- ホーム
- ルテインは薬じゃない?目の疲れに「体の中から効く」市販薬・漢方薬とは
ルテインは薬じゃない?目の疲れに「体の中から効く」市販薬・漢方薬を薬剤師が解説
「目のためにルテインを飲んでいる」という方へ
目の疲れやかすみが気になり、「目のためにルテインを飲んでいる」という方は少なくありません。
特に年齢とともに見えにくさを感じるようになると、ルテインやブルーベリーなどのサプリメントを試している方も多いと思います。
ただし、まず知っておきたいのは、ルテインは眼精疲労を治療する医薬品ではないということです。
ルテインは、目の奥にある黄斑部にも存在するカロテノイドの一種で、目の健康を目的としたサプリメントなどに広く利用されています。
一方、市販薬の中には、「眼精疲労」そのものが効能として認められている内服の一般用医薬品があります。
さらに、目の疲れ・かすみ・乾燥・充血などの症状に対して、体質に応じて選択できる一般用の漢方薬もあります。
目の疲れは「目薬だけ」ではありません
目が疲れたときには、まず目薬を思い浮かべる方が多いと思います。
しかし、眼精疲労に対しては、目に直接使用する点眼薬だけではなく、身体の中からビタミンなどを補い、症状を改善する内服の一般用医薬品もあります。
代表的なのが、ビタミンB1・B6・B12などを配合した医薬品です。
- ビタミンB1:エネルギー代謝を助け、疲労に関係する症状の改善に用いられます
- ビタミンB6:神経機能やアミノ酸代謝などを支えます
- ビタミンB12:神経機能に関係し、眼精疲労に用いられます
- ビタミンE:末梢の血行を改善する目的で配合されることがあります
こうした成分を組み合わせた一般用医薬品には、慢性的な目の疲れだけでなく、目のかすみや目の奥の痛みを伴う眼精疲労を対象としている製品もあります。
眼精疲労に使用される代表的な市販薬
ナボリンS
ナボリンSは、活性型ビタミンB12であるメコバラミンを中心に、ビタミンB1・B6・ビタミンE・葉酸などを配合した第3類医薬品です。
効能には、眼精疲労(慢性的な目の疲れ及びそれに伴う目のかすみ・目の奥の痛み)が含まれています。
目の疲れだけでなく、肩こりや腰痛、神経痛、手足のしびれなどを伴う場合にも使用される医薬品です。
アリナミンEXプラスなど
アリナミンEXプラスなどのビタミンB1・B6・B12を配合した一般用医薬品も、眼精疲労に使用できます。
パソコンやスマートフォンを長時間使用し、目の疲れに加えて肩こりや身体の疲労も感じている場合には、このような内服薬も選択肢となります。
ルテインと医薬品は何が違う?
ルテインとビタミン剤は、どちらも「目に関係するもの」として販売されていることがありますが、位置づけは異なります。
- ルテイン:目の健康を考える際に利用される栄養成分。眼精疲労を治療する医薬品ではありません
- ビタミンB1・B6・B12製剤:「眼精疲労」の緩和が正式な効能として認められている一般用医薬品があります
- 漢方薬:目の疲れ・かすみ・乾燥・充血など、症状や体質に応じて選択される一般用医薬品があります
- 目薬:乾燥、疲れ、充血など、それぞれの症状に応じた成分を直接目に使用します
つまり、ルテインと医薬品はどちらが優れているというものではなく、そもそもの目的が違います。
「目の健康のための栄養補助」と、「現在起きている眼精疲労や目の症状を改善する医薬品」は分けて考えることが大切です。
漢方薬にも「目の症状」に使われるものがあります
目の疲れやかすみに対しては、ビタミン剤だけでなく、症状や体質に応じて漢方薬を選択することもできます。
漢方では、単に「眼精疲労だからこの薬」と考えるのではなく、充血が強いのか、乾燥やかすみが中心なのか、加齢や疲労が強いのかなどをみながら処方を選びます。
充血・痛み・目の熱感がある場合|洗肝明目湯
洗肝明目湯(せんかんめいもくとう)は、目の充血や痛み、腫れ、熱感などが目立つ場合に用いられる漢方薬です。
長時間のパソコン・スマートフォン使用などで目が赤くなりやすい、目が熱っぽい、痛みを伴うといった場合に検討されます。
慢性的な目の疲れ・かすみ|滋腎明目湯
滋腎明目湯(じじんめいもくとう)は、目のかすみ、目の疲れ、目の痛みなどに使用される一般用漢方薬です。
特に、加齢や過労、長時間の目の酷使によって目の疲れが慢性化している方に適した処方の一つです。
加齢に伴う目の乾燥・かすみ|杞菊地黄丸
杞菊地黄丸(こぎくじおうがん)は、加齢に伴う目のかすみや乾燥感などが気になる場合に検討される漢方薬です。
漢方では、年齢とともに目を養う働きが低下した状態を「肝腎陰虚」などと考え、身体の内側から目を養うという考え方をします。
「飲むビタミン剤」と「漢方薬」はどう選ぶ?
