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「医療用漢方製剤」と「一般用漢方製剤」の違い

同じ名前の漢方薬でも、病院で処方される『医療用』と、ドラッグストアなどで購入できる『一般用』では何が違うのでしょうか?
分量や効果は医療用の方が優れていると思われがちですが、実はそうとは限りません
この記事では、その具体的な違いを解説します。

医療用漢方製剤とは

医療用漢方製剤とは、医師の診察と処方箋に基づいて病院で処方される漢方薬です。
そのため、健康保険が適用されます。

一般用漢方製剤とは

一般用漢方製剤とは、薬局・ドラッグストアで売られている漢方薬で、薬剤師や登録販売者に相談して購入のできる漢方薬です。
医療用とは違い、健康保険の利用ができません。

医療用と一般用の成分量の違いは?

医療用漢方製剤と一般用漢方製剤は、同じ名前の漢方薬でも成分量や生薬の構成、適応が異なる場合があります。
同じメーカーが製造している漢方薬の場合には、安全性の観点から一日の服用量を調整している場合がありますが、必ずしも一般用漢方製剤が成分量が少ない、効果がないということではありません

実際の漢方薬を例に成分量を確認してみましょう。
 

例1)酸棗仁湯(さんそうにんとう)<成分比較>

不眠に使用される代表的な漢方薬である「酸棗仁湯(さんそうにんとう)」について、病院で処方される医療用漢方製剤(T社)と、当オンラインショップで購入可能な一般用漢方製剤(コタロー製品)との配合生薬の成分を比較してみます。

配合生薬 一般用
(コタロー)
医療用
(メーカーT)
酸棗仁 12g 10g
茯苓 4g 5g
川芎 2.4g 3g
知母 2.4g 3g
甘草 0.8g 1g
配合エキス量 2.4g 3.25g
添加物などの量 2.1g 4.25g

当オンラインショップで取り扱いのある、酸棗仁湯エキス細粒G「コタロー」は、医療用に比べ配合エキス量は少ないものの、主薬であり神経の強壮鎮静作用のある酸棗仁(サンソウニン)が医療用より多く配合されているのがわかります。そのため、不眠や不安などの症状が気になる方は、一般用漢方製剤の方が効果が期待できるかもしれません。
また、医療用は一般用より有効成分だけでなく添加物の量が多くかさ増しされているのも意外と知られていない事実です。 
 

例2)治打撲一方(ぢだぼくいっぽう)<成分比較>

打撲や捻挫による腫れや痛みの改善に使用される代表的な漢方薬である「治打撲一方(ぢだぼくいっぽう)」について、病院で処方される医療用漢方製剤と、当オンラインショップで購入可能な一般用漢方製剤(コタロー製品)との配合生薬の成分を比較してみます。

配合生薬 一般用
(コタロー)
医療用
(メーカーT)
桂皮 2.4g 3g
川芎 2.4g 3g
川骨 2.4g 3g
樸樕 2.4g 3g
丁子 0.8g 1g
大黄 0.8g 1g
甘草 1.2g 1.5g
配合エキス量 1.84g 2.25g
添加物などの量 1.16g 5.25g

当オンラインショップで取り扱いのある、治打撲一方エキス細粒G「コタロー」は、医療用に比べ配合エキス量が少ない(4/5の量ことがわかります。

ただし、医療用は一般用に比べ、添加物が4倍以上含まれているため、余計な添加物を取りたくない方や粉薬が苦手な方にとっては一般用漢方製剤の方が飲みやすい場合があります
 

例3)防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)<成分比較>

肥満や便秘の症状に使用される代表的な漢方薬である「防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)」について、病院で処方される医療用漢方製剤と、当オンラインショップで購入可能な一般用漢方製剤との配合生薬の成分を比較してみます。

配合生薬 一般用
(コタロー)
一般用
満量処方)
医療用
(メーカーT)
滑石 2.4g 3g 3g
黄芩 1.6g 2g 2g
甘草 1.6g 2g 2g
桔梗 1.6g 2g 2g
石膏 1.6g 2g 2g
白朮 1.6g 2g 2g
大黄 1.2g 1.5g 1.5g
荊芥 0.96g 1.2g 1.2g
山梔子 0.96g 1.2g 1.2g
芍薬 0.96g 1.2g 1.2g
川芎 0.96g 1.2g 1.2g
当帰 0.96g 1.2g 1.2g
薄荷 0.96g 1.2g 1.2g
防風 0.96g 1.2g 1.2g
麻黄 0.96g 1.2g 1.2g
連翹 0.96g 1.2g 1.2g
芒硝 0.56g 1.5g 0.7g
生姜 0.24g 1.2g 0.3g
配合エキス量 4.8g 5g 4.5g
添加物などの量 2.4g 15錠
(g数記載なし)
3g

防風通聖散は、テレビCMなどでも流れているように「満量処方」を売りにしている一般用漢方製剤などもあるように、承認基準※1内の最大量を配合している漢方薬の場合には、医療用よりも配合されている生薬の量も多くなることもあります。
そのため、一般用は必ずしも成分の量が少ない効果が弱いということはないということがわかります。

※1 「一般用漢方製剤製造販売承認基準」のことで、一般用漢方製剤は漢方処方ごとに配合できる生薬の量の限度が定められています。
 

例4)芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)<成分比較>

ふくらはぎの痙攣(こむら返り)や生理痛などで使用される代表的な漢方薬である「芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)」について、病院で処方される医療用漢方製剤と、当オンラインショップで購入可能な一般用漢方製剤(コタロー製品)との配合生薬の成分を比較してみます。

配合生薬 一般用
(コタロー)
医療用
コタロー
医療用
(メーカーT)
芍薬 4g 5g 6g
甘草 4g 5g 6g
配合エキス量 2g 2.5g 2.5g
添加物などの量 2.8g 3.5g 5g

当オンラインショップで取り扱いのある、芍薬甘草湯エキス細粒G「コタロー」は、医療用に比べ配合エキス量が少ない(同メーカー比較で4/5の量ことがわかります。

ただし、芍薬甘草湯に含まれている甘草(カンゾウ)という生薬は、漢方薬の約7割に配合されている生薬で過剰摂取や長期使用により「偽アルドステロン症※2」という副作用を発症することがあるため注意が必要です。
甘草の1日摂取上限の目安は成人で7.5gほどといわれているため、他の漢方薬も服用している場合については医療用漢方製剤では、甘草の量が多く副作用のリスクに気を付ける必要もあります。

※2 偽アルドステロン症:血圧上昇、浮腫、体重増加や低カリウム血症による手足のしびれや力の入りにくさ、脱力感、倦怠感、また頭痛、口渇、食欲不振など。
 

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まとめ

  • 一般用漢方製剤は、安全性を考慮して全体的な成分量が抑えられている場合がある一方、主薬が医療用より多く配合されているケースもある。
  • 医療用漢方製剤は、成分量だけではなく「添加物」の量も多い傾向にある。
  • 漢方薬は、併用薬や体質も含めご自身に合った漢方薬を選択することが重要。