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疾患・症状と医薬品
坐骨神経痛の症状と治療薬・漢方薬

坐骨神経痛は、お尻から太もも、ふくらはぎ、足先にかけて痛みやしびれが現れる症状です。電気が走るような痛み、焼けるような痛み、脚の重だるさなどが続くこともあります。
治療には、ロキソプロフェンなどの鎮痛薬や神経障害性疼痛に用いる医薬品、運動療法などが選ばれます。また、腰痛や神経痛、下肢のしびれに対して、独活寄生丸・疎経活血湯・牛車腎気丸・八味地黄丸などの漢方薬も症状や体質に応じて検討できます。
坐骨神経痛とは
坐骨神経は、腰からお尻を通り、太ももの後ろ側から足へと伸びる、身体の中でも特に太い神経です。
坐骨神経痛は、病名というよりも、この神経の走行に沿って現れる痛みやしびれを表す言葉です。一般的には左右どちらか一方の脚に症状が現れますが、両脚に及ぶこともあります。
坐骨神経痛の主な症状
- お尻から太もも、ふくらはぎ、足先にかけて痛む
- 電気が走るような痛み、焼けるような痛みがある
- 脚や足先にしびれ、ピリピリ感、感覚の鈍さがある
- 座る、立つ、歩くなどの動作で痛みが強くなる
- 症状が進むと足に力が入りにくくなることがある
坐骨神経痛の主な原因
原因として代表的なのが、腰椎椎間板ヘルニアと腰部脊柱管狭窄症です。腰から脚へ向かう神経が圧迫・刺激されることで、痛みやしびれが現れます。
| 主な原因 | 特徴 |
|---|---|
| 腰椎椎間板ヘルニア | 椎間板の一部が突出して神経を刺激します。前かがみや座る姿勢、せきなどで痛みが強くなることがあります。 |
| 腰部脊柱管狭窄症 | 神経の通り道が狭くなる病気です。歩くと脚が痛んだりしびれたりして、前かがみで休むと楽になることがあります。 |
| その他の原因 | 腰椎すべり症、骨の変形、お尻の深部での神経圧迫などが関係する場合もあります。 |
椎間板の一部が突出して神経を刺激します。座る姿勢や前かがみで悪化することがあります。
神経の通り道が狭くなる病気です。歩くとつらくなり、休むと改善することがあります。
腰椎すべり症や骨の変形、お尻の深部での神経圧迫なども関係します。
診断では痛みの場所や出方、脚の筋力・感覚・反射などを確認します。必要に応じてMRIなどの画像検査を行い、神経が圧迫されている場所や原因を調べます。
坐骨神経痛の治療方法
坐骨神経痛では、原因となる病気や症状の程度に応じて治療を選びます。まずは薬物療法や運動療法などを行い、痛みやしびれが強い場合には神経ブロックや手術を検討することがあります。
| 治療方法 | 内容 |
|---|---|
| 薬物療法 | 鎮痛薬や神経障害性疼痛に用いる医薬品などを、症状に合わせて使用します。 |
| 運動療法・理学療法 | 身体の動かし方や姿勢を調整し、腰や下肢の機能改善を目指します。 |
| 神経ブロック | 痛みの原因となる神経の周囲などに薬剤を注入し、症状の軽減を図ります。 |
| 手術 | 神経の圧迫が強い場合や、筋力低下・難治性の痛みが続く場合などに検討します。 |
鎮痛薬や神経障害性疼痛に用いる薬などで症状を和らげます。
姿勢や身体の動かし方を調整し、腰や下肢の機能改善を目指します。
神経周囲などへの注射により、痛みの軽減を図ります。
神経の圧迫が強い場合や、難治性の痛み・筋力低下などがある場合に検討します。
坐骨神経痛に使われる主な医薬品
| 薬・成分 | 特徴・位置づけ |
|---|---|
| NSAIDs ロキソプロフェン、セレコキシブなど |