どちらも内服する一般用医薬品ですが、選び方には違いがあります。
- 慢性的な目の疲れ・目の奥の痛み・肩こりなど → ビタミンB1・B6・B12製剤
- 目の充血・痛み・熱感が強い → 洗肝明目湯
- 慢性的な目の疲れ・かすみが中心 → 滋腎明目湯
- 加齢に伴う目の乾燥・かすみ → 杞菊地黄丸
同じ「目が疲れる」という症状でも、肩こりや神経症状を伴うのか、充血が強いのか、乾燥や加齢が関係しているのかによって、適した医薬品は異なります。
ルテインにはどのような研究がある?
ルテインやゼアキサンチンについては、目の奥にある黄斑部との関係から多くの研究が行われています。
代表的なのが、米国国立眼研究所(NEI)が行ったAREDS2研究です。
この研究では、ルテイン10mg・ゼアキサンチン2mgなどを含む特定の栄養補助食品が、中等度の加齢黄斑変性など一定の条件を満たす方で、病気が進行するリスクを低下させることが示されています。
一方で、健康な方がルテインを飲めば眼精疲労が治る、老眼や近視が改善する、視力低下を防げるとまで確立しているわけではありません。
そのため、ルテインは「疲れ目を治療する薬」ではなく、目の健康を考える際の栄養成分の一つとして考えるのが適切です。
老眼・近視・ドライアイにも飲み薬が効く?
ここは特に誤解されやすいポイントです。
ビタミンB群や漢方薬は眼精疲労や目のかすみなどには使用できますが、老眼や近視そのものを治したり、視力を回復させたりする薬ではありません。
老眼の場合
老眼は、加齢によって目のピント調節力が低下することで起こります。
そのため、眼鏡などによる補正が基本となります。
ただし、老眼によって近くを見る際の負担が増え、目の疲れや目の奥の痛みなどの眼精疲労を伴っている場合には、眼精疲労に対する内服薬を検討できることがあります。
近視の場合
近視についても、内服薬を飲むことで近視そのものが治るわけではありません。
一方で、長時間のパソコンやスマートフォン使用などによって目の疲れが加わっている場合には、その眼精疲労に対して市販薬を使用するという考え方になります。
ドライアイの場合
ドライアイでは、涙の量や質の異常によって目の乾燥、異物感、かすみ、疲れなどが起こります。
乾燥そのものに対しては、人工涙液やヒアルロン酸ナトリウムなど、涙や角膜の状態に応じた点眼薬が使用されます。
一方、目の乾燥感に加えて、慢性的な疲れやかすみなどがある場合には、体質に応じて漢方薬を検討することもできます。
「何となく目に良さそう」ではなく、症状に合わせて選ぶ
目の商品には、目薬、ビタミン剤、漢方薬、ルテインなどのサプリメントまで多くの種類があります。
大切なのは、「目に良さそうだから」という理由だけで選ぶのではなく、今困っている症状を確認することです。
- 目そのものが疲れているのか
- 目の奥の痛みやかすみがあるのか
- 充血や痛みが強いのか
- 乾燥が中心なのか
- 老眼や近視によるピント調節の負担があるのか
- 肩こりや全身の疲労も強いのか
目の疲れに対しては、目薬だけではなく、「体の中から眼精疲労や目の症状に働きかける一般用医薬品」という選択肢もあります。
ルテインなどのサプリメントを使用している方も、現在困っている症状によっては、ビタミン製剤や漢方薬などの医薬品という選択肢があることを知っておくとよいでしょう。
眼精疲労の市販薬・漢方薬はカミツレ薬局へご相談ください
カミツレ薬局では、眼精疲労に使用できるビタミン製剤をはじめ、洗肝明目湯、滋腎明目湯、杞菊地黄丸など、目の症状や体質に合わせた一般用漢方薬も取り扱っています。
「ルテインを飲んでいるけれど目が疲れる」「目薬だけではなかなか楽にならない」「ビタミン剤と漢方薬のどちらが自分に合うのか分からない」といった場合も、お気軽にご相談ください。
当薬局では、一般用医薬品・漢方薬の通販にも対応しております。
参考・出典
- エーザイ株式会社「ナボリンS」製品情報
- アリナミン製薬株式会社「アリナミンEXプラス」製品情報
- 独立行政法人 医薬品医療機器総合機構(PMDA)一般用医薬品添付文書情報
- 小太郎漢方製薬「洗肝明目湯 処方解説」
- 小太郎漢方製薬「滋腎明目湯 処方解説」
- National Eye Institute「AREDS・AREDS2」
※本記事は、眼精疲労および一般用医薬品・漢方薬・サプリメントに関する一般的な情報提供を目的としています。
ビタミン製剤や漢方薬は、老眼・近視そのものや視力低下を治療する医薬品ではありません。
急激な視力低下、強い眼痛、視野の異常、急に増えた飛蚊症や光視症などがある場合には、眼科等で原因を確認してください。



