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- 漢方エキス製剤は溶かして飲むべき?|温服・冷服の違いと効果的な服用方法
Q:漢方エキス製剤は溶かして服用した方が良い?
漢方薬を取り扱う医師や薬剤師が、患者さまからよく受ける質問の一つです。
結論として、「お湯に溶かして服用した方が有効である」という明確な臨床試験によるエビデンスは、現時点では存在していません。
ただし、臨床現場では「溶かして服用すること」を勧める医師や薬剤師も多くいます。
現在広く使われているエキス製剤は、現代人のライフスタイルに合わせて簡便に加工されたものであり、煎じ薬に比べると風味は抑えられています。
本来の漢方薬(煎じ薬)は「香り」や「味」も重要な要素と考えられてきました。実際に、漢方薬の香気成分が自律神経系などに作用する可能性を示唆する動物実験の報告もあります。
特に溶かして使用する機会の多い漢方エキス製剤は次の漢方薬です。
カラダを温めるための漢方薬
風邪の初期で寒気が強い場合や、体に冷えの症状がある際には、お湯に溶かして温かいうちに服用することで、体を内側から温める効果が期待できるという考え方があります。
このような服用法は「温服(おんぷく)」と呼ばれています。
代表的な処方として、「葛根湯」「麻黄湯」「柴葛解肌湯」などがあります。これらは、発汗を促し体を温め、自然治癒力を高めて風邪症状の改善を図るとされています。
また、処方名に「湯」とついている漢方薬は、本来煎じて温かい状態で飲むことを前提としていたため、今でも温服が適していると考える専門家もいます。
口腔内の炎症・痛み、吐き気が強い場合の漢方薬
「桔梗湯」や「甘露飲」など、口腔内の炎症や痛みに用いられる処方では、患部への直接的な作用を期待して、お湯に溶かした薬剤を少し冷ましてうがいしながら服用する方法(含嗽〈がんそう〉服用)が勧められることがあります。
このような方法は、「冷服(れいふく)」と呼ばれています。
炎症部位に熱い液体を当てると、かえって症状が悪化する可能性があるため、冷ました状態で服用することが理にかなっているとされます。
医療現場では、溶かした漢方薬を凍らせて氷にし、ゆっくり舐めるように服用する指導が行われることもあります。これは、アイシング(患部冷却)の考え方に近く、炎症の緩和を目的とした方法です。
また、吐き気が強い場合には、熱い薬液を避け、冷やした状態で少量ずつ服用する方法が推奨されることもあります。