痛みや炎症を和らげる薬です。腰痛を伴う場合や、炎症による痛みがある場合などに使用されます。 |
| 神経障害性疼痛治療薬 プレガバリン、ミロガバリンなど |
神経の痛みの伝達に関わる働きを抑えます。しびれを伴う神経障害性の痛みなどで検討されます。 |
| デュロキセチン サインバルタなど |
痛みを抑制する神経の働きに作用する薬です。慢性腰痛症などに用いられ、長引く痛みの性質を踏まえて検討されます。 |
| リマプロスト アルファデクス オパルモンなど |
血流改善に関わる薬です。一定の条件を満たす腰部脊柱管狭窄症に伴う下肢の痛み・しびれや歩行障害に使用されます。 |
痛みや炎症を和らげる鎮痛薬です。
神経障害性の痛みに用いる医薬品です。
慢性腰痛症など、長引く痛みに対して使用されます。
一定の条件を満たす腰部脊柱管狭窄症に伴う下肢症状や歩行障害に用いられます。
薬の選択は原因疾患によって異なります。神経障害性疼痛に用いる薬も、坐骨神経痛のすべてに同じ効果が期待できるわけではなく、症状や治療経過を考慮して使用します。
ロキソプロフェンなどのNSAIDsでは胃腸障害や腎機能への影響、プレガバリン・ミロガバリンなどでは眠気やふらつきに注意が必要です。リマプロストはすべての坐骨神経痛を対象とする薬ではなく、腰部脊柱管狭窄症の病態によって適応が異なります。
坐骨神経痛と漢方薬
漢方薬は、痛みのある場所だけでなく、冷えの有無、しびれ、腰や脚のこわばり、疲れやすさ、症状が悪化する時間帯などを考慮して選びます。
坐骨神経痛では、特に下半身の痛み・しびれや、長引く神経痛、冷えを伴う腰痛などを手掛かりに、次のような漢方薬が検討されます。
独活寄生丸(どっかつきせいがん)
独活寄生丸は、慢性的な腰痛や下肢の痛み・しびれが続き、疲れやすく、脚が冷えやすい方に用いられる漢方薬です。
独活・桑寄生・杜仲・牛膝・当帰・芍薬など、身体を温め、痛みや血の巡りに関わる生薬を組み合わせています。腰から脚にかけての痛みがなかなか取れない方や、冷えを伴う慢性的な症状が気になる方に検討されます。
小太郎の製剤では、正式な効能・効果として腰痛・関節痛・下肢のしびれや痛みが記載されています。
疎経活血湯(そけいかっけつとう)
疎経活血湯は、腰からお尻、脚にかけての痛みやしびれが続く方に用いられる漢方薬です。夜間に痛みが強くなる方や、冷え・湿気によって症状が悪化する方などで検討されます。
当帰・川芎・芍薬・地黄など血の巡りに関わる生薬に、痛みや身体の水分代謝に着目した生薬を組み合わせています。正式な効能・効果には腰痛・関節痛・神経痛・筋肉痛が含まれます。
牛車腎気丸(ごしゃじんきがん)
牛車腎気丸は、腰から下の痛みやしびれ、冷え、むくみ、頻尿などを伴う方に用いられる漢方薬です。
八味地黄丸に牛膝と車前子を加えた処方で、下半身の痛みやしびれ、身体の水分代謝に関わる症状に使用されます。坐骨神経痛に伴う下肢の症状が続き、冷えやむくみなども気になる場合に検討できます。
八味地黄丸(はちみじおうがん)
八味地黄丸は、足腰の冷えや痛み、しびれ、疲れやすさ、頻尿などを伴う方に用いられる代表的な漢方薬です。
地黄・山薬・山茱萸などに、身体を温める桂皮・附子を組み合わせています。中高年以降にみられる慢性的な足腰の不調などに使用されます。
医療用八味地黄丸には「坐骨神経痛」の承認効能があります
医療用のツムラ7 八味地黄丸では、添付文書の効能・効果に「坐骨神経痛」が明記されています。
ただし、医療用と一般用では効能・効果の記載や製剤の規格が異なります。一般用八味地黄丸は、承認されている下肢痛・腰痛・しびれなどの症状と体質に基づいて選択します。
桂枝加朮附湯(けいしかじゅつぶとう)
