口のトラブルに『桂枝五物湯』『甘露飲』

歯周病・歯槽膿漏について

歯周病（ししゅうびょう）は、歯肉炎・歯周炎の総称で、進行段階によって分けられます。まずは歯ぐきが炎症を起こし赤く腫れると「歯肉炎」の状態になり、歯ぐきの炎症が広がると、歯と歯ぐきの間の歯周ポケットが深くなり、「歯周炎」と呼ばれる状態になります。
「歯槽膿漏（しそうのうろう）」は歯周炎の中でも、とくに症状が進んだ状態を指し、歯ぐきが腫れる、血や膿が出る、ひどい口臭がするといった症状だけでなく、炎症が広がると歯ぐきの内側の歯を支える骨(歯槽骨)が溶け始め破壊されていき、最終的には歯が抜け落ちてしまいます。
歯槽膿漏の原因は、口の中に存在する口腔常在菌（700種類以上）と言われており、日々のブラッシングや歯間清掃を丁寧に行い、歯周病菌が繁殖しやすい歯周ポケット（歯と歯ぐきの間）をしっかりとケアすることが重要です。
日本では中高年の８０％が歯周炎を起こす歯周病（歯槽膿漏）を患っているといわれており、 歯周病は歯が抜けるだけでなく、最近では糖尿病や心臓病などの血管系の病気を悪化させることがわかってきました。 
漢方薬の服用によって体の中から炎症や口臭の対策をすることも可能です。症状を繰り返しやすい方は、漢方治療によって口腔内をケアしましょう。

口内炎・歯根炎・歯槽膿漏・口臭に桂枝五物湯

『桂枝五物湯（けいしごもつとう）』は、別名：桂枝桔梗湯（けいしききょうとう）といい、ケイヒ（桂皮）・オウゴン（黄芩）・キキョウ（桔梗）・ジオウ（地黄），ブクリョウ（茯苓）の5味で構成されており、歯茎の腫れや口臭に使用される漢方処方です。
桂皮と茯苓の組み合わせにより腫れを抑え、桔梗の排膿作用で膿を出します。また、黄芩と地黄の働きにより炎症や出血を止めます。

そのため、歯ぐきの腫れ、痛み、出血、ただれ、発赤など口内の炎症症状に広く用いられ、強い口臭の原因となる歯槽膿漏などにも効果的といわれています。

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口内炎・歯周病・歯槽膿漏に甘露飲 (かんろいん)

『甘露飲（かんろいん）』は、地黄（ジオウ）、麦門冬（バクモンドウ）、天門冬（テンモンドウ）、黄芩（オウゴン）、枇杷葉（ビワヨウ）、枳実（キジツ）、石斛（セッコク）、甘草（カンゾウ）、茵蔯蒿（インチンコウ）の9味で構成されており、口内炎，舌の荒れや痛み，歯周炎などに使用される漢方処方です。
地黄、麦門冬、天門冬、石斛で潤いを与えて、枇杷葉と黄芩で熱を冷まし炎症を鎮めます。茵蔯蒿で湿熱を除き、甘草や枳実で胃の働きを高めます。

そのため、口内炎や歯茎の腫れなどができやすい方や、口の中の様々な炎症で慢性化している場合に向いている漢方薬です。
歯周病（歯槽膿漏）による口臭にも効果的といわれています。比較的胃腸の弱い人に良く利用されます。

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こんな悩みの方にお勧めの漢方

• 口内炎や歯肉炎ができやすい。
• 最近口臭が気になる。
• 歯医者で歯周病や歯槽膿漏と言われたが歯科治療以外の対策をしたい。
• 口の中の炎症が慢性化して症状を繰り返す。

よくあるご質問（嗅覚障害と漢方Q&A）