方薬です。沢瀉・猪苓・茯苓・白朮・桂皮を組み合わせ、水分バランスの乱れに着目した処方です。

脳脊髄液減少症に対してブラッドパッチ後に五苓散を使用した国内18例の報告では、12例で症状の改善がみられました。比較試験ではありませんが、治療後に頭痛やめまい、吐き気などが続く場合に検討する根拠となる報告です。

髄液が少ないのに五苓散を使うのはなぜ?

五苓散は単純に体内の水分を排出させるだけの薬ではなく、漢方医学では水分の偏りに着目して用いられる処方です。脳脊髄液減少症でも使用報告がありますが、五苓散によって髄液の漏出が塞がると確認されたわけではありません。 頭痛やめまいなどの症状と治療経過を踏まえて選びます。

葛根湯(かっこんとう)

葛根湯は、首筋・肩のこわばりや肩こりを伴う頭痛などに用いられる漢方薬です。脳脊髄液減少症の患者への国内使用報告があり、首肩の緊張が気になる方では症状に合わせて検討されます。

桂枝加朮附湯(けいしかじゅつぶとう)

桂枝加朮附湯は、冷えを伴う神経痛や手足のこわばりに用いられる処方です。桂皮・芍薬などに附子を組み合わせた漢方薬で、痛みや冷えが残る場合に症状を確認して検討されます。脳脊髄液減少症の患者での使用報告もあります。

補中益気湯(ほちゅうえっきとう)

補中益気湯は、疲れやすさ、倦怠感、食欲不振、病後の体力低下などに用いられる漢方薬です。黄耆・人参などを配合し、胃腸の働きと身体の回復に着目した処方です。脳脊髄液減少症の患者に使用した報告があり、治療後も疲労感が残る方などで検討されます。

これらの報告は少数例の臨床経験に基づくもので、漢方薬が髄液漏出そのものを治療するという意味ではありません。漏出の評価と必要な治療を続けながら、症状・体質に合う処方を選びます。

カミツレ薬局で相談・購入できる漢方薬

カミツレ薬局では、頭痛やめまい、肩こり、冷えを伴う痛み、疲労倦怠感などに用いられる漢方薬を取り扱っています。脳脊髄液減少症の診断状況やブラッドパッチなどの治療歴、現在の症状に合わせてご相談いただけます。

第2類医薬品・オンライン購入可能

五苓散料Aエキス細粒「分包」三和生薬

ごれいさん

頭痛、めまい、吐き気などに。水分バランスに着目した漢方薬で、脳脊髄液減少症への国内臨床報告もある処方です。

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第2類医薬品・オンライン購入可能

補中益気湯エキス細粒G「コタロー」

ほちゅうえっきとう

疲れやすさ、倦怠感、食欲不振、病後の衰弱などに。体調を整えながら回復を支える漢方薬です。

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第2類医薬品・オンライン購入可能

葛根湯エキス細粒G「コタロー」

かっこんとう

首筋や肩のこわばり、肩こりを伴う頭痛などに。首肩の緊張が気になる方の症状に合わせて用いる漢方薬です。

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第2類医薬品・オンライン購入可能

桂枝加朮附湯(サンワロンK顆粒)

けいしかじゅつぶとう

冷えを伴う神経痛、手足のこわばりなどに。身体を温めながら冷えによる痛みに対応する漢方薬です。

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頭痛・めまいに関連する解説記事

頭痛・片頭痛・緊張型頭痛と漢方薬 ― 頭痛の種類による漢方薬の選び方を解説。

気象病・低気圧頭痛と五苓散 ― 天候の変化で悪化する頭痛・めまいへの漢方薬を解説。

桂枝加朮附湯には附子が、補中益気湯・葛根湯・桂枝加朮附湯には甘草が含まれます。複数の漢方薬を併用する場合は成分の重複、持病、服用中のお薬を確認して選びます。

脳脊髄液減少症の薬は通販・処方箋なしで購入できる?

脳脊髄液漏出症の原因となる髄液の漏れに対しては、ブラッドパッチ療法などの専門的な治療が中心であり、市販薬で漏出部位を塞ぐことはできません。

一方、五苓散・葛根湯・桂枝加朮附湯・補中益気湯などには、頭痛、肩こり、神経痛、疲労倦怠などの承認効能に基づき、処方箋なしで通販・オンライン購入できる製品があります。現在の治療に加え、残っている症状に合う漢方薬を検討したい場合にもご相談いただけます。

カミツレ薬局では一般用医薬品のオンライン販売を行っています。処方箋医薬品以外の医療用医薬品を条件に応じて店舗で対面販売する場合もありますが、医療用医薬品の通販・郵送販売は行っていません。

脳脊髄液減少症に伴う症状・漢方薬のご相談

「ブラッドパッチ後も頭痛やめまいが残る」「五苓散について詳しく知りたい」「疲れやすさや首肩の痛みに合う漢方薬は?」など、お薬についてお気軽にご相談ください。

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参考文献・情報源

執筆・監修:カミツレ薬局 薬剤師 河津伸也
宮城県仙台市・東北大学病院前
本ページは、医薬品添付文書や医学・薬学資料に基づき、一般の方向けにまとめています。