桂枝加朮附湯は、冷えを伴う神経痛や、手足のこわばりが気になる方に用いられる漢方薬です。
桂皮・芍薬・蒼朮などに、身体を温める附子を組み合わせた処方で、冷えると痛みが強くなる方や、体力が低下し、手足が冷えてこわばる方に検討されます。
その他の腰痛・神経痛に用いられる漢方薬
冷えや湿気によって悪化する腰痛・神経痛に。寒い環境で身体の痛みが強くなる方などに用いられます。
筋肉が急につるような痛みや、筋肉のけいれんを伴う腰痛などに。急激な筋肉のけいれんに着目した処方です。
漢方薬は症状や体質に応じて選びます。特に附子・甘草などを含む処方では、他の漢方薬との成分の重複に注意が必要です。急な麻痺や進行する神経障害に対して、原因の確認や必要な治療を代替するものではありません。
カミツレ薬局で相談・購入できる漢方薬
カミツレ薬局では、腰痛・神経痛・下肢のしびれなどに用いられる漢方薬を取り扱っています。痛みの続き方や冷えの有無、現在の治療内容などを確認し、症状に合った処方をご相談いただけます。
独活寄生丸エキス細粒G「コタロー」
どっかつきせいがん
長引く腰痛や脚のしびれ・痛みに。疲れやすく、脚が冷えやすい方の慢性的な足腰の不調に用いられる漢方薬です。
商品情報・購入ページを見る疎経活血湯エキス細粒G「コタロー」
そけいかっけつとう
腰痛・神経痛・筋肉痛に。腰から脚にかけての痛みやしびれ、夜間や寒い時期に強くなる痛みなどに用いられる漢方薬です。
商品情報・購入ページを見る牛車腎気丸エキス細粒G「コタロー」
ごしゃじんきがん
下肢の痛み・しびれや腰痛に。足腰の冷えやむくみ、頻尿などを伴う方に用いられる漢方薬です。
商品情報・購入ページを見る桂枝加朮附湯(サンワロンK顆粒)
けいしかじゅつぶとう
冷えを伴う神経痛や手足のこわばりに。身体を温めながら、冷えによる痛みを和らげる漢方薬です。
商品情報・購入ページを見る医療用のツムラ7 八味地黄丸も取り扱っています
カミツレ薬局では、医療用のツムラ7 八味地黄丸も取り扱っています。
本製剤には「坐骨神経痛」の効能・効果があり、使用されるご本人様への薬剤師による対面確認後、処方箋なしで購入できる場合があります。
医療用医薬品のため、通販・郵送販売は行っていません。
坐骨神経痛の薬は通販・処方箋なしで購入できる?
坐骨神経痛に関連する医薬品は、製品の販売区分によって購入方法が異なります。
ロキソプロフェンなどの鎮痛薬には、処方箋なしで購入できる一般用医薬品があります。一方、プレガバリン・ミロガバリン・デュロキセチンなどの医療用医薬品は、原則として医師の処方によって使用します。
独活寄生丸・疎経活血湯・牛車腎気丸・桂枝加朮附湯・八味地黄丸などの一般用漢方薬には、処方箋なしで通販・オンライン購入できる製品があります。
また、カミツレ薬局では、処方箋医薬品以外の医療用医薬品を、条件に応じて店舗で対面販売しています。医療用医薬品の通販・郵送販売は行っていません。
新たに排尿・排便ができなくなる、尿や便が漏れる、股の周囲の感覚が鈍くなる、脚の筋力低下が急速に進む場合は、重い神経障害の可能性があるため速やかに救急受診してください。痛みやしびれが続く場合も、原因となる腰椎疾患の確認が大切です。
坐骨神経痛・腰痛・足のしびれに用いる漢方薬のご相談
「お尻から脚にかけての痛みが続く」「独活寄生丸と疎経活血湯ではどちらが合う?」「病院の薬と漢方薬を併用できる?」など、お薬についてお気軽にご相談ください。

参考文献・情報源
執筆・監修:カミツレ薬局 薬剤師 河津伸也
宮城県仙台市・東北大学病院前
本ページは、医薬品添付文書や医学・薬学資料に基づき、一般の方向けにまとめています。



