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- 桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)と甲字湯(こうじとう)|漢方薬の選び方 【漢方通販】
「桂枝茯苓丸」と「甲字湯」の違い

桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)とは

桂枝茯苓丸は、漢方で最も基本となる疲労回復薬の「桂枝湯(ケイシトウ)」を改良した処方と言われており、血行不良(瘀血:おけつ)で軽い打撲などでもすぐに、うっ血するタイプの方、のぼせにより顔や手足がむくみやすい方などに使用される漢方薬です。
青紫色のアザやシミ、シモヤケなどに用いられたり、月経色が青紫色の方の月経不順、月経異常などに使用されます。目の下にクマができるようなタイプの人の皮膚疾患(シミ、湿疹、にきび、しもやけ)にも向いています。
女性に使用されることの多い漢方薬ですが、血行不良(瘀血:おけつ)の状態があれば、男女問わず使用することができます。
牡丹皮(ボタンピ)、芍薬(シャクヤク)、桃仁(トウニン)の種類の生薬はいずれも血管拡張、うっ血の分解吸収などによって血行循環改善し、桂皮(ケイヒ)が気の流れを整え血管拡張を補助し、のぼせや肩こりを改善します。
牡丹皮(ボタンピ)は子宮粘膜を充血させて子宮機能を改善、月経を調整する作用があり、芍薬(シャクヤク)も子宮筋の調整をします。
また、茯苓(ブクリョウ)は組織の水分を血中に引き込み浮腫(むくみ)を軽減させ、体内の毒素を利尿によって排泄する作用があり、めまい・頭重感の改善も期待できます。
なお、牡丹皮、桃仁、芍薬の三薬には消炎・抗菌作用があり、牡丹皮・芍薬には鎮静、鎮痛、解熱作用もあります。
婦人科などでは一般に、子宮筋腫や子宮内膜症、また月経痛や更年期障害などの薬としてしばしば使われています。
また、子宮にある瘀血を排出させて、血流を改善し子宮を正常な状態に回復させることで妊娠しやすい体質にすることができるため、不妊治療をされている方にとっても使用されることの多い薬です。
ただし、牡丹皮・桃仁配合剤である桂枝茯苓丸は妊娠した後は服用を中止するのが安心です。
桂枝茯苓丸エキス細粒G「コタロー」
購入ページへ甲字湯(こうじとう)とは

甲字湯は、「桂枝茯苓丸」を改良し甘草(カンゾウ)と生姜(ショウキョウ)を加えた処方です。
基本的には、桂枝茯苓丸と同様の使用をしますが、胃腸が弱く、下腹部の痛み(月経痛など)が激しい方に向いた処方となっています。
桂枝茯苓丸を桂枝湯に近づけることで、より胃腸に優しく、体力を損なわない薬にしています。また、甘草が入ることで「芍薬甘草湯(シャクヤクカンゾウトウ)」の方意も生まれ、痙攣性の疼痛にも効果が期待できます。
すなわち、桂枝茯苓丸で効果はあるものの、使用すると胸がもたれる感じがする場合や、激しい痛みを伴う場合などには、甲字湯を試してみるとよいでしょう。
甲字湯エキス細粒G「コタロー」
購入ページへ参考・出典
- 小太郎漢方製薬株式会社
- 薬局で買える漢方薬のトリセツ.2017.じほう
- 漢方業務指針 改定第5版.日本薬剤師会編.じほう
- 幸井 俊高. 完全版 医師・薬剤師のための漢方のエッセンス. 日経BP.
※本記事は医薬品の情報提供を目的としており、効果には個人差があります。服用にあたっては医師または薬剤師にご相談ください。