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疾患・症状と医薬品
三叉神経痛の症状と治療薬・漢方薬

三叉神経痛は、頬やあご、歯の周囲などに、電気が走るような激しい痛みが繰り返し起こる病気です。食事や歯磨き、洗顔などの軽い刺激がきっかけになることもあります。
治療にはカルバマゼピンなどの医薬品が用いられ、症状や原因に応じて手術も検討されます。また、顔面痛や神経痛に対して、清上蠲痛湯・桂枝加朮附湯などの漢方薬が用いられることもあります。
三叉神経痛とは
三叉神経は、額や目の周囲、頬、上あご・下あごなどの感覚を伝える神経です。三叉神経痛では主に顔の片側に、刺すような痛みや電撃的な痛みが数秒から2分程度続き、発作を繰り返します。
主な症状の特徴
- 頬・口の周り・あご・歯の周囲などが突然強く痛む
- 会話、食事、歯磨き、洗顔、冷たい風などで痛みが誘発される
- 発作が治まると痛みが軽くなるが、再発することがある
原因として多いのは、脳幹近くの血管による三叉神経の圧迫です。まれに腫瘍や多発性硬化症などが関係する場合もあります。
診断では痛みの出方や顔の感覚を確認し、必要に応じてMRI検査を行います。歯痛、顎関節症、帯状疱疹に伴う痛みなどとの区別も大切です。
三叉神経痛の治療
基本は薬物治療です。薬の効果や副作用、MRI所見などを踏まえ、必要に応じて手術や専門的な処置を検討します。
| 治療方法 | 内容 |
|---|---|
| 薬物治療 | カルバマゼピンを中心に、神経の過剰な興奮を抑える薬を用います。 |
| 微小血管減圧術 | 三叉神経を圧迫している血管を神経から離し、痛みの原因に働きかける手術です。 |
| その他の専門治療 | 神経ブロック、経皮的治療、ガンマナイフなどが症状に応じて選択されます。 |
カルバマゼピンなど、神経の興奮を抑える薬を使用します。
神経を圧迫している血管を離す手術です。
神経ブロック、経皮的治療、ガンマナイフなどがあります。
三叉神経痛に使われる主な薬
| 薬・成分 | 特徴・位置づけ |
|---|---|
| カルバマゼピン テグレトールなど |
神経の過剰な興奮を抑え、発作的な痛みを和らげる代表的な治療薬です。日本で「三叉神経痛」の効能・効果が承認されています。 |
| プレガバリン リリカなど |
神経障害性疼痛に用いる薬。三叉神経痛で追加・代替治療として検討されることがあります。 |
| その他の医薬品 | ガバペンチン、ラモトリギン、バクロフェンなどが、治療経過に応じて専門的に検討されます。 |
三叉神経痛の承認効能を持つ代表的な治療薬です。
神経障害性疼痛に用いられ、追加・代替治療として検討されることがあります。
ガバペンチン、ラモトリギン、バクロフェンなどがあります。
これらの医療用医薬品は医師の処方により使用します。眠気・ふらつきなどの副作用や飲み合わせに注意が必要です。特にカルバマゼピンで発熱を伴う発疹や口の粘膜の異常が現れた場合は、速やかに医療機関へ相談してください。
三叉神経痛と漢方薬
漢方薬は、痛みの場所だけでなく、冷えの有無、痛みの続き方、頭痛や首肩のこわばりなどを考慮して選びます。三叉神経痛を対象とした漢方薬の臨床報告もあり、治療中の症状に合わせて検討されることがあります。
清上蠲痛湯(せいじょうけんつうとう)
清上蠲痛湯は、慢性化した顔面痛や頭痛に用いられる漢方薬です。三叉神経痛などの顔面痛への応用が知られており、寒さで誘発される顔面の痛みなどにも検討されます。
細辛(サイシン)・白芷(ビャクシ)・羌活(キョウカツ)など痛みに関わる生薬と、当帰(トウキ)・川芎(センキュウ)など血の巡りを整える生薬を組み合わせた処方です。難治性三叉神経痛への臨床報告もあります。
立効散(りっこうさん)をお探しの方へ
立効散は歯痛や抜歯後の痛みに用いられ、三叉神経痛への応用例もある漢方薬です。配合生薬の細辛(サイシン)には鎮痛作用や舌・口の中をしびれさせる性質があり、立効散は口に含んでゆっくり飲む服用方法が特徴です。
清上蠲痛湯にも細辛が配合されており、さらに頭部・顔面の痛みに関わる生薬を組み合わせています。立効散をお探しの方にも、痛みの部位や経過に合わせて清上蠲痛湯をご案内しています。
桂枝加朮附湯(けいしかじゅつぶとう)
桂枝加朮附湯は、冷えやこわばりを伴う神経痛・関節痛に用いられる漢方薬です。三叉神経痛では、手術後も痛みが残る場合や再発した場合などに使用した臨床報告があります。冷えによって痛みが悪化する方などで検討されます。
そのほかの神経痛に用いられる漢方薬
手足や肩・首などの痛み、しびれ、冷えを伴う神経痛に。
冷えや湿気で悪化する神経痛、頭痛、身体の痛みなどに。
カミツレ薬局で相談・購入できる漢方薬
カミツレ薬局では、顔面痛・神経痛などに用いられる漢方薬を取り扱っています。症状や現在の治療内容を確認し、適した処方についてご相談いただけます。
清上けん痛湯エキス細粒G「コタロー」
せいじょうけんつうとう
慢性化した顔面痛・頭痛に。細辛・白芷・川芎などの生薬を組み合わせ、頭部から顔面にかけての痛みに用いられる漢方薬です。
商品情報・購入ページを見る桂枝加朮附湯(サンワロンK顆粒)
けいしかじゅつぶとう
冷えや手足のこわばりを伴う神経痛に。身体を温めながら、冷えによる痛みを和らげる漢方薬です。
商品情報・購入ページを見る三叉神経痛の薬は通販・処方箋なしで購入できる?
カルバマゼピンなどの処方箋医薬品は、医療機関での診察・処方箋が必要です。一方、清上蠲痛湯や桂枝加朮附湯などの一般用漢方薬には、処方箋なしで通販・オンライン購入できる製品があります。
カミツレ薬局では、処方箋医薬品以外の医療用医薬品を店舗で対面販売する場合もありますが、医療用医薬品の通販・郵送販売は行っていません。
初めての強い顔面痛や原因不明の痛みでは、まず医療機関での診断が大切です。突然の麻痺、ろれつが回らない、視力の異常などを伴う場合は速やかに救急受診してください。
参考文献・情報源
- 日本神経治療学会「標準的神経治療:三叉神経痛(2021)」
- PMDA「テグレトール」添付文書
- 小太郎漢方製薬「清上蠲痛湯」処方解説
- 東京生薬協会「細辛」新常用和漢薬集
- 木下朋ほか「微小血管減圧術後の残存・再発三叉神経痛に対する桂枝加朮附湯およびブシ末の有用性」日本脳神経漢方医学会誌(2024)
- 上野眞二ほか「清上蠲痛湯(煎じ薬)は難治性三叉神経痛の治療に有用である」『漢方の臨床』72巻12号、1329?1336頁(2025)
執筆・監修:カミツレ薬局 薬剤師 河津伸也
宮城県仙台市・東北大学病院前
本ページは、医薬品添付文書や医学・薬学資料に基づき、一般の方向けにまとめています。



