便秘の基本処方で習慣性の便秘のファーストチョイス。
大黄（だいおう）は古くから世界中で用いられてきた下剤で、大黄に含まれる成分のセンノシドは、西洋薬としても一般的に使用されています。
大黄甘草湯は便秘で悩んでおられる方に用いる代表的な漢方処方で、即効性のある下剤系漢方薬で、大黄（だいおう）と甘草（かんぞう）の2つの生薬で構成されています。
大黄はその薬効が激しいため、調和作用のある甘草を合わせて緩和し、便秘に使いやすくした処方です。
どんなタイプの人でも、便秘に頓用でも使用できます。習慣性便秘の短期的な改善に使われ、穏やかに便通を促します。
実証タイプの人は継続して使用もできますが、虚証や寒証の場合には継続する場合には麻子仁丸やジュウヤク等への変更も検討が必要です。

食欲があって便秘し、生理不順や肥満が気になる方の症状に使用される漢方薬です。
便秘に加えて冷え・肩こり・お腹の張り・痔・生理不順・なかなか痩せない方（女性に多い）に適しています。
気と血の巡りを促し、便通と血行をサポートします。瘀血の程度が重症なものには、桂枝茯苓丸の併用も検討します。
また、メタボリックシンドローム（肥満、糖尿病、高血圧症）による循環器疾患などの生活習慣病には防風通聖散と合わせて使用されることもあります。
特に、拡張期血圧が高い(100mmHg以上)高血圧症の方に良いとされています。
本来は、打撲、挫傷を目的につくられた処方で、打撲後の疼痛、腫れを治すが、これから応用して瘀血性疾患(循環器疾患、婦人科疾患)に応用されるようになったため、交通事故などの打撲などにも応用されます。

体力が低下し疲れている方で、いつまでも治りきらない長引く痔などの化膿性疾患に使用される漢方薬です。
過労などで体力が衰えていると、化膿部分からいつまでも膿が排出できずに、長引きます。特に、肛門粘膜、おしりなどの皮膚の弱い部分に皮膚症状がよく見られます。
ある程度、化膿が進み痛みもある場合に、体の回復力（免疫力）を高めて膿の排出を促し、痛みの緩和や肉下の形成を促進させ症状を改善させます。
そのため、臨床では痔瘻・化膿した痔・床ずれなどの慢性化した腫れや膿に使用され、副鼻腔炎や中耳炎、扁桃腺炎などに応用されます。
千金内托散は、化膿〜排膿期に用いることが多く、初期の炎症には荊防敗毒散（あるいは十味敗毒湯）を使用される傾向にあります。

赤くはれて化膿して、痛む痔などの初期の炎症に使用される漢方薬です。
全身にできる様々な化膿性皮膚疾患を治療する代表的な漢方薬です。特に初期の化膿性疾患に用いる処方です。
十味敗毒湯のもとになった漢方処方で、化膿や炎症が強いものに用いることが特徴です。
また、鎮咳薬や去痰薬も含まれていることから、初期の風邪（喉や気管支の炎症）等にも応用されます。
長引く可能性疾患には、千金内托散が使用される傾向にあります。